smc PENTAX-DA 18-270mm F3.5-6.3 ED SDM
ズームレンジの広さがとにかく便利な高倍率ズーム
- APS-C用
- エントリーグレード
- 高倍率ズーム
- ズームレンズ
- AF
- SDM
- 円形絞り
- 簡易防滴
- 焦点距離18-270mm
- 最小絞りF3.5-F6.3
- 最大絞りF22-F45
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成13群16枚
- 最短撮影距離0.49mm
- 最大撮影倍率0.26倍
- 最大径75.8mm
- 全長89mm
- 重量453g
- フィルター径62mm
高倍率ズームでどれだけ写るのか興味あって手にした一本。
一本で広角から超望遠まで対応できるとても便利なレンズ。
- 広角から超望遠まで一本でカバーできるすごく便利なズームレンジ
- クォーターマクロを超える最大撮影倍率で被写体を大きく写せる
- 高倍率ズームとしてはシャープで扱いやすい画質
- 解像力はそこそこ
- ズームレンジ全域でそれなりに歪曲が見られる
- クイックシフトフォーカスに対応していない
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
高倍率ズームの割に思っていた以上に良く写る、というのが最初の印象。
広角から中望遠までのズームレンジでは、純正キットレンズのDA18-55やDA18-50に劣らない性能で、エントリークラスの標準ズームとしては十分な写りと言える。
開放では周辺部は怪しいが中央は柔らかめながらしっかりとしているので、状況によっては開放から使っていける。もちろん絞れば安定するので一段絞ったほうが安心感はある。
100mmより望遠側では中央はまだ良いが周辺部に関しては絞っても今ひとつ。望遠の画質はエントリークラスの望遠ズームに及ばない。
とは言え接写から近接の被写体では何も問題は感じないので、マクロ性能を活かして寄った画などは良く撮れる。
ボケ味はなめらかで暗いレンズにしては悪くない。
やや重たかったりうるさく感じたりする時もあるが、きれいにぼけてくれることも多い。
逆光にもまずまず強く、フレーム内に太陽を入れてもゴーストやフレアはわずか。通常の逆光では何も問題を感じない。
歪曲はズームレンジ全域でそれなりにあるので、直線的な被写体ではしばしば目に付くことがある。
広角端では樽型、それ以外のレンジでは糸巻き型。
使い勝手
換算約27.5mmから414mmという広いズームレンジのため一本付けっぱなしで様々なシーンに対応可能で、望遠端で寄ればクォーターマクロとして被写体を大きくクローズアップできる。
と言うわけで汎用性が高く使い勝手はすこぶる良い。
最短撮影距離が49cmと標準ズームとしては寄れないレンズだが、長い望遠側を使えば被写体を大きく写せるのでさほど不便を感じない。
もっとも寄れないことに変わりはないので、広角の接写で遠近感を強く出すようなことはできないなど制約はある。
AFはSDMのため静粛性は高い点が良い。速度に関しては可もなく不可もなし。
時々ピントリングの動きがぎこちないが、静物相手にはストレスのない速度。
クイックシフトフォーカスには対応していない点は残念に思っていたが、実際に使ってみるとピントの山が見づらい、ピントリングの回転角が小さいといった理由からそもそもこのレンズでのMFはなかなかシビア。
と言うことで対応していてもどっちみち使いづらそうである。
ズームはしっかりと硬めで、自重で伸びてしまうようなことはない。
経年の変化でどうなるかはわからないが、一応付いているズームロックを使う機会は当面なさそうだ。
これで簡易防滴が付いていれば旅レンズとしてパーフェクトだった。
普通の旅行では簡易防滴なしでも問題なさそうだが、ツーリングや山歩きだと不意の雨に対する安心感が違うので簡易防滴はやはり欲しい。
あとは個人的な技術の問題かもしれないが、他のレンズに比べて手ブレしやすいレンズだなという気がする。
画質がしっかりしている時とダメダメな時の差が激しいと思っていたが、どうもそれは手ブレのせいだった模様。ホールド力が要求される。
携帯性
特段コンパクトなレンズではないが、目立って大柄ということもなく。
