HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR
軽量コンパクトかつ性能も高いフルサイズ対応標準ズーム
- フルサイズ用
- ミドルグレード
- 標準レンズ
- ズームレンズ
- AF
- DCモーター
- クイックシフトフォーカス
- インナーフォーカス
- HDコーティング
- SPコーティング
- 円形絞り
- 防滴
- 焦点距離28-105mm
- 最小絞りF3.5-F5.6
- 最大絞りF38
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成11群15枚
- 最短撮影距離0.5mm
- 最大撮影倍率0.22倍
- 最大径73mm
- 全長86.5mm
- 重量440g
- フィルター径62mm
フルサイズ対応のエントリークラス標準ズームの出来がいかほどなのか興味を持ってゲットした一本。
画質、使い勝手、携帯性が高いレベルでバランスしたなかなかのレンズ。
コストパフォーマンスも高い。
- 3600万画素にしっかり対応する解像力と描写性能
- フルサイズ対応の標準ズームとしてはコンパクト
- コストパフォーマンスが高い
- あまり寄ることができない(最短撮影距離が50cm)
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
フルサイズの3600万画素にしっかりと対応する高い解像力を持っており、開放から高精細な安定した写りをする。
開放の写りに関しては、広角側ではさすがに四隅はやや乱れるものの周辺部から中央の解像力はすでにピークと遜色がなく、中間域から望遠域では周辺が少し落ちるが代わりに四隅がやや安定してくる。
いずれにしてもかなりのケースで問題なく使えると言っていいだろう。
解像力のピークはどのズームレンジでもF8からF11あたりで、そこまで絞り込めばフレーム全域で均一な解像感の高い写りとなる。
またF16でもまだ高い解像力を維持しているので被写界深度を稼ぎたい時には心置きなく絞ることができる。
このように解像力を高めたレンズはボケが硬くなりがちだが、このレンズはボケ味も自然でかなり良い。
大口径のレンズではないが、絞りを開けて寄れば十分にこのボケ味を活かせる。
逆光耐性は良好。強い光源をフレームに入れると小さなゴーストが出ることがあるがフレアは見られない。
色収差もよく抑えられており、皆無ではないが等倍で舐めるように見なければ気にならないレベル。
歪曲に関しては広角端で樽型、望遠端で糸巻き型になる。
シーンによってはやや気になることもあるが、この手の標準ズームとしては相応もしくは良好な水準でおおむね期待通りだ。
周辺減光は開放ではそこそこ。二段絞ればほぼ完全に解消。
中央から周辺部の解像力は開放からかなり高いので、四隅を暗くして中央の被写体を目立たせるのに効果的でいいかんじだ。
使い勝手
ズームレンズの便利さ、ハンドリングの良さ、さらに解像力の面でもボケ味の面でも開放から安心して使えると言う描写力のおかげで非常に気軽に扱えるレンズとなっている。
焦点距離は28mmから105mmと標準ズームとしては広角から中望遠まで十分なレンジをカバーしている。
広角端が28mmと言うのは屋内や林間など狭い場所では正直物足りなさを感じてしまうが、標準ズームとしては順当なところで、大きな不満はない。
望遠端の105mmは標準ズームとしてはやや長めでいい感じだ。
APS-Cで利用すると換算43mmの標準から161mmの望遠までをカバーしたレンズとなる。
広角側がなくなるので標準ズームとしての使い勝手はかなり落ちるが、四隅が切り捨てになるので開放から隙のない解像力になるというのは面白いかもしれない。
DCモーターによるAFは静かで十分に高速。クイックシフトフォーカスにも対応しておりMFの感触も悪くない。
最短撮影距離が50cmと寄ることができない点は若干の不満。しかし望遠側が長いおかげで最大撮影倍率は0.22倍と十分なものとなっている。
最近のペンタックスのレンズの例に漏れず防滴となっていて、携帯性も相まって旅やアウトドアで重宝する一本となっている。
携帯性
フルサイズ用の標準ズームとしては軽量でコンパクトな部類。
今のところ現行のDFAズームは広角ズームが巨大なものしかなく、望遠ズームは大きさを抑えたものでもそれなりのサイズになってしまうので、標準ズームのサイズを抑えられるのはバランス的にかなり助かる。
そういった事情からもこの携帯性の良さは高く評価したい。
総評
フルサイズ用の標準ズームとしてはエントリークラス的な仕様のレンズだが、APS-C用のミドルクラスのレンズと同等以上の性能を持っており、3600万画素のK-1で使うことを前提に作られたレンズであると言うことがよく分かる。
スペック的には中庸だがかなり良くできた標準ズームで、この携帯性で十分に高い性能を持っていると考えればかなりの価値がある。
描写力のみで考えればハイクラスの単焦点や大口径のズームレンズにはもちろん劣るが、一方で手頃なサイズのズームレンズにはフットワークの良さで多くのシャッターチャンスをものにできるという強みがある。
スナップや風景撮影など広い分野で主力として使っていけそうだ。
満足度は100点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WRとの比較
F2.8通しのDFA24-70にするか、F値可変ながらコンパクトで扱いやすく安価なDFA28-105にするか。
K-1と合わせる標準ズームをどちらにするか悩んでいる人は多いだろう。
DFA24-70の優れている点
- 広角端が24mmと広い
- F2.8通し
- 最短撮影距離が短い(38cm vs 50cm)
- 画質が高い
DFA28-105の優れている点
- 望遠端が105mmと長い
- ズームレンジが広い
- 最大撮影倍率が高い(0.22倍 vs 0.20倍)
- サイズが小さい(73mmx86.5mm vs 88.5mmx109.5mm)
- 軽量(440g vs 787g)
- 価格が安い
- SPコーティング
コストパフォーマンスと使い勝手を考えるならDFA28-105。
より高い画質が必要ならば単焦点を使うと割り切ってこのレンズを選ぶのは賢い選択に思える。
と言いつつ高い表現力を持ったズームレンズとしてDFA24-70も捨てがたい。
将来的にはこの二本のいいとこ取りで24-105 F4とか出るといいんだけどな。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
DA18-135やDA18-270と同じ62mm径。
APS-Cでこれらのズームを使っていた人は移行しやすいかも。
解像力を活かして風景撮影にも最適なレンズなのでフィルターを揃える価値はある。
F値の変化 | |
---|---|
28mm | 3.5 |
31mm | 4.0 |
48mm | 4.5 |
80mm | 5.6 |
105mm | 5.6 |