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HD PENTAX-FA 35mm F2

最新の技術でリファインされた往年の銘玉

フィルム世代の隠れスターと呼ばれるFA35にコーティングの刷新と筐体のリニューアルを施しリファイン。
優しく自然な描写はそのままに性能向上を果たしている。

満足度 95
強み
  • 素直でヌケの良い描写力
  • 素晴らしいボケ味
  • 開放の柔らかさ
弱み
  • EXIFがsmc版FA35のまま
  • クイックシフトフォーカス非対応
最終更新: 2019-11-28

実際に使用してのレビュー

描写の傾向

素直でヌケの良い描写力

どことなく柔らかさを感じさせる自然な表現力が好ましい。

素直で癖なくスッキリクリアでヌケが良い、と言うsmc版の良さを保ちつつ、HD化により周辺描写の安定性などがブラッシュアップされた。
smc版ではやや甘いと感じられた四隅も絞ればしっかりと解像するようになっている。

素晴らしいボケ味

ボケ味も相変わらず素晴らしく、柔らかい一級品のボケ味。
ただHD化しても円形絞りにはならなかったので開放以外では丸ボケが角ばる。

絞りによる描写の変化

開放で柔らかく絞ればシャープに、という描写の変化は健在。
ただsmc版に比べると開放の柔らかさはだいぶ抑えられており、一般的には使いやすくなったと言えるだろう。ただ一方で物足りなくなったと感じる人もいるかもしれない。

安定した光学性能

色収差、歪曲収差ともに良く抑えられており、周辺減光も程よい程度で気にならない。
smc版と同じく気軽に扱えるレンズと言える。

逆光耐性

逆光耐性は高く優等生。smc版でもゴーストやフレアが気になることはほとんどなかったが、HD化でさらに磨きがかかっている。

使い勝手

広角35mm

フルサイズの広角では28mmと並んで定番の35mm。
目についたものを適当にスナップしていくような使い方が楽しい。

まずまず寄ることができる

接写性能は最短撮影距離30mm、最大撮影倍率は0.17倍とまずまず。
広角でもこれくらい寄れて明るさがF2もあれば十分に背景ボケを作れる。

まずまずのAF性能

AF速度は比較的遅いがボディモーターの強力なK-3以降の機種であれば十分に速い。精度にも問題はない。

ピントリングの適度なトルク

ピントリングは適度なトルクがあり、MF時の感触はなかなか良い。

SPコーティング

smc版にはなかったSPコーティングが追加され耐久性が高まった。

クイックシフトフォーカスには非対応

リニューアルしてもクイックシフトフォーカスに対応しなかったのはわずかに残念。

絞り環で絞りを操作できる

Aポジションがあるので一般的なレンズと同様にカメラ側で絞りを制御することが可能だが、お好みで絞り環を使って絞りをコントロールすることもできる。
また絞り環でしか絞りを操作できない古いフィルムカメラでも使うことができるといった利点も。

EXIFがsmc版のまま

smc版と区別がつかないので写真整理をする際に不便。
今後のロットではファームアップなどで改善されるといいのだが。

携帯性

軽量コンパクトで携帯しやすい

フルサイズ対応の明るい広角は大きくなりがちな昨今では貴重なサイズ感で、ポケットサイズと言っていい携帯性。
ズームレンズのお供としても携行しやすい。

総評

満足度は95点。

「ほー、こういうのでいいんだよこういうので」というかんじのレンズ。
価格、携帯性、描写力のバランスがとても良い。

smc版と比べるとコーティングの変更により開放の柔らかさが少し抑えられ、周辺描写など安定性が高くなった。
ポートレート用途などに限っては独特の個性が弱まった形となるが、風景なども含めオールマイティに使う向きに関しては良好な性能向上版と言えるだろう。

デザイン的に最近のレンズ風になり野暮ったさがなくなった点も良い。

購入に関するアドバイス

入手性について

バリバリの新製品。供給も安定しており問題なく手に入る。
発売されて日が浅いため中古は玉数が少ない。新品との価格差も少ないので基本的には新品での購入をオススメする。

類似または関連するレンズとの比較

smc PENTAX-FA 35mm F2 AL

HD版のもととなった旧版。HD版の発売でディスコンになったりはしておらず販売は継続されている。

開放の柔らかさはポートレートなどにはむしろ好適。HD版よりも優れているとも言える。
つまりHD版が単純な上位互換というわけでもないので、FA35を不満なく使っている人は特に買い替えたりする必要はないだろう。

そう、するなら買い増しですね。

smc PENTAX-DA 35mm F2.4 AL

FA35をAPS-C用のDAレンズにリファインしたもので描写の質は似ている。
F値が抑えられている代わりに開放の柔らかさが抑えられており、HD版をF2.4に絞った時よりもシャープ。

DAレンズではあるがフルサイズでも割と普通に使えるので、開放の柔らかさが要らないならDA35の方が良いかも。安いし。

買うべき人とそうでない人

買うべき
やめるべき

このレンズに関するメモ

APS-Cでの利用

フルサイズでも周辺描写のしっかりしたレンズなので、APS-Cでも変わらぬ描写力を発揮する。

使い勝手としては換算約53.5mm相当の標準レンズの画角となり、35mmとはまた別の使いやすさがある。
フルサイズでは並だった最大撮影倍率が実質2.55倍相当とかなり高くなるのも良い。

メンテ&使用記録

片ボケ 2019/04

若干の片ボケを発見してしまい少し凹むなど。
片ボケは購入してすぐチェックして、見つけたら速やかにショップに交換を申し込まないとダメ絶対(交換を受け付けてくれるようなちゃんとしたショップで買うのだ!)

まあ酷いというレベルではないのでこのまま使うことにする。
片ボケの調整はメーカー側と妥協点を見出すのがけっこう大変なので。

関連用品

フィルター

多くのリミテッドレンズと共通の49mm径。

参考リンク

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