HD PENTAX-D FA 21mm F2.4 ED Limited DC WR
DFA初のリミテッドレンズは超広角
- D FA Limited
- フルサイズ用
- ハイグレード
- 広角レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- クイックシフトフォーカス
- HDコーティング
- SPコーティング
- 円形絞り
- 電磁絞り
- 防滴
- 焦点距離21mm
- 最小絞りF2.4
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数8枚
- レンズ構成8群11枚
- 最短撮影距離0.18mm
- 最大撮影倍率0.26倍
- 最大径74mm
- 全長89mm
- 重量416g
- フィルター径67mm
DFAで初めてのリミテッドとして登場した超広角レンズ。
味を売りにするレンズでありながら光学性能も高いというFAリミテッドのごとき素敵な一本。
リミテッドレンズとしては大柄ではあるが、フルサイズ対応の大口径の広角レンズとしては手ごろな大きさで携帯しやすい。
広角マクロ的にも使えるなど使い勝手の面も優れている。
2週間ほど使った時点でのファーストインプレッション。
- クリアで高精細かつスムーズなボケ味が魅力的な描写力
- クォーターマクロを超える最大撮影倍率で広角マクロ的な使い方ができる
- リミテッドレンズならではの高い質感
- 電磁絞りのため古いボディで使うことができない(フルサイズ機で問題になることはないが)
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
非常にシャープかつクリアな写りで質感の表現力も素晴らしい。
ピント面を外れた輪郭が崩れずに形を残したままきれいにボケるので、わずかにアウトフォーカスにした近接の被写体や、遠景や近景などで被写界深度から少し外れたものが、解像感を保ったまま柔らかく見える。この描写がまたいい。
中央はF5.6あたりがおそらく解像力のピークで非常にキレがある。F8まで絞るとキレはやや落ちるものの周辺まで最も均一になるかんじ。
F11まで絞ると回折の影響で周辺を含めてもF5.6の方が良いように見えるが、依然としてシャープで実用上は何の問題もない。被写界深度が必要なら安心して絞るべし。
ただ開放では四隅やフレームのエッジに近い周辺部にやや甘さを感じるので、開放から非の打ちどころなく全域シャープというレンズを期待している人は不満が出るかもしれない。
ボケ味はスムーズで極めて良好。広角なので背景によってはうるさくなる場合もあるが、大口径の単焦点らしい素敵なボケ味だ。
円形絞りのため開放からF4.5までは玉ボケもきれいな円形となる。
逆光耐性は良好で、ゴースト、フレアともに良く抑えられている。
陽光が斜めから差し込む厳しい条件でわずかにゴーストがでるくらいでほぼ文句なしの性能。
太陽や街灯のような光源に対して8本の光芒がきれいに出るので、これを活かすためにも逆光耐性が高いのはうれしい。
絞るほどくっきり出るので光芒を出したい場合は最低でもF11、できればF16以上絞ると良い。それ以下だと線が伸びないか中途半端できれいな光芒にはならない。
色収差に関しては周辺部で輝度差が激しい場合に感じることがあるが、激しく目立つと言うほどではない。
パーフェクトではないがよく補正されていると言っていい。
歪曲は樽型。これも良く抑えられておりほぼ気にならない。
周辺減光に関しては開放ではかなり目立つが、このレンズの性格と思えば四隅の甘さと相まってトンネル効果として面白い。F4でそれほど目につかなくなり、F5.6くらいまで絞ればほぼ解消する。
使い勝手
21mmの超広角単焦点と言うことで、ファインダーをのぞいた時の広さやパースは圧巻。
気軽なお散歩スナップなどに使うのはなかなか難しい画角ではあるが、色々と工夫しながら撮るのも楽しい。
かなり被写体に寄れるレンズで、最大撮影倍率はクォーターマクロと言える0.26倍。
広角マクロ的な使い方もでき、強力なパースと合わせて表現力の幅は申し分ない。
寄りすぎて前玉が被写体に触れてしまってもSPコーティングのため汚れの心配がないのは安心。
AF速度は可もなく不可もなく、爆速ではないがストレスと感じる遅さもなしといったところ。
フォーカスリングは程よいトルク。明るいレンズなのでピントも見やすく、MF操作は快適。
防滴のため防塵防滴のフルサイズボディと合わせて雨天や水辺でも安心して使うことができる。
携帯性
リミテッドレンズの中では最も大柄ではあるが、大口径の単焦点レンズとして見ると手ごろで取り回しのしやすいサイズに収まっている。
実際手に取ると大きさの割に軽い印象がある。
現行のフルサイズ対応の広角レンズとしては最も軽量でコンパクトなため、そういう意味では貴重な存在。
標準レンズ、望遠レンズと合わせてどれか一本広角レンズを持っていきたいといった場合にこのレンズがあると助かる。
総評
満足度は110点。
これはいいレンズだぞと。
味を重視するリミテッドレンズでありながら光学性能も高い。
アウトフォーカスのボケが極めて自然で柔らかく美しく写るところが最高。
ただし開放の周辺減光など癖もあるため、自分が欲しいレンズであるかは各自要検討だろうか。
フルサイズをメインに使っているのであれば手ごろなサイズの超広角として重宝するだろう。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8 ED SDM WR
フルサイズ用のつよつよ広角ズーム。
解像力などの性能だけで言えばDFA15-30があれば十分。ズームもできてより便利。
新しい広角レンズが出る都度、描写を比較するごとにDFA15-30でいいじゃんとなってしまうのだ。
と同時にDFA15-30やっぱり大きすぎ重すぎともなってしまうのだ。
同じ広角レンズではあるが、その携帯性の違いゆえにDFA21リミとは別のジャンルのレンズと言える。
またDFA21リミのアウトフォーカスの美しさもなかなか独特なので描写的にも非互換である。
このレンズに関するメモ
APS-Cでの利用
APS-Cでは換算32mmとなり気軽なスナップに使いやすい画角に。
開放の周辺減光もなく、画質面でも汎用性が高くなる。
ただ電磁絞りのためK-5II/K-5IIs以前、K-30以前のカメラでは使えないのでその点は注意。
関連用品
フィルター
67mm径はDFA70-210やDA★50-135、DA★60-250といった望遠ズームと同じフィルターサイズ。
レンズキャップ
かぶせ式のキャップではない方がお好みの方は67mm径のキャップが使える。