K-1

念願のKマウントフルサイズ

満を持して遂に登場したフルサイズ機。
PENTAX K-1には人生の大切なものが詰まってる。

Good

  • 35mm判フルサイズセンサーの豊かな画質
  • FAリミテッドが本来の画角で使える
  • ISO12800まで余裕で常用できる高い高感度耐性
  • 3640万画素+リアルレゾリューションシステムによる超解像
  • フルサイズ機としてはコンパクトなサイズ
  • 強化されて5軸5段分となったボディ内手ブレ補正
  • フレキシブルチルト液晶をはじめとした実用的な新機能の数々
  • 旅や登山などのアウトドアで重宝するGPSを本体に内蔵
  • -3EV対応の強力な暗所AF、向上したAF-Cの動体追従などのAF性能
  • 防塵防滴、-10度耐寒、金属製ボディなどの耐久性能
  • オプションのバッテリーグリップ

Bad

  • 高画素機ゆえのファイルサイズの大きさ
  • 内蔵フラッシュ非搭載

画質

3640万画素のフルサイズセンサーにローパスレス。これで画質が悪いはずがない。
解像感、階調性、質感描写、立体感、どれを取ってもAPS-Cより一段格上の写り。カメラの画質を語る上でセンサーサイズの大きさは単純かつ強力な要素だと改めて思わされる。

更に高画素とリアルレゾリューションシステムを掛け合わせることで他社のフルサイズ機に真似できない精細な描写を実現している。三脚必須で静物相手限定という但し書きは付くものの、これは素晴らしい機能だ。

それから何と言っても注目したいのは高感度耐性の飛躍的な向上。
高感度ノイズをどこまで許容するかは人それぞれだが、自分としてはISO12800までは余裕で使える常用感度。ノイズリダクションがディテールを損なうだけの不要なものに思えるほどにノイズが気にならない。
場合によってはISO25600もまだきれいに写るので準常用。ISO51200になるとシャドー部の多いシーンではカラーノイズがやや目立ってくるが、そうしたものが気にならない明るいシーンなどでは使って行けるかもしれない。
それ以上の感度になるとさすがにかなりノイズが目立つが、それでも思いの外に荒れた画質にはならないので、非常用、記録用としては十分使えるという印象。

ほか個人的には使う機会は少ないが、少し試してみてかなり良いと思ったのが肌色補正。肌がきれいに写るので被写体の受けが良い。全国の妻帯者各位におかれましては大蔵省を口説き落とす説得材料になるのではないでしょうか。
人物撮影で思わぬ良さを出してきたなあ、という感じだ。リコーとの見事なシナジーですな。


使い勝手

フルサイズ機でも手ブレ補正がしっかり搭載されていて、全てのレンズで手ブレ補正が有効。
しかも従来よりも強化された5軸手ブレ補正で5段分の効果となっている。
さらにAFもK-3IIより強化されていて、動体AFがより改善されたほか、もともと強かった暗所AFも更に強化され素早くなっているとか。

このK-1には様々な機能が盛り込まれているが、手ブレ補正やAF性能といったカメラの基本の使い勝手に関わる点が確実に向上している点がまず非常に評価できる。
フルサイズ機ならではの広くて見やすいファインダー、静粛性の高く上品なシャッター音など感覚的な気持ちよさを備えている点にも使っていて喜びを感じる。

新機能として最も目を引くのがフレキシブルチルト液晶。これでローアングル、ハイアングルが横位置縦位置どちらでもやりやすくなった。手持ちはもちろん三脚に据えたときの体勢がとても楽。変態液晶などと呼ばれているが実用性に関しては真面目に良い。

アウトドアモニターとアシストライトも地味にうれしい機能。
アウトドアモニターは晴天時の撮影で液晶が見やすく、アシストライトは夜間の撮影で操作がしやすく、それぞれ不便に思っていた部分を改善してくれるものとなっている。
どんな環境でも使えるという面では従来から防塵防滴が悪天候や悪条件下の撮影をサポートしていたが、これらの機能の追加のおかげで環境によらず使えるフィールドカメラとしての性格が更に強まったと言える。

上記の新機能は奇抜なものに見えて実際使ってみるとどれも実用性が高いので驚いたという話。

APS-C用レンズを使えるようにするために搭載されたクロップモードはフルサイズ用レンズのラインナップが少ない現状では必須の機能と言えるが、それを手堅く入れてきてくれたことはうれしい。
APS-Cクロップでも約1500万画素相当のカメラとして使うことができるので十分な画質を維持できる。

