smc PENTAX-FA☆24mm F2 AL[IF]

クリアで立体的な描写が特徴的な広角単焦点

Good

  • F2の明るさ
  • 立体感がよく出る
  • 色乗りが鮮やか
  • 階調が豊か
  • クロスフィルターいらずの光芒
  • 逆光に強い
  • APS-Cでは使いやすい準広角の画角

Bad

  • ハロが出やすい
  • 二線ボケのため開放のボケがうるさくなりがち
  • 周辺部の甘さ
  • 生産終了品なので修理部品がいつまであるか分からない

コメント

ヤフオクで冷やかし入札したら落ちてしまったという曰く付きの一本。
少々気むずかしい所もあるが、ハマれば素晴らしい写りをするレンズ。


描写の傾向

豊かな階調と鮮やかな発色、それとF2の明るさが特長のレンズで、デジタルで使っても単焦点らしいシャープさと繊細な描写は健在。立体感がとても良く出て印象的な写真を撮ることができる。
光芒は8本でクロスフィルターを使ったようにきれいに出るので夜景に使うのも楽しい。

だが難しい点としては強い光を浴びた被写体の周りにフレア(ハロ)が出やすくしばしば画質が荒れて見える。うまく活かせば柔らかさの表現として使えるが、狙っていないときでも出てくるので悩ましい。絞れば出にくくなるが、日光が当たっているものの周りなどにはF8まで絞っても出てくることがある。
そうしたこともあり曇天や薄暮など光量が少ない条件下で力を発揮するレンズという気がしている。

ボケは基本的に柔らかで、大口径の単焦点レンズらしい見事な物だが、開放付近ほど二線ボケが出やすく、背景に気を遣わないとうるさくなることが多い。
広角レンズのため二線ボケを溶かすほどに大きくぼかすことも難しい。絞れば二線ボケもマシになるが、せっかくの明るさを気軽に活かせないのは少々残念だ。

逆光に関しては、レンズの斜め上から強い光が当たるような状況では大きなゴーストが出るが、光源をフレームの中に入れてしまうと逆に出なかったりする。フレアも同様で、ほとんどのケースでクリアな画質を得られる。
逆光耐性は強いと言っていいだろう。

解像力に関しては中央は非常に高いが周辺部は少々甘くなり色収差も少々目立つ。これは絞ってもまだ目立つ。もともとフィルム用のレンズなのでAPS-Cでは中央のおいしいところだけを使っているはずなのだが。

遠景の写りはDA★16-50と同等程度か微妙に繊細かな?くらいという印象なので普通の単焦点としては十分だが、スターレンズの単焦点と考えると物足りないかもしれない。
階調や立体感などの長所は発揮されるが、隅々までシャープな像が欲しい人はおそらく満足できない。


使い勝手

APS-Cでは準広角となり使いやすい画角だが、ハロの出やすさや癖のあるボケの傾向、周辺部の甘さなどから気軽に使いやすいレンズではない。いつも良く写るわけではないため、目に入ったものを適当にスナップしていく散歩レンズなどにはやや不適と感じる。

一方で色鮮やかな花などを順光や斜光でコントラストが出るようにしつつ十分絞って写すと、色乗りと立体感があいまって素晴らしい写真が出てくるほか、太陽や夜景などでは光芒がよく出て楽しい。
また光の柔らかな場所や時間帯では階調の豊かさが際立つし、開放付近でハロを活かして柔らかい表現を狙うのも面白い。

要するにある程度の使いこなしが求められる。


携帯性

サイズの割にズッシリとした重さが逆に心地よい。
リミテッドレンズに慣れていると大きいと感じてしまうだろうだが、F2の明るい広角単焦点としては悪くない。個人的には気軽に持ち出せるレベル。


総評

描写の傾向的に使いどころを選ぶレンズ。ただ大口径の広角単焦点と言うのはそういう物かもしれない。

とりあえずDAスターレンズの単焦点のような解像力や気軽な使いやすさを期待していると不満が出るだろう。だが立体感や階調の豊かさ、色乗りの良さ、きれいな光芒などが活かせる被写体にはかなりの威力を発揮する。

満足度は90点。

なんだかんだでけっこう気に入っているのだが、二線ボケでボケが騒がしくなることが多いのが悩ましい。ただそこをうまくボケるように試行錯誤するのはそれはそれで楽しかったりもするけども。


購入を悩んでいる人へ

中古のみ。

smc PENTAX-DA 12-24mm F4 ED AL [IF]と比べて

絞って風景撮影するならDA12-24の方がズームなので利便性が高く、性能的にも申し分なく使いやすい。デジタルらしいスッキリした描写で解像力も高く周辺までしっかりと写る。色収差が出やすい以外は本当に安定した性能を持っている。
ほとんどの人にとってはこちらの方が使いやすいだろう。

一方で花撮りや広角ポートレートのような用途ではFA☆24が面白いかもしれない。
豊かな階調と色乗り、大口径ならではのボケ味などを活かせると思う。

COSINA Carl Zeiss Distagon T∗2.8/25 ZK

焦点距離が近くフルサイズ対応という点で似通ったスペックをしている。
こちらはかなり寄れるので広角マクロ的にも使えて、しかも開放からボケが滑らかなので気軽に使いやすい。

また遠景の解像ではコシナツァイスのDistagon最弱なF2.8の25mmだが、FA☆24よりは若干良くてAPS-Cだと周辺まで安定している。

というわけでF2の明るさが必要なく、MFで問題が無ければDistagon T∗2.8/25の方がいい。

しかし書いていて思ったがこの比較で悩む人はあまりいなさそうだ。


関連用品

フィルター

フィルター径は67mm。
DA14やDA12-24のような現行の超広角に比べると小さい。

Amazon ケンコー Zeta EX サーキュラーPL

ステップダウンリング

APS-Cならステップダウンリングで49mmのフィルターを使える。
ただし口径が小さくなる分、光量が落ちてシャッタースピードが稼げなくなるので、開放でSSを稼ぎたいような状況には不適。

ステップアップリング

フードにはPL窓がないのでPLフィルターを使うならどうせフードを外して使うことになる。そのためステップアップリングで77径を他の広角と共用するのもいい。

Amazon マルミ ステップアップリング 67→77mm

フード

生産終了品のオプションと言うことで壊れたらすでに入手不可能となっている。
代替品としては汎用品のネジ込み式フードを使うほかない。

最終更新: 2013-12-01


 
Spec  
フルサイズ対応
APS-C利用時換算 37mm
画角 84度
構成枚数 9群11枚
最小絞り F22
最短撮影距離 0.3m
最大撮影倍率 0.13倍
フィルター径 67mm
最大径 x 長さ 72.5mm x 65.5mm
質量 405g
絞り羽根枚数 8枚

Link

PENTAX製品情報
価格.com
Amazon
Pentax Forums

Example