HD PENTAX-DA 35mm F2.8 Macro Limited

自由自在の標準レンズ

Good

  • F2.8の明るさ
  • 開放からシャープ
  • 高い逆光耐性
  • 色収差が出にくい
  • 色ノリが鮮やか
  • 美しいボケ味
  • ギリギリまで寄って接写が可能
  • 内蔵フード
  • アルミ削り出しの高い質感
  • クイックシフトフォーカス
  • 円形絞り
  • HDコーティング
  • SPコーティング

Bad

  • 等倍マクロとして使うのはけっこう大変
  • AFが迷うとかなり遅い

コメント

旧型を手放したのはちょっと惜しかったかなあ、と思っていたらHD版が出たのでゲットしてしまった一本。
どこまでも寄っていけるのが便利で面白い素敵なレンズ。


描写の傾向

旧型同様に開放からシャープでメリハリがあり、フレーム内にある物体の存在感がしっかりと出る。
他のレンズ同様に絞ることでより締まった写りになるが、その変化はさほど大きくはなく、開放から十分に高い性能を発揮する。
ボケ味も美しく、まず不満のない写りだ。

もともと逆光に強いレンズだったが、HDコーティングによりさらに高まった逆光耐性、色収差の少なさなど、とにかくおかしな癖がないため使いやすい。
単焦点レンズとして信頼のおける描写力を持っていると言える。

一方で旧型の頃から言われている遠景描写がいまひとつという点に関しては、確かに単焦点としては若干物足りないかなと感じることも。ただ解像自体はしっかりしていて、上位の単焦点に見られるような迫力や緻密さを望まなければ不満はない。不満があるならもっとレンズの沼に深く潜るべし。


使い勝手

旧型の持っていた使い勝手の良さは健在で、安定した描写力も相まってどのようなシーンでも使いやすい。

標準域のレンズはだいたい最短撮影距離が30cm前後だが、このレンズはそれが13.9cmとなっている。
標準レンズのつもりで使っていると前玉ギリギリまで寄れるというのが非常に新鮮なかんじで、思い通りに寄れるということが楽しい。
SPコーティングのため前玉と被写体が多少触れても安心。(とは言え勢いよく岩とか金属などにぶつかったりしたら平気か知らないが)

ただ等倍マクロとして使おうとするとワーキングディスタンスが取れないことで余裕がなく、ゆえに本格的なマクロ撮影にはやや使いづらい。
例えば近づいたことで被写体に逃げられたり、自分の影の映り込みなどを回避しきれないケースがままあるなど。

AF時のピントリングの回転はゆっくり目で、ピントが迷ってマクロ域まで行ってしまうと少し待たされる感がある。とは言えよく使う30cm〜無限遠の間のピントリングの回転角は狭いため、ほとんどのケースでは何も問題なく素早く決まってくれる。

MFの際はピントの山も見やすく、ピントリングも適度なトルクと粘りがあって心地よい。マクロレンズとしてこのあたりは力を入れているなと感じる。
そしてマクロ域ではMF操作が基本となるので、クイックシフトフォーカス対応が他のレンズよりも強いありがたみを持つ。


携帯性

リミテッドレンズの中では中くらいのサイズだが、通常のレンズとしてはかなりコンパクトで携帯性は良好。
フード内蔵のため、フードの分でかさばらないのも良い。


総評

相変わらずの優等生。
どこまでも寄っていける標準レンズとして、高いレベルでバランスした画質と使い勝手を持っている。
携帯性の高さもあり、万能レンズとして素晴らしい一本。

満足度は100点。

散歩がてらちょっとマクロっぽい撮影もしたいけど、レンズはそんなに持っていけない/持って行きたくない、という時に信頼性の高い標準レンズ兼ちょこっとマクロレンズとして活躍する。
旧型に比べて満足度が高いのは、自分の中でそういう使い道を得たから。旧型も今使えば同じ満足度になりそう。


購入を悩んでいる人へ

smc PENTAX-D FA Macro 100mm F2.8 WRsmc PENTAX-D FA Macro 50mm F2.8との比較

マクロ撮影はついでというなら35mmでもいいが、等倍マクロとして使うにはギリギリまで寄る必要があるので不便。
手持ちでは姿勢が苦しくなるし、三脚を使うにも設置が難しいケースが多い。光源の位置によっては自らの影の映り込みを避けるのも難しい。

そういうわけなので本格的なマクロ撮影がしたければ35mmではなく50mmか100mmがいい。
ある程度のワーキングディスタンスを取れるため、余裕を持った撮影ができる。

smc PENTAX-DA 35mm F2.8 Macro Limitedと比べて

仕様的にはHDコーティングと円形絞りの採用。

違う点は以下の通り。

円形絞りの採用
シルバーがレギュラーモデルとなった
1g軽量化して214g
帯の色がHDコーティングを示す赤になった

描写性能に関しては元が優秀で不満ナッシングだったせいもあり、目立った変化は感じない。
良くなったという声も聞かれるので、まあどう考えても悪くなっていると言うことはないだろう。

色は勢いでシルバーを買ったが、これくらいの大きさになるともう個人的には黒がいいかも。


フルサイズ機での利用

近距離の撮影では割と普通に使える。悪条件でも光量落ちがいくらか気になる程度。
なので35mmの広角等倍マクロとして非常に面白いキャラクターを持ったレンズとなる。

数メートル先より無限遠の範囲内では、条件がよければ少し光量落ちする程度で使えるが、日光や照明を背にしている場合などレンズ内に光が行き渡らない条件ではかなり強烈な光量落ちとなり実用は厳しい。
遠景解像に関しては隅まで安定させるにはF11まで絞る必要があるが、そこまで絞ると今度は好条件の場合でもケラレが色濃くなってくるので、結局遠景の四隅は今ひとつしっかり写らないということになるだろうか。

いずれにせよ広角マクロとして使える点だけでも非常に面白い。
なおビルトインのフードを伸ばすとフォーカス距離0.17m以内のマクロ域以外ではケラレるので、フルサイズで利用する場合は伸ばさないように注意。


関連用品

K-S2

バリアングル液晶との組み合わせで更に自由自在に。
レンズが小さく軽いのでカメラの片手保持もしやすく、バリアングルの強みを存分に活かせる。

フィルター

49mm径は他のほとんどのリミテッドレンズに使い回しが効くので使い出がある。内蔵フードと干渉してしまうこともあるが、そういう場合はフードを伸ばさずに使えば問題ない。

Amazon マルミ EXUS サーキュラーP.L 明るい高性能C-PLフィルター。

三脚

真面目にマクロ撮影する時にはあると楽。
ミニ三脚もよい。

だけど三脚を使ったマクロ撮影なら中望遠、望遠のマクロの方がいいかも。

Amazon ベルボン ULTRA MAXi miniIII

一脚

マクロ撮影時には一脚があるだけでも大分姿勢が安定する。

Amazon ベルボン ULTRA STICK R50

最終更新: 2016-04-29


 
Spec  
35mm判換算 53.5mm
構成枚数 8群9枚
最小絞り F22
最短撮影距離 0.139m
最大撮影倍率 1.0倍
フィルター径 49mm
最大径 x 長さ 63mm x 46.5mm
質量 214g
絞り羽根枚数 9枚
発売日 2013-09-20

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