COSINA Carl Zeiss Planar T*1.4/85 ZK
参考リンク
柔らかな描写がたまらないポートレートレンズ
- フルサイズ用
- ハイグレード
- 中望遠レンズ
- 単焦点レンズ
- MF
- 焦点距離85mm
- 最小絞りF1.4
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成5群6枚
- 最短撮影距離1mm
- 最大撮影倍率0.1倍
- 最大径77mm
- 全長62mm
- 重量570g
- フィルター径72mm
新品在庫がなくなりそうなので勢い余って買ってしまった一本。
繊細で柔らかな描写をするポートレートレンズ。
- 繊細で柔らかな描写とそれを引き立てるとろけるようなボケ味
- ピントリングのトルクが心地よい
- AFがないため咄嗟のシャッターチャンスには弱い
- 最短撮影距離が1mと長く接写は不得手
- 開放付近の後ボケが騒がしくなる時がある
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
線が細く非常に繊細な描写傾向。
開放では被写体の周りにフレアが出て非常に柔らかな雰囲気を醸し出す。ピントが合った部分に芯が感じられるため甘いという感じはせず、そこから被写体の輪郭が溶け出すように優しくぼけていく様は素晴らしいの一言。量産される幻想的な写真を前に自画自賛が加速する。
絞ればフレアは消えてシャープさが残り、スッキリ繊細なかんじできめの細かさを感じさせる描写となる。開放の柔らかさも捨てがたいが、少し絞ってもシャープに写った部分と優しくぼけていく部分との対比が素晴らしい。
ボケに関しては開放付近で騒がしく感じられることもあるが、このレンズに関しては開放を使わない手はないので、うまく背景処理をするなどして使いこなしていきたいところ。と言ってもさほどの癖ではなくF2.8くらいまで絞ればその癖もほとんど消える。
そのほか色ノリや立体感も申し分なく階調も豊か。逆光への耐性もまずまず。
場合によっては明暗の境界でパープルやグリーンのフリンジが出ることがあるが激しいというほどではない。
使い勝手
明るいレンズのためピントの山が掴みやすいため、AFがなくても大きな問題は感じない。
重く粘りのあるピントリングは回していて気持ちいいが、最短から無限遠まで行ったり来たりするとちょっと大変。個人的にはもうちょっと軽めが好き。
APS-Cだと換算130mmと長めの焦点距離になるので、ボディ本体の手ぶれ補正が効くのはありがたい。手ブレ補正を正しく効かせるためにも焦点距離の入力は正しく。
最短撮影距離が1mと長いのでもうちょっと寄れたらと思うことがあるが、これは大きな不満ではない。
携帯性
AF機構がないせいもあってか、このクラスの大口径レンズとしては軽めでコンパクトにまとまっている。しかし気軽に携帯するレンズとしてはズッシリ来る重さであることは否めない。
総評
満足度は100点。
花や動物などを柔らかい感じで撮りたいときの筆頭候補。絞れば風景や無機物をシャープに写すこともできるので一本で広い表現の幅をカバーできる。
重さのせいもあって持ち出す頻度は低いが、明確な個性を持っていて手放せないレンズ。
ボケ味を存分に活かすためにもいずれフルサイズで使ってみたいレンズのひとつ。
購入に関するアドバイス
他のレンズとの比較
他のCarl Zeissレンズと
とにかくシャープに写るDistagonやMakro Planarと比べると、柔らかさが持ち味のPlanarはまた別の性格。まあいずれにしてもいい物です。
smc PENTAX-FA☆85mm F1.4 ED[IF]
焦点距離こそ同じとは言えPlanarとは性格の違うレンズ。
FA☆85の方がシャープでコントラストが高く、キレの良い力強い描写をする。
どちらを選ぶかはお好みで。
いずれもいいレンズには違いない。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
NDフィルターを使って滝とか水の流れを撮ってみたい。
しかし72mm径はKマウントでは他に共通のレンズが少ない罠。