カメラの細かな操作性に関しては上級機らしく豊富なハードウェアボタンを備える点がまず良い。またメニューも良く整理されていて、たまにしか使わない機能もほぼ迷わずに見つけられるのはペンタックス機の良いところではなかろうか。
新しく追加されたスマートファンクションをはじめとしてボタンカスタマイズの自由度も充実していて、更にinfoボタンを押したときに表示されるコントロールパネルのカスタマイズも可能となっている。これにより自分なりに好みの操作性をかなり煮詰めることができたりする。

ほかGPSにWifi搭載、SDカードデュアルスロットということでこれはまさに全部入りのカメラに思える。

ただ一点、内蔵フラッシュ非搭載な点は評価が分かれるところだろうか。個人的にはフラッシュの使用頻度は低いのでそれほど気にならないが。


バッテリー

従来通り1日数百枚程度の撮影なら数日は充電不要で、バッテリーの持ちは十分と言える。

ただしGPSロガーをオンにしている場合やライブビューを多用する場合は一日でバッテリーを使い切ってしまうこともあるので、そうした使い方をするならば予備バッテリーは必ず持っておきたい。

K-5系、K-3II系と同じバッテリーなので予備バッテリーを流用できるのはうれしい。


携帯性

フルサイズの一眼レフとしては間違いなく最小クラスのボディサイズ。

バッテリーとSDカードを入れた状態で約1kgと多少重くはなっているが、重さよりサイズの方が収納性に関わってくるので、サイズがAPS-Cの一眼レフより一回り大きい程度に収まっていることは非常に助かる。


総評

ねんがんの ペンタックスフルサイズ をてにいれたぞ!
何というか今のところ最高としか言いようがない。

他社にない独特の機能が多くありながら、それがしっかりと使いやすくまとまっているところに完成度の高さを感じる。
フルサイズ機ならではの画質性能でも後発の利を活かして他社上級機をわずかに凌ぐものになっており、これをかなりリーズナブルな価格で出してきたところは評価に値する。

レンズラインナップの拡充など今後の課題はあるものの、素晴らしいフルサイズボディが出てくれたことに対して感謝と喜びの言葉を贈りたい。

満足度は120点。


非常に満足しているところ

これは何と言ってもFAリミテッドが本来の画角&より優れた画質で使えること。
ペンタックスのKマウントフルサイズが実現する世界線にいられたことに深く感謝したい。

続いてボディサイズが小さく抑えられていること。
他社フルサイズもだいぶサイズを抑えた一眼レフが出ているので、K-1がサイズを売りにするのも厳しいかと思っていたが、出てみれば他社よりも更に小さなボディで出してきたところに安心と満足。

そして凝縮感のあるマッシブなボディ。なんだか触っているだけでうれしさがある。


残念だったところ

まずはファインダー倍率。
ペンタ部の大きさから勝手に大きな期待を持っていたので発売発表でスペックが公開されたときには少々落胆した。K-1が手元に届く頃にはすっかり忘れていたけど。

それからAPS-Cクロップ時にファインダーのクロップ範囲外がグレーアウトしないこと。
K-1完全ガイドのインタビューによると透過液晶にムラが見えてしまうのでやめたとのことだったが、APS-Cレンズもしばらく現役で使わなくてはならないことを考えると、ここは是非対応して欲しかった。


カスタムイメージ オートセレクト

カスタムイメージのオートセレクトは、撮影画像を解析して最適と判断するカスタムイメージを適用してくれるというもの。

自分でイメージを固めてからシャッターボタンを押す向きには不要な機能だが、気軽なスナップに使う分にはカスタムイメージを固定にしておくよりも色々なパターンの写真を撮ることができていいかもしれない。

今後エントリー機に入ると面白い機能ではないだろうか。


肌色補正

これはキラーフィーチャーになれる気がする。

エントリー機にも入るとペンタックスの普及が捗るのでは。


フレキシブルチルト

いいぞこれは。
ローアングルやハイアングルの撮影が捗る。

バリアングル液晶との差を言えば、液晶の表示と光軸が大きく離れないので被写体をフレーム内にとらえやすく、液晶を横に開いたり回したりといった操作がないので、より素早く直感的に操作できる点が優れている。


スマートファンクションの割り当て

要るのかなこれ?と思っていた機能だが、PモードやTAvモードの時は露出補正を、マニュアル撮影の時はISOを割り当てるとけっこう便利だ。
普段はAvモードを使うケースが多いので、その際にはクロップを割り当てている。

スマートファンクションのダイヤルのせいで肩液晶が小さくなったのは、人によってはマイナスかもしれない。が、個人的には肩液晶ほとんど使わないのでそこは割とどうでもいい。