標準ズームと望遠ズームを一本にまとめることができると思えば確実にスペースの節約になる。
総評
高倍率ズームの利便性にはやはり素晴らしいものがある。
レンズ交換なしで広角から望遠、簡易マクロ撮影などなど様々な状況に対応できるためフットワークが軽くなり、より多くのシャッターチャンスをものにできるようになるなど。
その利便性とトレードオフとなるはずの画質も高倍率ズームとしてはなかなかのもの。もちろん単焦点や上位のズームに比べると安定感には欠けるが、エントリー向けの標準ズームとしては十分な写りだ。
満足度は90点。
素性
実はタムロンの18-270mm f/3.5-6.3 Di II VC PZDのOEM。
この完成度はさすが高倍率ズームのパイオニア。
OEMじゃないとKマウント用は出ないのかという寂しい気持ちもあるが、純正扱いになったことでボディでレンズ補正が聞くようになったというメリットもあり、ここは喜んでおこう。
購入に関するアドバイス
最初の一本として
一本で何でも済ませたいカジュアルなユーザーにオススメ。
手軽に一眼レフの画質と操作性を堪能できる。
幅広いズームレンジでだいたい何でも撮れるので、好きな画角を探したり、自分が撮りたいものを見極めるのにも役立つはず。
画質に不満が出て来たら単焦点や上位のズームにステップアップすればよい。
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL[IF] DC WRとの比較
DA18-135のアドバンテージとしては
- 簡易防滴
- 画質がやや高い
- 価格が安い
- 逆光耐性が鬼のよう
- AFがキビキビと速い
- ちょっとサイズが小さい
一方でDA18-270の良さは
- ズームレンジが広い
- 広角端の性能はDA18-135よりも良い
広角端に関してはDA18-270の広角端が良いというよりDA18-135の広角端の周辺が弱すぎるためだが。
画質に関しては差があるとはいえ両者ともエントリー向けレンズの域であることに変わりはないので、使い勝手や携帯性、価格の差で選んで良いのではないかと。
ちなみに同じ露出だとDA18-270の方がやや明るく写る傾向がある。透過率がいいのだろうか。
Sigma 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO HSM
OS無しの新型の方。
DA18-270に比べて最大撮影倍率がより高い点がアピールポイントなのだが、作例を見る限りボケが硬くてうるさいのでマクロ的には使いにくそう。実際使ってみたらそうでもないかもしれないが。
smc PENTAX-DA 18-250mm F3.5-6.3ED AL[IF]
旧型。これもタムロンのOEM。今やディスコンで手に入れるには中古しかない。
描写性能は高倍率ズームなりではあるものの、そんなに悪くもないらしい。
このレンズに関するメモ
フルサイズ機での利用
ズーム全域で一貫してイメージサークルのフチが見えるケラレ方。
大人しくクロップで使いましょう。
メンテ&使用記録
売却 2013/10
個人的にDA18-135でいいかなということで手放した。
再入手 2015/09
思うところあって再入手。
画質的に再評価。上方修正。
よく写ってないケースは手ブレのせいだったっぽい。
再売却 2016/09
ズームレンジ広い代わりに画質を妥協するか、画質良い代わりにズームレンジ狭くて我慢するかと言えば後者を選ぶ。
ということで高倍率ズームは自分には不要だなあと。
関連用品
フィルター
PLフィルターやNDフィルターで表現の幅を広げるのも面白い。
62mm径はDA18-135と共通だが、他に使い回しはしにくい。
ステップアップリング
ということでステップアップリングを使うのが得策。
67mm径か77mm径が共用しやすいサイズ。
とは言え他のレンズを購入するつもりがないならステップアップリングは面倒なだけになるので、使い回しなどを考えずに62mm径のフィルターを購入したほうが良い。
F値の変化 | |
---|---|
18mm | 3.5 |
22mm | 4.0 |
34mm | 4.5 |
63mm | 5.6 |
160mm | 6.3 |
270mm | 6.3 |