smc PENTAX-DA★50-135mm F2.8ED [IF]SDM
全域で安定した描写力を持った望遠ズーム

- APS-C用
- ハイグレード
- 望遠レンズ
- ズームレンズ
- インナーズーム
- AF
- SDM
- クイックシフトフォーカス
- インナーフォーカス
- SPコーティング
- 防塵防滴
- 焦点距離50-135mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成14群18枚
- 最短撮影距離1.0mm
- 最大撮影倍率0.17倍
- 最大径76.5mm
- 全長136mm
- 重量685g
- フィルター径67mm
一度は試してみようかと手に入れた一本。
兄弟分のDA★16-50とは違って癖の少ない優等生的なレンズ
- 開放からシャープでメリハリのある描写
- 中望遠〜望遠域の汎用的な画角をカバー
- F2.8通りの望遠ズームとしては軽量で取り回しが良い
- SDMが故障しやすい
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
非常にシャープでコントラストや色ノリ、階調性も申し分なく、力強く印象的な表現がいともたやすく手に入る。単焦点に迫る表現力と言って問題ない。
加えて歪曲、周辺減光、色収差ともに大きな問題はなく、欠点が極めて少ないすぐれた描写力を持っている。まさに優等生。
解像力に関しては広角側や中間域では開放からすでに十分なシャープさを見せる。それに比べると望遠端ではやや甘いが、こちらも一段絞れば問題なし。
F5.6〜F8くらいまで絞ればズームレンジ全域で周辺まで安定した解像力を発揮する。これは風景撮影にももってこいの性能。
ただシャープさとコントラストの強さから、絞るとちょっとカリカリすぎるかなと感じることもある。
ボケはなめらかで非常に美しい。
贅沢を言えば、点光源や細かいボケの輪郭がやや硬く出て、若干うるさくなる場合があるのが惜しいところ。が、仮にこの癖が出たとしても激しく目障りになるものではない。
逆光耐性は良い。
条件の厳しい逆光では時折フレアっぽくなることもあるが、基本的には逆光時もクリアな写り。
ゴーストも大口径レンズの割にはよく抑えられていて、不満を感じることはほとんどない。
使い勝手
フルサイズ換算でだいたい70-200となり、中望遠から望遠域までの定番の画角をカバーしている。定番の画角というものは得てして使いやすい画角でもある。と言うことでこのレンズも非常に使い勝手の良いズームレンジとなっている。
AFは精度に関しては何も不安がないが、速度に関しては可もなく不可もなく。ピントリングの回る速度はかなり速いが回転角が大きめなので、結果として普通の速度となっている。
一方で回転角の大きさからMFでのピントの微調整などはしやすい。
インナーズーム、インナーフォーカスで鏡胴が伸びないのはハンドリングが良く使いやすい。
鏡胴が伸びるレンズの場合は収納時に最短の状態に戻すというひと手間が必要になるが、それが減るのでフットワークが少し軽くなる。
防塵防滴かつこのクラスのズームとしてはコンパクトなので、登山などアウトドアのアクティビティでも使いやすい。
またフードが深いので多少の雨風でもレンズの前玉が濡れずにすみそうだ。
携帯性
気軽な散歩に持ち出せるレベルではないが、大口径の望遠ズームとしては良く、この位のサイズになるとカメラに装着したまま収納できるバッグも多くなってくる。
これより大きく重いDA★60-250などと比べると持ち出し回数が明らかに多くなっている。
やはり携帯性は重要なわけですよ。
加えてインナーズーム、インナーフォーカス採用で鏡胴が伸びないため、取り回しもかなり快適。
総評
満足度は100点。
非常に良くできた望遠ズーム。
描写力が高くコンパクトな70-200 F2.8クラスの望遠ズームが純正で用意されているのは地味にペンタユーザーの特権と言っていいと思う。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-DA★60-250mm F4ED [IF] SDM とどちらにしようか
同じハイクラスの望遠ズームとして一番の対抗馬で、おそらく多くの人がどちらにしようかと悩む対象。
軽くまとめると以下の要件に刺さるものがあるならDA★50-135。
- 広角側重視
- F2.8の明るさが必要
- できるだけ軽量コンパクトで
一方でDA★60-250。
- 望遠側重視
- 85mm未満はほとんど使わない
- 135mmでは望遠側が足りない
DA★60-250は広角側の周辺が少々甘いので、広角側を多用するならDA★50-135の方が良い。50mmと10mm短いのもかなりありがたい。
自分の場合は1年以上DA★60-250を使っていて、それで撮った写真の5割がDA★50-135のカバーレンジ、かつその半数強が広角端。5割は135mm以上でありつつも、寄ればなんとかなるものがその半数なので、合わせて考えると7.5割程度がDA★50-135でカバーできる。
それに加えてあと少し広角が欲しいなあ、と思うことも多いので、携帯背も合わせて考えると普段使いのズームとしてはDA★50-135の方が使いやすいのかも、と思い始めている。
あくまで自分の場合。
しかし描写はDA★60-250の方が好みだったりする。
DA★50-135は絞ったとき少々カリカリすぎるかなと。
このレンズに関するメモ
フルサイズ機での利用
望遠端を除きイメージサークルのフチが見えるケラレ方をするのでフルサイズでの利用は無理。望遠端もケラレはあるが強烈な周辺減光のように見えるケラレ方。これは味のある写りで面白いと感じる。
普段はAPS-Cクロップで使うしかないが、フルサイズでも望遠端に限っては時と場合で効果的に使うことができそう。
関連用品
フィルター
67mm径。風景撮影にも適したレンズなのでPLフィルターやNDフィルターは使う機会がある。
DA★60-250と共通。
ステップアップリング
67mm-77mmで77mm径のフィルターを使うのもいいだろう。
DA★16-50やDA12-24など風景撮影に適したレンズとフィルターを共用できる。
テレコン
新しく出た1.4xテレコンを使うと70mm〜189mm(換算約107mm〜290mm)の超望遠ズームとなる。
中望遠は弱くなるが望遠端が換算300mmに近くなり、ここまであればだいたいの用途に十分、というレンジをカバーする。加えて最大撮影倍率も高くなるため汎用性も増す。
AF速度など機能的にはマスターレンズのみの場合とほぼ遜色ないが、画質面では開放がかなり甘くなるのでそこを期待すると不満が出るかも。もっとも一段絞れば画質的にもおおむね問題ない。
既存の1.7xテレコンは1.4xテレコンと違ってズームに応じた焦点距離をカメラ側に伝えてくれないので、手ぶれ補正がおそらく正しく働かない。Exifにも記録される焦点距離に関しても同様。
カメラの電源を入れたときに焦点距離の入力はできるので、望遠端のみで使うと割り切ればアリかもしれない。(さすがにズームするたびに入力し直すのは厳しい)
参考リンク
smc PENTAX-DA★50-135mm F2.8ED [IF]SDMで撮った写真