コントロールパネルカスタマイズ

infoボタンでコントロールパネルを表示した後に露出補正ボタンを押すとコントロールパネルの表示/設定項目をカスタマイズできるのはなかなかステキだ。

自分は使わない項目として「ディストーション補正」「周辺光量補正」「JEPG記録サイズ」があったので、「ISO AUTO MIN」「Wi-Fi」「焦点距離入力」とした。

焦点距離入力は入力不要なレンズの場合でも焦点距離が表示されるのでちょっと便利だ。
特にズームレンズで現在のズーム位置が分かったりするのが良い。


アウトドアモニター

また変な機能付けて・・・と思いきやとっても実用的。

晴天の日光が液晶に当たった状態でもはっきりと画面を確認できるので、液晶を見る際に「日に背を向けて自分の影で日光を遮って」といういささか大きなアクションが不要になった。
これは全てのミラーレス機に必要な機能に思える。

言ってみれば液晶の輝度を上げるだけの機能なのだが「アウトドアモニター」という名前を付けたのはうまいなあ。フィールドカメラという立ち位置をよく主張するものになっていると思う。

ちなみに設定ボタンがボディ背面の十字ボタンの一角を占めると言うレギュラー扱いの機能だが、このボタンはfx2ボタンとしてカスタマイズ可能になっている。アウトドアモニターを使わないという場合はボタンカスタマイズで他の機能を割り当てることができる。こういうかゆいところに手が届く感じは非常に良い。


アシストライト

また変な機能付けて・・・と思いきやとっても実用的(二度目)

夜間撮影でレンズ交換する際にマウント部を照らしてくれるのは非常に助かる。これは実際不便を感じるケースが多かったところだ。
フレキシブルチルトを手前に引き出せばボタン類も照らすことが可能。

まあ最初から夜間撮影するのが分かっているならLEDヘッドライトを持っていくのが正解なんだけど、ふと撮影したくなったり、そもそも忘れてしまう場合もあるので。


リアル・レゾリューション・システム

K-3IIにも搭載されていたセンサーシフトを利用した超解像技術。
センサーを精密に規則正しくシフトしながら4枚撮影し、1ピクセルごとにRGB情報を得ることで擬似的にFOVEONのような多層センサーをシミュレートする。さすがペンタックス変態過ぎます。

けれん味に満ちた技術のようで実際の効果は確かなもので、3600万画素の高画素と組み合わさることで無双の解像感が得られる。
解像力の向上に加えて階調性や色再現の向上、モアレの抑止、ノイズ低減にも効果があり、画質におけるメリットは大きい。

ただし全く同じ像を4枚撮影しなくてはならないため、カメラも被写体も動かない撮影が求められる。
つまり三脚必須で静物相手にのみ有効という制約がある。

有り体に言うと条件がそろったときにのみ発動できる必殺技のようなものだ。

フレーム内に動く物がある場合には動体補正が働くので、少しでも動くものがあると使えないというわけではない。
動体補正では動いたものがある場所だけリアルレゾリューションがキャンセルされて通常撮影したのと同じ解像の仕方で写る。

この動体補正のオンオフができるようになったのはK-3IIと違う点。
K-3IIにも動体補正自体は入っているフシがあるので、単純に誤動作防止目的でオンオフできるようになったというのが変更点だろうか。もしかして効果も強まっているのかもしれないが、激しく動く被写体に関してはやはり不自然なドット模様が現れることがある。

明確なデメリットはRAWの画像サイズが大きくなること。
JPEGの画像サイズは通常撮影のものとほぼ変わらないが、RAWは画像4枚分のサイズとなり、もともとが高画素のK-1では150MBから200MBにも及ぶ。
これだけのサイズのファイルだと読み書きが90MB/sのSDカードでも撮影後に書き込みで少し待たされる。
その書き込みの前に画像合成処理にかかる時間もあるので、テンポ良くパシャパシャと撮っていくことはできず、自然と一枚一枚じっくりと撮っていくような撮影になる。

なおRAWで撮っておくとボディ内現像では超解像のONとOFFを切り替えてどちらの画像でも取り出せる。
このRAWはLightroomでも現像でき超解像の効果もしっかりと得られるが、Lightroomでは超解像OFFの画像は取り出せない点に注意。

