smc PENTAX-DA 14mm F2.8 ED [IF]

接写性能が光る純正超広角

Good

  • F2.8の明るさ
  • 逆光に強い
  • 寄れる(最短撮影距離17cm)
  • クイックシフトフォーカス
  • 絞れば美しいボケ味
  • 質感の高い金属鏡筒
  • クロスフィルターいらずの光芒
  • インナーフォーカス

Bad

  • 開放のボケがうるさい
  • 歪曲の形が不自然に波打っている
  • フードがかさばる

コメント

DA15と比べてみたくて中古で手に入れた一本。
高い描写力と明確な個性を持ったレンズ。


描写の傾向

クリアでしっとりとした解像感を感じる写りで、かつ質感や階調、立体感もよくでる。
超広角ならではの遠近感やデフォルメ効果を活かすことを心がけるとドラマチックな写りを提供してくれることが多い。

開放ではかなりソフトで驚くほどだが、絞るにつれてシャープになりF8あたりで最も安定した解像力を発揮。F11まで絞ると中央はF5.6より落ちるが周辺は安定するので、遠景などではF11以上に絞って使いたくなる。

明るく寄れるレンズなので広角でも大きくぼかすことができるが、開放のボケはうるさくなりがち。絞ればなめらかな美しいボケ味になるのでボケを狙うときはF5.6くらいまで絞った方が無難。
少々残念ではあるが絞っても接写であれば十分にぼけるため、接写性能を活かせば他の純正広角にはない表現力を発揮する。

逆光には強く、フレアが気になることはほぼない。ゴーストも光源がフレームに入るなど厳しい逆光でわずかに出る程度。
この特性は夜景でも心強く、絞ると光源の周りに光芒が6本スッキリときれいに出ることも合わせて夜景には向いている。

広角で重視したい周辺部の描写は満点とは言えず、光量落ちが開放からF5.6くらいまでそこそこ目立つ。
四隅の流れは少ないが場合によっては気になるので、カッチリ写したい人には少々不満が出るかも。

色収差は超広角レンズにしては良く抑えられており、出ることは出るが派手に出ることは少ない。まずまずといったところだろう。

歪曲は少々難ありで、大きくはないが素直な樽型ではなく不自然に波打った形をしている。そのためフレームの上部や下部に直線があるとぐにゃぐにゃ曲がっているように見えるほか、四隅にあるものが奇妙に歪んで見えたりすることがある。


使い勝手

開放で柔らかく、絞ればクッキリという描写の変化が大きいレンズで、加えて超広角の画角を強制されるので、それなりの使いこなしが求められる。

接写が得意なレンズなので、その特性を活かすと面白い表現ができる。
グッと寄ることで大きく写したり、背景との遠近感を活かして迫力を出したり。
そして接写時のピントの微調整にはクイックシフトフォーカスがきちんと活躍してくれる。


携帯性

レンズ自体はそれほど大きくもないがフードが大きいのでややかさばる印象。
とは言え必要ならば苦も無く携帯できるサイズと重さ。可もなく不可もなくと言ったところだろう。

バッグへの収納の際にはフードをレンズに逆さ付けするのではなく、別の場所に分けて収納するようにするとかなり収まりが良くなる。おすすめ。


総評

満足度は90点。

粒ぞろいの純正広角の中では比較的影が薄いが、F2.8の明るさ、開放での柔らかさ、優れたボケ味に接写性能、六枚の絞り羽根によるスッキリした光芒といった他の広角レンズにはない個性を持っている。
そうした個性をしっかり使いこなせれば満足度はもっと高くなるかもしれない。

一方で開放からシャープなレンズを求める人や、光学性能の高さを重視する人にとっては今ひとつ満足できるレンズではないだろう。


購入を悩んでいる人へ

smc PENTAX-DA 15mm F4 AL Limited とどちらにすべきか

同じ超広角単焦点として一番の対抗馬。

これくらいの広角になると1mmの違いが大きく、使いこなしの難度はDA14の方が高い。

携帯性やルックスや使いやすさを重視するならDA15を。
明るさや描写力、接写性能や広い画角を重視するならDA14を。

描写力の面で比較するとDA15の方が中央の解像力は高いが周辺まで画質が均一なのはDA14。またDA14はどことなくしっとりとした写りで質感描写や階調がすばらしく、絞ればボケ味も美しい。描写力だけを採ればDA15より好きなレンズだ。
とは言えいずれも単焦点として十分な描写力を持っているとは思う。

また夜景では光芒の形も注目したい要素だが、DA15は絞り羽根枚数が奇数なので光芒は多く出てしばしば金平糖のようなギザギザになる。一方DA14は偶数なので光の線がクロスしたようなすっきりとした光芒になる。この辺りは好みの分かれるところか。

DA15の方が気軽に持ち歩け、コストパフォーマンス的にも良好なので、明確な理由がなければとりあえずDA15でいいかもしれない。
個人的にもDA15の方が出動頻度が高い。

smc PENTAX-DA 12-24mm F4 ED AL [IF] とどちらにすべきか

明るさや接写能力、コンパクトさが不要ならばDA12-24は純正広角のベストチョイス。
ズームレンズの利便性に加え、描写性能の面でもDA15やDA14に勝るとも劣らないものを持っている

広角端も12mmとDA12-24の方が広く、よりシャープな写りで性能も安定しているので遠景撮影などにはDA12-24の方が良い。
DA12-24にはないF2.8の明るさや柔らかさ、ボケ味、および接写性能を活かした表現をしたいのならばDA14を選ぶといいだろう。


フルサイズ機での利用

ファインダーを覗いた時点で使えないとすぐに分かる。フォーカス位置に関わらず周辺部が真っ黒に大きくケラレる。


メンテ記録

売却 2012/03

携帯性のせいでDA15ばかり持ち出していたのと、気が早いけどフルサイズが見えてきたこともあり手放してしまった。

再入手 2015/01

前の個体がけっこう使い込まれた中古だったので、お試し感覚で新品同等品の中古を改めて入手してみた。
描写力などの印象は変わらないが、使いこなし方が前より分かってきた気がする。


関連用品

フィルター

77mm径はDA★16-50やDA12-24など純正レンズに多いので使い回しが効く。

星景撮影では明るい星を目立たせるためにソフトフィルターが欲しい。
開放のソフトさをブーストするにも良い。

SPコーティングなしのレンズなので心配ならプロテクトフィルターを使うのもいいだろう。

Amazon ケンコー PRO1D プロソフトンAワイド

ステップダウンリング

77mm-67mmで試したところフォーカスが無限遠だとケラレる。
広角にステップダウンリングはやはり無理か。

最終更新: 2016-04-29


 
Spec  
35mm判換算 21.5mm
構成枚数 11群12枚
最小絞り F22
最短撮影距離 0.17m
最大撮影倍率 0.19倍
フィルター径 77mm
最大径 x 長さ 83.5mm x 69mm
質量 420g
絞り羽根枚数 6枚
発売日 2004-06-20

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