smc PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited
スナップ用途に最適なコンパクト広角
Good
- 極めてコンパクト
- スナップに使いやすい画角
- 寄れる(最短撮影距離20cm)
- 高い逆光耐性
- ボケが素直
- 色ノリが鮮やか(特に青空)
- アルミ削り出しの高い質感
- クイックシフトフォーカス
- SPコーティング
Bad
- 解像力があまり高くない
- 単焦点にしては物足りない描写力
コメント
K-01といっしょに使いたくて手に入れてしまった一本。
コンパクトな寄れる広角ということで使い勝手が非常に良いレンズ。
描写の傾向
解像力はそれほどでもなく、FAリミテッドのような一級レンズと比べてしまうとコントラストや立体感も物足りなく感じることが多い。繊細で緻密な、といった感想が出るような描写は無理。
なので何を撮ってもむやみに感動的に写る、みたいなことはないが逆に言うと誇張なく写るとも言えるんだろうか。(とか無理矢理褒めてみる)
とは言えスナップレンズとして考えれば十分な画質。
色収差は良く補正されていて目立つことは少なく、逆光にも強いため、実際気軽なスナップに使いやすい。
さほど解像しないとはいえ接写〜近景ではしっかりとコントラストも出てシャープ。遠景では解像不足が画質に響くが、周辺の流れが少なく像が均一な点などは良い。そのため現像時やカスタムイメージでシャープネスを高めてやれば隅々までカッチリとシャープな画像を得ることができる。
中央の解像力は開放からこのレンズの最高値に近いが、周辺まで含めた解像力のピークはF5.6からF8.0くらい。F11まで絞ると少し落ちてくるかんじ。
周辺減光は開放ではけっこうあるが、絞れば気にならなくなる。
ボケに関しては広角だが寄れるレンズであるため思いの外ぼかせる。開放ではボケがうるさく感じられることもあるが、絞ればおおむね自然で素直な傾向の悪くないボケ方をする。丸ボケが角張るのも、円形絞りが当たり前のようになってきた昨今、逆に貴重かもしれない。
発色は濃い傾向で、特に空の青の鮮やかさはピカイチ。
夜景などで光源の周りに出る光芒は14本できれいな星形の形になる。
使い勝手
サイズ的にも画角的にもスナップに最適なレンズ。
広角なので広く写せるし、寄れるので大きく写すことも可能。このレンズ一本でいろいろとこなせる。
加えてコンパクトで取り回しが苦にならない。
使い勝手は素晴らしいの一言。
AFは十分な速さで特にストレスはない。
クイックシフトフォーカスは寄って写す際に非常に便利。ピントリングは適度なトルクがありスムーズな動作。ピントの山がつかみやすいこともありMF操作も楽しい。
携帯性
パーカーやコートのポケットに入れて持ち歩ける大きさ。
文句なしの携帯性。
もともと小さなペンタックスのカメラとの組み合わせで比類なきコンパクトさが備わる。
総評
とにかく軽快で小気味良いレンズ。フットワークを駆使すれば割となんでもこなせるレンズなので持ちだす機会が多い。
画質に関してはスペシャルなものではないが、使い勝手に関してはリミテッドレンズ随一と言える。
そしてK-01とのマッチングが最高。
DA21 XSとか出ないもんですかね。
コンパクトな姿も可愛くお気に入りなので満足度は100点。
購入を悩んでいる人へ
評価の分かれるレンズだが・・・
ニーズや好みによって評価が分かれると思われる。
画質の面では等倍鑑賞が趣味だったり解像力を重視するなら他のレンズを選んだ方が良い。一方でそこまで悪いわけでもないので、ブログに載せる用途や八切り程度のプリントが主なら解像に関して不満が出ることもないだろう。
ペンタックスの一眼を気軽なスナップにも使いたいと考えている人には最適なレンズのひとつ。
誇張が少なくどことなくゆるい写りがかえってスナップにはちょうど良いように思われるときもある。
smc PENTAX-DA 15mm F4 AL Limitedとどちらにすべきか
両方とも広角のレンズではあるが広角は1mmの差が大きいため15mmと21mm(換算約24mmと約32mm)では使い勝手はまったく別物。
超広角で広い景色や巨大な構造物に挑みたければDA15を。
しかし一本つけっぱなしでオールマイティに使うならDA21の方が使いやすい。
smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limitedとどちらにすべきか
コンパクトで標準に近い画角のものを一本と考えるとDA40が比較対象になる。
画質はDA40の方が幾分しっかりしている。
対して画角的に使いやすいのはDA21。
少しでも高い画質、もしくは妥協のないコンパクトさを求めるならDA40となるが、自分の好きな画角を考慮して決めるのが良いと思う。
いっそsmc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited
画質を求めてDA40とか言うならいっそ。これもパンケーキだし。
smc PENTAX-DA 12-24mm F4 ED AL [IF]は?
