GR
最高のAPS-Cコンパクト
- ハイグレード
- APS-C
- ダブルダイヤル
- 手ブレ補正
- アウトドアモニター
- センサーCMOS
- センサーサイズAPS-C
- 有効画素数1620万画素
- ISO感度100-25600
- 連射速度4.0枚/秒
- 焦点距離18.3mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF16
- レンズ構成5群7枚
- 最短撮影距離10mm
- 最大撮影倍率0.2倍
- 高さ61.0mm
- 最大径117.0mm
- 奥行き34.7mm
- 重量245g
胸ポケットに収まる最高のスナップシューター。
ちっちゃくて強くてかわいい素敵なカメラ。
- ポケットサイズの高画質というぶれないコンセプト
- すさまじく寄れるマクロモード
- ストレスのない動作速度(起動、AF等)
- リングキャップが脱落しやすく、なくしやすい
- ポケットから取り出したときモードダイヤルが変わっていることがある
- 手ブレ補正がない
- ゴミが入りやすい
実際に使用してのレビュー
画質
一眼レフに単焦点の組み合わせを日常的に使っていると驚きの画質と言うほどではないのだが、しっかりとAPS-Cセンサー+単焦点の画質を持っており不満もない。というかかなり満足。
解放からシャープでクリアな画質で、少し絞れば隅々まで安定した描写性能を発揮。ローパスレスならではの解像感もあって撮影していて気持ちが良い。また驚きというほどではと言いつつも歪曲の少なさには驚いた。
ボケ味はなかなか美しく、ボケ味を活かせるクローズアップ撮影が楽しい。
デフォルト(スタンダード)のJPEGは彩度抑えめで大人しいが、RAWをLightroomに喰わせるとかなり鮮やかに色が乗る。赤などすぐに色飽和してしまうほどなので、JPEGは鮮やかすぎるのを抑えてああシックにしているのかなというかんじ。
ともあれおおむねはRAW現像した方がメリハリのある画質になるので好み。
一方淡い感じで写したければスタンダードの画質はかなりいい。RAWである程度まで再現できるがどうも追い込みきれない。
JPEGで鮮やかに写したい人はビビッドにすれば良い。
使い勝手
換算28mmのスナップに使いやすい画角に加え、片手でほぼ操作を完結できる操作性からスナップシューターとしてはかなり高い使い勝手を持つ。
クロップモードで画角を変えることができるのが面白い特徴で、フルサイズ換算で35mm、47mmの焦点距離と同等の画角が得られる。
35mmクロップも1000万画素と十分な画素数を確保できるため実用的で、少し撮影の幅が広がる。
47mmクロップでは564万画素まで落ちてしまうが標準画角の使いやすさは良い。
ボタンカスタマイズで切り替えやすくしておくと重宝する。
旧来の1cmマクロに比べると寄れないという不満もあるようだが、APS-Cでここまで寄れるのは好評価。
最大撮影倍率0.2倍、ワイコンを付けると0.27倍となるので広角マクロとしてもしっかり用を果たす。
しかしマクロ域ではAFが迷いがちなのがややストレス。MF操作に慣れればマクロはMFでと割り切りも効くが、操作性がやはり悪くて今ひとつ慣れることが出来ない。
ペンタお得意のTAvが搭載されているのは便利で、動きの速い被写体も思い通りの絞りで撮りやすい。
水準器もかなり素敵で、風景撮影などでしっかりと水平をとりたい時などに重宝する。
軽量なので片手持ちでも割と安定した撮影ができ、一眼レフでは難しいアングルなどをモノにしやすい。
ただまあやはり片手持ちではブレが発生しやすいが。
そういう意味でも手ブレ補正がないのはつくづく惜しい。
一方ISOのモードをAUTO-HIにすることで切り替えシャッタースピードを設定できるのは便利で、できるだけ手ブレを防ぐために1/60sとちょっと高めに設定している。
このカメラを使っていると片手持ちで撮影することも多く、そうすると通常のISO AUTOの切り替えシャッタースピードである1/40sだとぶれてしまうことも多いため。
バッテリー
日帰りのツーリング程度では不足を感じない。
200枚くらい撮影できるので十分ではないかと。
散歩など一日あたり数十枚程度の撮影なら一週間くらい充電しなくても全然平気だ。
モバイルブースターで充電できるようなので、一泊以上の旅に出る場合は毎日充電すれば問題はなさそう。モバイルブースターならもともとiPhoneにも使使っているので荷物が増えずグッドだ。
オートフォーカス
マクロ域では迷うものの、それ以外では十分な精度と速度で不満は感じない。
なおシャッターボタン半押しせずに一気に全押し、もしくはAF設定をスナップモードにするとAFの動作なしにシャッターを切ることもできる。
ピント位置が固定になるのでピントが合わずボケボケになることもあるが、慣れれば軽快な撮影が楽しめる。ピント位置は1mや2m、無限遠など事前に任意に設定することが可能。
携帯性
本当に胸ポケットに入れて持ち運んでいる。胸ポケットに入るというのは大きな要素で、そのおかげで常時携帯しても全く苦にならない。少し大きいだけでこの良さは失われてしまうだろう。
それにしてもこのサイズで大型センサーを積んでいるというのは驚きだ。
総評
一眼並みの画質を持ったカメラが胸ポケットに収まる素晴らしさよ。
起動も素早く、液晶も見やすく、AFも十分な速度と、使っていてストレスが少なく、とてもコンパクトで、画質も文句なし、と非常に良く出来たカメラ。
ただマクロモード時のAFの迷いはやや煩わしい。 あと手ブレ補正がないので黄昏時などは少々厳しい。
常時携帯するスナップカメラとして素晴らしい性能を持っているし、一眼のお供のサブカメラとして広角側を任せてもいい仕事をしてくれる。
