smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL[IF] DC WR
エントリークラスの標準レンズとしてバランスの良い便利ズーム
- APS-C用
- エントリーグレード
- 高倍率ズーム
- ズームレンズ
- AF
- DCモーター
- クイックシフトフォーカス
- インナーフォーカス
- SPコーティング
- 円形絞り
- 簡易防滴
- 焦点距離18-135mm
- 最小絞りF3.5-F5.6
- 最大絞りF22-F38
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成11群13枚
- 最短撮影距離0.4mm
- 最大撮影倍率0.24倍
- 最大径73mm
- 全長76mm
- 重量405g
- フィルター径62mm
2011年11月の九州ツーリングに備えて購入した一本。
広角から望遠域までの広い焦点距離をカバーする高倍率ズームレンズ。
- 広角から望遠まで一本でカバーできる便利なズームレンジ
- クォーターマクロに迫る最大撮影倍率で簡易マクロとしても使える
- 高倍率ズームとしてはシャープでしっかりした画質
- 被写体によっては周辺減光や歪曲が気になる
- 広角端の性能がイマイチ
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
単焦点や上位のズームレンズには及ばないが、十分にシャープでコントラストが感じられるしっかりとした写りで、旅先のスナップや景色の撮影にも満足できる画質。標準域をカバーするズームとしては及第点の表現力を持っている。
円形絞りのため丸ボケはきれいな円になり、ボケ味も癖がなく自然な傾向。明るいレンズではないので思い通りにはボケをコントロールしにくいが、被写体に寄ったり望遠端を利用することでボケを活かした表現も十分に狙える。
逆光に極めて強いのは特筆すべき点。加えて周辺減光や色収差などの問題もさほど大きくないため適当に撮っても描写に目立った破綻が起きにくく、気軽に使いやすい特性を持っている。
ただ残念なのは広角端。絞っても周辺の甘さが消えず更に樽型の歪曲収差がそこそこある。直線的な被写体を含めるとゆがみが目立つのと、シャープさが物足りないため、24mmより広角側では描写力がワンランク落ちる。
一方で24mm付近は異様に良い写りで、24mmに限って言えばミドルクラスのズームレンズに勝るとも劣らない性能を発揮する。
使い勝手
このレンズを持ってて良かったと思うのは旅に出る時。旅の間は荷物をできるだけ少なくしたいものだし、レンズ交換を頻繁にしている時間もない。そんなときズームレンジの広い高倍率ズームレンズはありがたい。
簡易防滴構造なので防塵防滴のボディとの組み合わせなら天気が悪くても安心。
使い勝手がかなり高いレベルでバランスしており、常用レンズとしても使いやすい。特にDCモーターによるAFの静粛性や速度は特筆すべき長所。
表現力は並とはいえショット数が増えるため、良く撮れたと感じる写真の数もトータルでは多くなる。シャッターチャンスが格段に増えることも広いズームレンジの大きな恩恵と言える。自分にとってはズームの便利さと有用さを教えてくれたレンズ。
最短撮影距離が40cmという点は人によっては不満を感じるようだが、最大撮影倍率0.24倍とクォーターマクロに近いクローズアップ性能を持っていることもあり、個人的にはさほど気にならない。
携帯性
カメラに付けたときのバランスもほどよく、十分に携帯しやすい大きさ。旅先などで持ったまま長時間歩いても煩わしく感じない。
ボディに装着してフードを順付の状態で18cm少々とバッグへの収納性も良い。
総評
画質と使い勝手のバランスが良く、気軽に使えるズームレンズ。
初心者の入門用に最適で身軽に旅をする人にも好適。
ペンタックスのデジタル一眼を使うなら持っていて損はないレンズではないだろうか。
旅において撮影の比重が大きい場合は複数本のレンズを持ち歩くこともやぶさかではないが、撮影はついでというスタンスならあまり荷物は増やしたくないのでこのレンズ一本でいけるのはありがたい。
満足度は95点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
18-200や18-250といったより望遠端の長い高倍率ズームとの比較選択のポイント
