smc PENTAX-FA 50mm F1.4
開放の柔らかさが印象的な大口径単焦点
- フルサイズ用
- ミドルグレード
- 標準レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- 絞り環
- 焦点距離50mm
- 最小絞りF1.4
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数8枚
- レンズ構成6群7枚
- 最短撮影距離0.45mm
- 最大撮影倍率0.15倍
- 最大径65mm
- 全長37mm
- 重量220g
- フィルター径49mm
フルサイズ機の発売を前に入手してみた一本。
開放の柔らかさが素敵なレンズ。
- 開放の柔らかな描写
- 単焦点らしい美しいボケ味
- 軽量コンパクト
- クイックシフトフォーカスに対応していない
- 野暮ったいデザイン
- フードが付属しない
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放の描写はかなり柔らかく、芯は感じられるが時に甘いとすら感じられるほどのもの。シャープさを期待する場面ではパッとしない印象をうけることもある。
とは言えその描写が個性として非常に面白く、雰囲気のある写真を撮ることができるので積極的に開放でチャレンジしたくなる。
絞ればしっかりとしたシャープな写りになり、なんでも良く写る。開放は柔らかく絞ればシャープに、を地で行くレンズと言える。
そして絞った際の描写もカリカリシャープとは違ってきめ細かさを感じさせるものでかなりグッド。
解像力に関しては、中央は柔らかいながらも開放からしっかりとしているが周辺はかなり甘い。APS-CでもF2.8くらいまで甘さが見られるので、フレーム全域でシャープに移したい場合はF4以上に絞った方がいい。
そこまで絞ればフルサイズでも四隅までしっかりとした写りになる。
ボケは前ボケは非常にスムーズで、後ボケも申し分ない。単焦点らしい美しいボケ味が楽しめる。
ただ円形絞りではないので少し絞ると丸ボケに角ばりが出てくる。
フルサイズでも歪曲は気にならないが、周辺減光や色収差はそれなりに目に付く。色収差はAPS-Cで使ってもやや気になることがある。
使い勝手
フルサイズでは標準レンズ、APS-Cでは中望遠レンズとなり、いずれも使いやすい画角。
柔らかい描写を活かしたポートレートなどに好適。
一方で開放近くの絞りではなんでも良く写るというわけではないので、シャッタースピードを稼ぐ意味で絞りを開けたい時には使いにくさを感じるシーンも。
AFは速度精度ともに問題なし。
明るいレンズだけあってピントの山は見やすく、ピントリングのトルクもちょうど良くMFで撮るのも楽しい。
しかし古いレンズなのでクイックシフトフォーカスには対応していない。
携帯性
軽量でサイズもまずまずコンパクト。
標準ズームのお供に持ち出してもかさばらない。
総評
開放の柔らかさは面白いが、反面使いこなしが求められる点で初心者向きではないかもしれない。
と言いつつ、F1.4の明るさと開放の柔らかな描写で一眼ならではの描写を楽しめるレンズであることは間違いない。
満足度は95点。
購入に関するアドバイス
購入を悩んでいる人へ
HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AWとどちらにすべきか
最高画質の50mmを求めるならDFA★50で間違いない。
ただし大きく重いレンズで価格も高い。
とりあえずF1.4の50mmを使ってみたいということであればFA50でも十分だろう。
smc PENTAX-DA 50mm F1.8とどちらにすべきか
DA50は開放からシャープであるというのが大きな違い。
そのためポートレート用途ならFA50の方がハマるかもしれない。
スペック的には開放の明るさが2/3段違うのと重量、フィルター径などが違うほかは割と似通っている。
APS-C用レンズではあるがフルサイズでも大きな問題なく利用可能。
smc PENTAX-DA★55mm F1.4 SDMとどちらにすべきか
開放の柔らかさを重視するならFA50がいいが、シャープさや光学性能の高さを求めるならDA★55の方が良い。
携帯性の面でもFA50の方がいいが、DA★55も特に悪いわけではない。
APS-CではDA★55の方がポートレートレンズとして定番の画角になるため、それに使いやすさを感じる人もいるかもしれない。
APS-C用レンズではあるがフルサイズでも大きな問題なく利用可能。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
49mm径は多くのリミテッドレンズと共通。
日中晴天時には開放を使うためにNDフィルターが役に立つ。
フード
純正で別売りのねじ込み式フードが用意されている。
丸型のPH-RA49と角形のPH-SA49があり、角型の方はDA35と兼用。