純正広角で高い描写力を優先するならDA12-24がベストチョイス。明るさやコンパクトさ、接写能力といったものが失われるが、ズームにもかかわらず他の純正広角単焦点よりよく写る。
超広角から準広角までカバーするズームレンジも使いやすく、取り回しを除けば使い勝手はDA21以上に良い。
DAリミテッドで一番いいのを頼む
描写力で言えばDA70が出色の出来。
しかし使い勝手はDA21が一番。
便利レンズとしてのsmc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL[IF] DC WRとの比較
割となんでもこなせるレンズとして比較。
DA18-135の方がズームができるため様々な被写体に対する対応力は高い。また解像力なども高く、よりシャープに写る。ただし周辺の安定度はDA21の方が上。
もちろんコンパクトさや格好良さを重視するならDA21の圧勝となる。
HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited
リニューアルされた後継レンズ。
HDコーティングおよび円形絞り採用で描写性能が向上したほか、外観に緑帯から赤帯になるなどの変更。あと4g軽くなった。
このデジカメWatchの記事によると顕著な画質向上が見られるらしい。
確かに実際使ってみた感じでも実感できるレベルで画質が良くなっている。
フルサイズ機での利用
HD版と同様に無理。
ボディをフルサイズにステップアップしたように、レンズをFA31にステップアップするときがやってきたのかもしれません。
メンテ&使用記録
HD化でリニューアル 2013/09
これに伴い非HDバージョンはディスコン。
HD化で実際どれだけ性能が上がったのか興味深くはあるが、最近コンパクト広角のお株をGRに奪われて出番が激減していることもあり今のところ購入予定はなし。
もともと性能より使い勝手で重宝していたレンズでもあったし。
HD版購入 2013/12
ついやっちまった。
売却 2014/05
HD版の期待以上の描写力向上にこちらはドナドナ。
使い勝手に惚れ込んで使っていたレンズなので、多少の向上ならば旧型を使い続けるという選択肢もあったが、明らかな描写力上乗せとなるとこれはもう。
関連用品
フィルター
フードの内部に43mmのフィルターをつけられるが、入手性が悪く使い回しも難しい。フィルターを使うときにはフードを外して49mmのものをつける方がいいだろう。
でもフィルターなしで気軽に使いたいレンズかな。
SPコーティング付きなのでプロテクターも要らない。
Amazon ケンコー Zeta EX サーキュラーPL
フード
付属のフードはカチッと鳴るまで回してきちんと装着しないとケラレるので注意。他の多くのレンズのバヨネット式フードと同様に専用品のため他への転用は難しい。
一方DA40のフードの方はネジ込み式なので49mm径なら転用可能。DA21にも装着できるが、しかしケラレる。
K-01
ミラーショックもないしコンパクトさがブーストされるしでいろいろと覚醒する。
Amazon K-01
最終更新: 2016-04-29
Spec | |
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35mm判換算 | 32mm |
構成枚数 | 5群8枚 |
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.2m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
フィルター径 | 49mm |
最大径 x 長さ | 63mm x 25mm |
質量 | 140g |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
発売日 | 2006-06-24 |
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