外装のざらざらは当初ちょっとチープに感じたが、しばらく使っていたら気にならなくなった。使い込んで塗装が剥げてきたりしたら良い味出すかもしれない。
満足度は110点。
このカメラに関するメモ
カスタマイズ
関連用品
バッテリー
一日中がっつり使う場合には念のため予備があれば安心。
シグマのDPシリーズのものが使えるらしいが自己責任で。
GH-3 フード&フードアダプター
通常の使用ではフードの必要性を感じない。
単にフードとして使おうとすると携帯性が損なわれてしまうのでイマイチかと思う。
しかしワイドコンバージョンレンズGW-3を使うために必要なので手に入れた。
ほか49mm径のフィルターを付けることができるようになるので、フィルターワークしたい場合にも有用。
GW-3 ワイドコンバージョンレンズ
換算21mmの画角が得られるワイコン。
GH-3を介して取り付ける。
常用には携帯性がスポイルされてしまうのでイマイチかと思うが、それでもAPS-Cで換算21mmの画角を得られるカメラとしては最小の部類であり、価値のある組み合わせ。
画質もなかなかのもので、2.5万円(必須となるフードアダプター込み)の超広角レンズとして考えるとお買い得感がある。
更に最大撮影倍率が0.27倍となりクローズアップ性能が高まるためプラスαの使い勝手を与えてくれる。
なおこのワイコンには62mm径のフィルターを取り付けることができるが、薄型のフィルターでないとケラレが出るようだ。
ちなみにGRだけでなく49mm径のフィルターが付くレンズやカメラになら取り付けることができる。画質は組み合わせの相性もあるので必ずしもGRとの組み合わせのように満足のいくものになるとは限らないが、シグマのDP1Mに付けた場合の結果などは良好のようだ。
GV-1 外付けファインダー
付けることで胸ポケットに入らなくなってしまうのでいまひとつ。
像も歪曲がきつめであまり良くない。
背面液晶オフで運用できるのでバッテリー節約にはいいかも。
他社の競合機種(発売時)
- ニコン COOLPIX A
- ソニー RX-1
- ソニー RX-100
- 富士フィルム X100S
- シグマ DP1 Merrill/DP2 Merrill/DP3 Merrill
高画質でサイズの小さなモノがいいとなればGRになるが競合もなかなか魅力的。
それぞれに適したシチュエーションや使い道があるので、割と単なる勝ち負けではない感じ。
COOLPIX Aはだいたい同等の画質。サイズはやや厚みがある。
正直作例を見ているとCOOLPIX Aの方が好みに感じる面もあるが、実際使う上でどちらがいいかと言えば個人的にはGRの携帯性の方が勝る。
RX-1は圧倒的な画質だが価格も圧倒的(とは言えフルサイズセンサーにハイエンドの単焦点が付いていると考えればお買い得価格かも知れないが)で携帯性はやや落ち、特にレンズのでっぱりが邪魔でコンデジとしては許容できない。(コンデジと考えなければ許容できる)
X100Sはやや柄が大きいのがコンデジとしては難。画質は好き嫌いがあるようだが、好きな人にはたまらない画質とのこと。
異次元の画質が欲しくて使い勝手が悪くても我慢できるならシグマのDP Merrillシリーズ。
いろんな意味でコンデジ離れしたカメラ。
手軽に行きたいならセンサーサイズは小さいけど光学ズームもあるRX-100がよさげ。
Lightroom4でJPEG再現
ざっくり白レベルを-50、黒レベルを+50にして彩度を気持ち落とすと似た感じにはなる。単にコントラストの値を下げるよりも白レベルと黒レベルを調節してコントラストを下げた方が良い気がしている。
ともあれ自分の現像スキルだとそれ以上の再現は難しい。
もっとも基本的に鮮やかな方が好きなので再現する必要性は感じてないのだが、たまにスタンダードのJPEGの写りが欲しくなることがあり。
RAW+JPEGで撮っていればそういう時困らないのだが、写真の整理により時間がかかるのでRAW+JPEGは余り好きではないのだ。
ペンタじゃないけど
ペンリコだからここに載っけてもいいよね。
メンテ&使用記録
ファームアップ 2013/10
ファームウェアバージョン2.03となった。
細かい画質のチューニングなどのほか、目に付く機能としては47mmクロップなどが追加された。
ついでにボタンカスタマイズをいじってよく使う機能を呼び出しやすくしてみたり。
センサーにゴミ 2014/05
ゴミの写り込みが気になるようになったのでセンサー清掃のために工場送りに。
レンズが沈胴式なのでカメラ内部にゴミが入ってしまうようだ。
一週間足らずで戻ってきたが光学ユニット交換になったっぽい。
とりあえず解決したが、今後またゴミが入るのではないかと思うと今後の使用に不安を残す。
って、少しナーバスになったけど、目立たないケースがほとんどなのであんまり気にしない方がいいかな。
目立つ場合もLightroomのスポット修正でだいたい対応できそうだし。
ちなみにAPS-Cになる前の先代GRでもゴミは入りやすかったようなので、これも伝統なのだろうか。
Spec | |
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有効画素数 | 約1620万画素 |
撮像素子 | 23.7mmx15.7mm CMOS、総画素数 約1690万画素 |
記録媒体 | SD、SDHC、SDXCメモリーカード |
インターフェース | USB2.0、AV出力端子、音声出力端子、HDMI出力端子 |
シャッター | 1/4000秒〜300秒、バルブ |
幅 x 高さ x 奥行き | 117.0mm x 61.0mm x 34.7mm |
質量 | 245g |