smc PENTAX-DA 50mm F1.8
大きなボケを手軽に楽しめる中望遠の撒き餌レンズ
- APS-C用
- エントリーグレード
- 中望遠レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- SPコーティング
- 円形絞り
- 焦点距離50mm
- 最小絞りF1.8
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成5群6枚
- 最短撮影距離0.45mm
- 最大撮影倍率0.15倍
- 最大径63mm
- 全長38.5mm
- 重量122g
- フィルター径52mm
50mm付近のレンズを色々と比較してみたくてゲットした一本。
最初の単焦点として色々とバランスの良い中望遠レンズ。
- 開放からシャープでクリアな描写
- コストパフォーマンスが高い
- 軽量コンパクト
- クイックシフトフォーカス非対応
- プラマウントのためハードに使うには不向き
- フードが別売り
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放からしっかりとした写りをする。
わずかに紗のかかったような柔らかさが出つつも芯のある描写で、甘さを感じることは少ない。
近接撮影の時だけ甘い時があるが、これはピントがズレているだけかなと思っている。さすがに開放で最短撮影距離ではピントは薄いので。
絞ると柔らかさは消えてシャープに。
解像力はF5.6くらいがピークとなっており、それ以上は絞るにつれて徐々に落ちる。しかしF11くらいまでは何の問題もなく使えるレベルで、遠景も良く写る。
スナップから風景撮影まで幅広く対応することが可能だ。
ボケ味は開放では少し硬さが出ることがあるものの、単焦点らしい美しいボケを十分に楽しめる。
ほか非常に安定した光学性能を持っており、周辺減光、歪曲、色収差、逆光耐性いずれの面でも優等生。
エントリー層が手にするレンズとしてこの安定度は素晴らしい。
使い勝手
明るい中望遠のレンズということでポートレートレンズとして申し分のない使い勝手。
加えてポートレートに限らず何でも良く写るので、気軽な中望遠スナップに良し、少し気合いを入れた風景撮影に良し。
光学性能的にも開放から安定して使えるレンズになっているので、非常に使いやすい。
AFは高速で精度も確か。
クイックシフトフォーカスに対応していないのは残念だが、だいたいAFまかせでも問題なく楽しい。
一方、ピンの山も見やすくてピントリングのトルクも適度で心地良いので、MFでも楽しい。
長く使う事を考えるとプラマウントの耐久性が少し心配だが、SPコーティングは頼もしい。
携帯性
極めて軽量。これはプラマウントの良い面。
サイズもコンパクトで、カメラバッグ内に常備していても負担にならない。
K-01とのマッチングも良い感じ。
総評
大きなボケを作るための明るい中望遠レンズを安価に手に入れたいならベストマッチの一本。
ボケ以外の描写力でもキットズームとは段違い。
外装はプラマウントなどコストダウンの影響が見られるが、描写力はお値段以上と言って良い。
満足度は90点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
FA50 F1.4とどちらにすべきか
開放付近ではかなり柔らかい写りをする、というのが大きな違い。
そのためポートレート用途ならFA50の方がハマるかもしれない。
ただ柔らかすぎて甘さに感じられることもあるので難しい面も。
気軽に使いやすいのはDA50 F1.8の方かなと思う。
smc PENTAX-DA★55mm F1.4 SDMとどちらにすべきか
焦点距離が近く、画角的にはほぼ同じ感覚で使えるレンズ。
しかしさすがにスターレンズだけあってDA50よりキレのある描写で、価格は高いが価格差分の価値はある。
使い勝手の面では開放F値が明るい、防塵防滴、クイックシフトフォーカス対応、AFが静か、最大撮影倍率が少し高い、といった点がプラスだが、AFの速度に関してはDA50の方が速い。
MFの感触もDA50の方が個人的には好きだ。
ほかサイズや重量など携帯性の面ではDA50にアドバンテージがあり、価格もDA50がお手頃。
これらを踏まえて考えると、とりあえず明るい中望遠を使ってみたいということであれば、まずはDA50を試してみるのがいいんじゃないだろうか。
とりあえずではなく、より高い描写力、防塵防滴やクイックシフトフォーカスなど明確なこだわり条件があればDA★55に行ったらいい。
このレンズに関するメモ
フルサイズ機での利用
開放から周辺減光も軽微で周辺部までしっかりと写る。標準レンズとして十分に使用可能。
四隅が乱れが若干目に付くので完全対応とは言えないが、これもF11くらいまで絞れば目立たなくなる。
関連用品
フィルター
52mm径はKマウントでは少ないが、標準ズームのDA18-55と同じ径なので、エントリークラスの組み合わせとしてこの二本を使っているなら52mm径で問題ない。
撮影の幅を広げるのにPLフィルターがあると面白い。
ステップアップリング
58mm径など大きな径のフィルターを持っているならステップアップリングをかましてでそれを使うことができる。
ステップダウンリング
ステップダウンリング52mm-49mmをかまして49mmのフィルターを使用可能。
ただ口径が狭くなる分、開放の周辺減光が少しだけ目立つようになる。
フード
フードはレンズのフィルターネジに純正アクセサリのラバーフードやサードパーティ製の汎用のものを取り付ける。
しかし前玉がレンズ先端よりも少し凹んだところにあり、かつSPコーティングが施されているので、レンズ保護の目的でフードを使う必要はないかなという気がする。
また逆光にも強いので遮光の目的でもあんまり要らない気がする。
それでもフードが欲しければラバーでもメタルでも。