COSINA VOIGTLANDER COLOR SKOPAR 20mm F3.5 SL II Aspherical
フルサイズ対応の超広角パンケーキレンズ
- エントリーグレード
- フルサイズ用
- 広角レンズ
- 単焦点レンズ
- MF
- 絞り環
- 焦点距離20mm
- 最小絞りF3.5
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成5群6枚
- 最短撮影距離0.2mm
- 最大撮影倍率0.16倍
- 最大径63.6mm
- 全長28.8mm
- 重量205g
- フィルター径52mm
同じコシナのULTRON40mmの素晴らしさから期待を込めて手に入れた一本。
フルサイズ対応の超広角でありながら軽量コンパクトいう点が面白いレンズ。
- 軽量コンパクトな超広角
- 色ノリが良い
- 金属鏡筒の高い質感
- ピントの山がつかみにくい
- 違和感のある歪曲の形
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
光学性能はそこそこといったかんじのレンズだが、十分にシャープでコントラストがあり、立体感もしっかり感じられる。
開放では周辺部がかなり甘く、なんなら絞ってもわずかに流れや色収差を感じる。
周辺までなるだけ均一に写すならF8からF11以上に絞った方がいいが、F5.6くらいまでの方が細やかさのある面白い描写をする。
さほど明るくないレンズだが寄って写せるため、それなりのボケを作り出すことも可能。
ボケは丸ボケが固くてうるさく感じることがあるが、広角にしては悪くないボケ味で可も無く不可も無くといったところ。
フルサイズの開放では周辺減光が激しい。APS-Cでは無問題。
逆光耐性は悪くはなく、光源をフレームに入れてもゴーストはわずかでフレアも気にならない。
歪曲は樽型と陣笠が混ざった複雑な形。
自然の風景で気になることは少ないが、フレーム内に直線的なものがある場合は不自然にうねった描写が違和感となることもしばしば。
使い勝手
ピントリングの回転はスムーズ。回すのが心地よいと言うのはMFレンズとしてはマル。ただし開放F値の暗いレンズのためかピントの山はつかみにくく、近景では完全にスーパーインポーズ頼み。
とは言え超広角ゆえに適当に合わせてもだいたいピントは合う。細かいことは気にせずに使うが吉のレンズという気がする。
コンパクトなので非常に取り回しが良く、スナップに好適。
超広角のサブレンズとして標準ズームのお供にするのも良い。
解像力や歪曲収差を見ると隅々までしっかりと写したい風景撮影や、直線的な建築物の撮影などには向いていない。
それでも広い画角や強烈なパースなど超広角ならではの特徴を活かせば面白い描写を見せてくれる。
携帯性
これは文句なしのポケットサイズ。
超広角でこれはカッコイイぜ。
総評
K-1の登場で超広角パンケーキレンズとしての本来の性格が発揮できるようになり、俄然面白くなったレンズ。
コンセプトとして光学性能は高くないが、開放付近からそんなに絞らないで写した際の描写はなかなか印象的で、気軽な超広角スナップが非常に楽しい。
満足度は90点。
立ち位置はおおむね変わってないかなといったかんじ。
かわいくて持ってることに満足感ある。
このレンズに関するメモ
入手性について
すでにディスコンになっているので入手できるのは中古のみとなる。玉数はかなり少なめで入手難度は高い。
類似または関連するレンズとの比較
HD PENTAX-D FA 21mm F2.4 ED Limited DC WR
両方ともフルサイズ用のレンズでほぼ同等の画角。
カバンのスキマにスッと入る携帯性がカラスコの強み。
それ以外ではあらゆる面でDFA21リミの方が使いやすい。
あまり絞らないで取ると両方ともそれぞれ描写に味があって良き。
HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited
フルサイズでは使えないが、APS-Cで使う場合はほぼ同等の画角となる。
いずれもパンケーキレンズで光学性能より携帯性を優先しているという点でも性格は似通っている。
一方で描写傾向はけっこう違っていてHD DA21リミの方がシャープでクリア傾向、カラスコの方は自然で柔らかみがある。
AFがあるHD DA21リミの方が使い勝手は良い。
APS-Cでの利用
APS-Cでは換算30mmとなり気軽なスナップに使いやすい画角に。
開放の周辺減光もなく、画質面でもいくらか汎用性が高くなる。
関連用品
フィルター
ULTRONと同じ52mm径。
純正ではDA18-55などが52mm径。
フード
別売りの純正専用フードもあるが、今となっては入手困難。
52mm系のネジ込み式フードを使うのがいいだろう。超広角なので深いフードだとケラレるが、薄型のものなら大丈夫。
APS-Cの場合はULTRON 40mmのフジツボフードも問題なく使える。