HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AW
最高性能を実現した50mmの大物単焦点
- フルサイズ用
- ハイグレード
- スターレンズ
- 標準レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- クイックシフトフォーカス
- HDコーティング
- SPコーティング
- 防塵防滴
- 円形絞り
- 電磁絞り
- 焦点距離50mm
- 最小絞りF1.4
- 最大絞りF16
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成9群15枚
- 最短撮影距離0.4mm
- 最大撮影倍率0.18倍
- 最大径80mm
- 全長106mm
- 重量910g
- フィルター径72mm
ペンタックスが新世代のスターレンズと銘打って出してきた最高性能のレンズ。
重さとサイズが気にならなければ間違いの無い一本。
- 50mmの単焦点として最高水準の光学性能
- 高い光学性能に裏打ちされた端正な描写力
- アウトフォーカスのなだらかなボケ味
- 50mmの単焦点としては大きく重量級
- 電磁絞りのため古いボディで使うことができない(フルサイズ機で問題になることはないが)
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放からフレーム全域で高い解像力を発揮し、シャープなだけでなく非常にきめの細かい写り。
被写界深度が足りているのならば遠景でもF8やF11まで絞る意味は無い。フルサイズでこれなのでAPS-Cではいわずもがな。
高い光学性能から来る素直なヌケの良い描写で、様々な被写体を精緻に写し撮ってくれる。
ボケ味も当然のように素晴らしい。
アウトフォーカス部分が形を残して自然にボケるため、わざと少しアウトフォーカスにして柔らかさを狙うような使い方もしやすい。
ピント面前後の色づきは皆無でないがほぼ目に付くことがないほどに良く抑えられており、フリンジで被写体の輪郭が膨らむようなこともない。
またF2.8までは円形絞りのため玉ボケが角張らずきれいな円になる。
ほか目立つような粗はなく、逆光でもクリアな画質、歪曲が気になることも皆無。
周辺減光は開放ではいくらか感じられるが、大口径の単焦点としては割と少なめ。それも一段絞るだけでほぼ解消する。むしろ周辺減光好きには物足りないくらいかと。
使い勝手
クセがないため利用において特に気を遣うこともなく、標準画角と言うこともあって気軽に扱いやすい。
APS-Cでは中望遠レンズとなるが、それもまたボケを活かしやすくて良い。
防塵防滴で深めのフードが付いているので多少の雨でも気にならず、シーンを選ばず活躍する。
AFは爆速と言うほどではないが十分に高速。静粛性が高く精度も問題なし。
明るいレンズのためファインダーのピントの山も見やすく、MFでもしっかりピントを合わせることができるおかげでクイックシフトフォーカスも捗る。
重量、サイズともにそれなりのレンズだが、 K-1とのバランスは良くハンドリングは良好。
携帯性
光学性能を大きく高めた代償として、サイズ、重量ともに従来の50mm F1.4からだいぶかさ増しされており、もはや別クラスのレンズ。手に持つとかなりのズッシリ感があり、K-1と合わせた重さはざっくり2kg。
シグマ、ツァイス、キヤノンなど各社最新の50mm F1.2〜F1.4と同様の路線で、トレンドに照らせばある意味スタンダードなサイズおよび重量とも言えるが、まあ携帯性が良いとは言えない。
個人的にはボディにこれ一本だけ着けてちょっと散歩する程度なら気にならないが、 旅などに持っていこうとすると単焦点ということもあり、他のレンズや荷物との兼ね合いから色々と取捨選択を迫られるといったところ。
総評
正直期待していたのはもう少し普通の50mmだったが、一番いいのが出てきてしまった。レンズ交換式カメラのレンズとして一番いいのでなければ出す意味が無い時代なのかもしれない。
基本のレンズがとっくの昔に単焦点からズームになっていること言うこともあるか。
大きくて重いレンズは良いレンズに決まってる、と言うことで光学性能は折り紙付き。描写力を最重視するならばこのレンズを選べば間違いは無い。造りもしっかりしていて使う喜びがある。
スナップ、風景、ポートレートなどなど様々な用途で満足度の高い結果を残してくれるだろう。
満足度は110点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-FA 50mm F1.4と比べて
開放は柔らかくてもいいし、自分の写真にそんな超絶性能は必要ない、雨や雪の中で使うこともない、ということであればFA50でも十分満足できるだろう。
携帯性がかなりいいので、メインはズームレンズで単焦点はサブという位置づけの運用もしやすい。
smc PENTAX-DA★55mm F1.4 SDMと比べて
DA★55はAPS-C用のレンズながらフルサイズで使ってもなかなかの性能ということで比較。
開放からシャープな50mm F1.4が欲しいが、四隅は絞った時にそれなりに写れば良い、ということであればDA★55は良い選択肢に思える。
携帯性もだいぶ良く、色のノリの鮮やかさも魅力。
smc PENTAX-DA 50mm F1.8と比べて
DA★55と同じくDA50もAPS-C用のレンズながらフルサイズも十分使えると言うことで比較。
開放からシャープに写るレンズが良く、主にスナップや人を撮るので四隅は重視されるような使い方はしない、高すぎるスペックや防塵防滴も不要、ということであればDA50がリーズナブル。
携帯性良好で安価ながらも単焦点ならではの高い画質でコストパフォーマンスに優れる。
FAリミテッドと比べて
光学性能はさすがにDFA★50の方が上で、それに裏打ちされたきめの細かさという面でも一段上。
ただ描写の傾向的に何気なく撮って印象的な写真になりやすいのはFAリミテッドの方かなと感じている。そしてなにより描写力に似つかわしくないコンパクトさがやはり素晴らしい。
実用においては携帯性もやはり大きな性能なのだ。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
72mmということであまり共通するレンズがない。
紅葉の細かい葉っぱまでしっかりと解像するので風景を撮るならPLフィルターは欲しい。
日中晴天時に開放を使うならNDフィルターも。
ステップアップリング
ステップアップリングをかませてフィルターは77mm径ものを使うと他のレンズと使い回ししやすい。