にしてもこのリアレゾの効果を契機に未来に思いをはせると、多層センサーが一般化すると今までの全てのカメラは過去のものになってしまうのかな。


内蔵GPS

K-3IIに引き続きフィールドカメラとしてGPS内蔵。
不要という人もいるだろうが、旅をする人間としてはやはりうれしい機能。

GPSロガーをONにしておけば起動の度にGPS測位で待たされることがないため非常に実用的で、カメラ内蔵のGPS機能として申し分ないもの。

アストロトレーサーの機能も使えるので、自分のように普段星を写さない人間でもちょっとのついでに星撮りにチャレンジできるのは良い。

注意点としてはプライバシーに気を遣う必要があること。
自宅や知人宅、勤務地等のプライベートな位置情報が乗った写真を不意にネットに公開したりしてしまわないように。


内蔵フラッシュ非搭載

外部ストロボを利用したワイヤレス撮影の際に本体のみではコントロール発光ができない。

AF201FGを常にお供に持ち歩くのがいいだろうか。


K-1のサブ機は?

手持ちのAPS-C機の中で何を残すか?というのが懸案事項だったのだけど、ライブビューや再生ボタンのレイアウトが同じなのでK-S2で、と言うことになった。
連射が必要ならK-3IIを残すところだが、自分の使い方だとそれほど必要でもないので。

ちなみにK-1のサブはK-1しかあり得ない!ともう一台ポチりかけて、サブの意味をよく考えろ!とセルフ諭されしたりもしました。
まあ限定カラーで好みのやつが出たら少しヤバイかもしれません。好みじゃない限定カラーだと大丈夫です。


Spec  
有効画素数 約3640万画素
撮像素子 23.5×15.6mmサイズCMOS、総画素数 約3677万画素
記録媒体 SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード
インターフェース USB2.0、AV出力端子、外部電源端子、外部レリーズ端子、Xシンクロソケット、HDMI出力端子、ステレオマイク入力端子
ファインダー ペンタプリズム 視野率100% 約0.7倍
シャッター 1/8000秒〜30秒、バルブ
連写 4.4コマ/秒 APS-Cクロップ時6.5秒
幅 x 高さ x 奥行き 136.5mm x 110mm x 85.5mm
質量 925g(バッテリーとSDカード込みで1010g)

関連用品

バッテリーグリップ D-BG6

グリップを向上させるかなりオススメのアクセサリー。
縦位置撮影の際にも安定した姿勢で構えることができ、手ぶれ防止にも効果有り。(効果には個人差があります)

Amazon バッテリーグリップ D-BG6

バッテリー D-LI90P

旅に出る時などは念のため予備バッテリーが欲しいところ。
GPSロガーを使うならばなおさら。

Amazon 充電式リチウムイオンバッテリー D-LI90P

ストロボ

リニューアルされて防塵防滴になったAF540FGZ IIおよびAF360FGZ II、AF201FGが用意されている。

本格的にストロボを使うなら光量が大きく首振りバウンスなどもできるAF540FGZ IIおよびAF360FGZ IIが便利。

内蔵フラッシュがなくなったのでポケットサイズのAF201FGを携行するのもおすすめ。ハイスピードシンクロやスレーブ発光など本格的な機能は使えないが、カメラ内蔵フラッシュの代替として考えれば光量は多く天井バウンスも可能であるなど十分以上。

Amazon AF540FGZ II
Amazon AF360FGZ II
Amazon AF201FG

防水リモコン O-RC1

三脚立てての風景撮影などに。
洗濯しても平気なくらいの防水性能。

赤外線式なのでしっかり受光部に向けないと反応しない点が若干だが不便。

個人的には赤外線式リモコンを使うくらいなら2秒タイマーでいいんじゃないかとも思い始めている。

Amazon 防水リモコン O-RC1

ケーブルスイッチ CS-205

花火撮影などに。
リモコンの方が気軽に使えるが角度などによって反応しないことがあるので、シャッターチャンス確実に捉えたい場合にはケーブルの方が確実。

Amazon ケーブルスイッチ CS-205

イメージセンサークリーニングキット O-ICK1

野外でレンズ交換しているとどうしてもセンサーにゴミが付着するが、これがあればメーカーに持ち込まなくてもセンサー清掃できるようになる。
青空などにゴミが映り込むようになったらこれで清掃すればOK。効果覿面。

通称ぺったん棒。
他のメーカーのカメラにも使える(自己責任)

Amazon イメージセンサークリーニングキット O-ICK1

K-1 完全ガイド

分かりやすいマニュアルとして、新機能の解説本として、テクニックのHowTo本として、写真を楽しむ読み物として、フルサイズで使えるレンズのカタログとして、色々と楽しめる充実のガイドブック。

Amazon K-1 完全ガイド

最終更新: 2016-05-29


 

Link

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価格.com K-1 ボディ
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