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HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW

超絶性能の超望遠ズーム


発表時には使い道なさそうと言いつつ発売日にはしっかり届いた一本。
素晴らしい性能を持つ超望遠レンズ。

満足度 110

強み
  • 開放からシャープでクリアな描写力
  • 超望遠の450mmまでカバーするズームレンジ

弱み
  • さすがに大きく重い
  • 購入から数年で自重でズームが伸びてくるようになった
最終更新: 2018-12-21

実際に使用してのレビュー

描写の傾向

開放からシャープでクリアな描写。解像力も高く階調表現も素晴らしい。
描写力に関しては何の不満もなく、単焦点レンズを使っているのと変わらない画質への信頼感。

これくらいの超望遠になると圧縮効果がすごいことになっていて風景に使うのも面白い。
またF値がF4.5やF5.6でも背景を吹っ飛ばせるほどの大きなボケを比較的容易に作れる。

ボケ味は単焦点並みとは行かないがまずまず良好で、特に前ボケがふわふわ。

逆光に関してはフレーム内に光源があってもフレアが気になることはない。
ただフードを外していると斜めから入ってきた光でうっすらゴーストが出ることがあった。

使い勝手

ズームなので単焦点より使いやすいが、ズームレンジ全域が望遠域なので中望遠からスタートする望遠ズームに比べると汎用性は低い。
とは言え超望遠に特化したレンズと言う頭で使えば、特に不便を感じる点はない。

AFは爆速というほどではないが高速でキビキビと動く。
2m(最短)〜6m、6m〜無限遠のフォーカスリミッターがついているため、フォーカスリミッターが有効な範囲で使うなら実用上は爆速のレンズと変わらない速度が出るんじゃなかろうか。(他社には爆速かつフォーカスリミッター付きのレンズもあるけど)

レンズの鏡胴に付いている4つのAFボタンはAFのほか、AF-C時のAFキャンセル、プリセットしたフォーカス位置への移動といった機能に使うことができるものだが、当初はレンズをホールドしている時に不意に押してしまうことがあり邪魔にしか思えなかった。が、意識的にレンズ側のAFボタンを使うようにすると誤操作もなくなり良い案配に。
カメラにBG(バッテリーグリップ)を付けていると、タテにした時とヨコにした時でAFボタンの位置がかなり異なると言う煩わしさがあるが、レンズ側のAFボタンを使うとその問題が解消されて良い。

最短撮影距離が2mと言うのはこのクラスの超望遠としては順当なもの。最大撮影倍率も高く、簡易的なマクロとして使えるくらいに被写体を大きく写すことができる。

取り回しに関しては個人的には手持ちで問題なく使える重さとサイズだが、長時間構え続けたり振り回し続けるのはキツイ。要筋トレ。
また重さとかさばるのとでフットワークが鈍くなるのは否めない。

防塵防滴で深いフードがついているため、悪天候でも心配せずに使える。

付属の三脚座はタテヨコの切り替えが簡単にできて便利。不要ならば簡単に取り外せる点もマル。

3年くらい経つと自重でズームが伸びるようになってしまったのがちょっと残念。買った当初は問題なしだったのだが。

携帯性

流石に良いとは言えない。

重さ的には2kgのレンズと言うことで、1.5kgのレンズより1段階、1kgのレンズより2段階ステージが違うという実感がある。
長さもけっこうあるので、レンズ単体で持ち運ぶにもある程度大きいカメラバッグが必要になる。

とは言え明確な目的があれば遠出や登山のお供にもやぶさかでないレベル。この描写力を持つ450mmと考えれば悪くない携帯性。
ただ望遠レンズの使用がメインでないぶらり旅などに持っていく気にはさすがにならない。

手持ちのバッグだとロープロのアウトバック200でカメラ装着状態、フード逆さ付けでジャストフィット。
レンズ単体ではシンクタンクフォトのチェンジアップV2.0になんとか収納できるが、バッグの天面にリアキャップ形の盛り上がりができるなど若干無理を感じる。

総評

開放から安心して使える点、簡易マクロ的に使えてボケ味も良い点などから描写力には大満足。
AF速度が爆速じゃなかったのは残念だけど、これは贅沢な見地からの感想なので。

問題はやっぱり大きく重いことだが、個人的には数日使えばまずまず慣れる範囲だった。携帯性を気にするクラスのレンズではないと言うことで。
しかしそんな携帯性にも関わらず持ち出し頻度高めなのはその描写力ゆえ。

満足度は110点。

購入に関するアドバイス

類似または関連するレンズとの比較

smc PENTAX-DA★300mm F4 ED[IF]SDMとの比較

軽く比較してみたかんじ。わずかなピントのズレや微細なブレを排除しきれている自信がないのであくまで参考までに。

300mmで等倍チェックするとさすがに単焦点の方が良く解像する。とは言え差はそれほど大きくはない。
一方でDA★300+1.4xテレコンの420mmよりDFA150-450の450mmの方が鮮明な写り。

順当に考えてズームの利便性や450mmまでの望遠が必要ならDFA150-450と言うことになる。
ただ重さや価格もダブルスコアなので単純に機能や描写性能だけで比較しきれない面もあり。また300mmだとF4とF5.6という明るさの面で一段の差もあり、その一段が欲しいこともあるので。

つまり両方持って使い分ければいいって事ですね。

このレンズに関するメモ

AFボタンの対応機種

使えるのはK-S1、K-S2、K-3以降の機種のみ。

それ以前の機種はファームウェアが未対応のため、レンズのAFボタンを使うことはできない。

関連用品

ステップダウンリング

多分77mmにダウンしても大丈夫なんじゃないかと。要検証。

マルミ ステップダウンリング 86-77mm

フィルター

かなり大きな86mm径。

マルミ DHGスーパーサーキュラー P.L.D 撥水・防汚性能に優れたPLフィルター。
ケンコー PRO ND8 3段分の減光効果。

テレコン

HD DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWを装着可能。
210mm-630mm F6.7-F8相当のレンズとなる。

開放F値がF5.6より暗くなるためAF精度に難が出ることが考えられるが、K-3やK-3IIで試した限りでは割と普通に動く。
画質に関しても開放からしっかりとした写りでテレコン無しの場合と比べて大きな遜色はない。

HD DA AF REAR CONVERTER 1.4x AW


F値の変化  
150mm 4.5
290mm 5.6
450mm 5.6

参考リンク

HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AWで撮った写真

PENTAX K-1
1/500s f/8.0 ISO200 230.0mm
PENTAX K-3
1/160s f/8.0 ISO1600 630.0mm
PENTAX K-1
1/400s f/5.6 ISO3200 450.0mm
PENTAX K-3
1/250s f/8.0 ISO1600 630.0mm
PENTAX K-3
1/250s f/8.0 ISO1600 630.0mm
PENTAX K-3
1/500s f/5.6 ISO400 450.0mm
PENTAX K-1
1/640s f/8.0 ISO100 360.0mm
PENTAX K-5 II s
1/200s f/5.6 ISO1600 290.0mm
PENTAX K-3
1/640s f/5.6 ISO100 450.0mm
PENTAX K-3
1/200s f/8.0 ISO1600 630.0mm
PENTAX K-3
1/250s f/8.0 ISO100 150.0mm