以下に当てはまる項目が多ければDA18-135がおすすめ。
- 簡易防滴が必要
- 135mmより長い望遠は不要
- 画質はなるべくなら良い方が良い
- コンパクトに収めたい
用途がL判プリント程度ならば画質の差はさほどシビアではないと思う。
ただしPCの画面で鑑賞する場合は長めの高倍率ズームの方はぱっと見でアラを感じることもある。高倍率ズームも十分シャープな写りをするものの、等倍で見ると解像力に差があるのが分かる。
smc PENTAX-DA 18-270mm F3.5-6.3 ED SDMとの比較
画質面で言うと高倍率ズームながらDA18-270もそこそこ良い画質をしている。
解像力で言うとだいたいのズームレンジにおいて中央はDA18-135の方が高く、周辺はDA18-270の方が良い。
近接の被写体においてはそれほど差は感じないが、遠景などではDA18-135の方がシャープでメリハリのあって良好。周辺部の差を差し引いてもそんなかんじ。
とは言えどちらにしろ単焦点や大口径ズームレンズには大きく水をあけられているので、画質に差があると言ってもドングリの背比べ的なものだが。
やはり135mmより長い望遠を重視するか否かが選択のポイントだろう。
DA18-55からのステップアップ
金銭的に問題がなければステップアップ推奨。
または最初からDA18-55は選ばずにこちらを選ぶと良い。
ただDA18-55は最短撮影距離が25cmで被写体にグッと寄れるため、広角接写で面白いバリエーションを増やせるという利点もある。
smc PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED AL [IF]SDMとどちらにすべきか
どちらも雨天で心置きなく使える標準ズームレンズという位置づけになるので、どちらにするかということで悩んでいる人はそれなりにいるのではないかと思うが、自分の考えは次の如し。
- 使い勝手や汎用性を重視するならDA18-135を
- 広角やよりよい画質を追求するならDA★16-50を
DA★16-50は癖のあるレンズなので、単に上位レンズだからと言って手放しにオススメできない感があるのが悩ましい。それに大きくもあるし。
旅の気軽なスナップという目的ではDA18-135の方が間違いなくオススメ。
行く先の所々でちょっとは気合いを入れた写真を撮りたいといったときのためには、コンパクトな単焦点レンズをいくつか合わせて持って行くといったスタイルを取るという手もある。
HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WRとどちらにすべきか
広角重視、画質重視ならDA16-85。
望遠重視、携帯性重視、価格重視ならDA18-135。
しかし望遠はトリミングでどうにかなるが、広角はどうにもならないので使い勝手で言えばHD DA16-85一択。更に光学性能にもDA16-85の方がワンランク上。
DA18-135に比べて劣っている携帯性や価格の差もそれほど大きいわけではない。
とは言え実のところDA16-85はシャープでメリハリ効きすぎかな?と思えることもあるので、描写の性格としてはDA18-135の方がバランスよく感じられて好きだったりもする。個人的な意見ですが。
このレンズに関するメモ
フルサイズ機での利用
まったく利用不可。
どのズーム位置フォーカス位置でも一貫して大きくケラレる。レンズの鏡胴が丸いと言うことがよくわかるケラレ方。
メンテ&使用記録
売却 2016/09
高倍率ズームなしの生活へ。
関連用品
フィルター
PLフィルターやNDフィルターで表現の幅を広げるのも面白い。
が、62mm径はDA18-270やシグマの30mm F1.4と共通だが、他に使い回しはしにくい。
DFA28-105が62mm径なので、フルサイズへのステップアップを考えて持っておくのもいいかもしれない。
ステップアップリング
ということでステップアップリングを使うのが得策。
67mm径か77mm径が共用しやすいサイズ。
とは言え他のレンズを購入するつもりがないならステップアップリングは面倒なだけになるので、使い回しなどを考えずに62mm径のフィルターを購入したほうが良い。
F値の変化 | |
---|---|
18mm | 3.5 |
19mm | 4.0 |
25mm | 4.5 |
71mm | 5.6 |
135mm | 5.6 |