smc版のFA31からややクリアな描写傾向となったHD版FA31リミテッド。
FAリミテッドの中でもっとも広角となる31mmの画角は扱いやすく汎用性が高い。
もともとFA31の持つシャープで高精細な描写の味がHD化によって程よくブーストされていて、smc版の後継として申し分のない出来となっている。
これもやはりKマウントを使うなら一度は手にしたいレンズと言える。
シャープで高精細、かつコントラストの高い描写で被写体を印象的にとらえる。
ちょっとしたものを何気なく撮っても非常にいい写りになってしまうラスボス的な力を持っているところはsmc版と変わらない。
ボケも美しく自然で、F1.8の開放を使った近接撮影が捗る。
円形絞りになったことで開放からF3.5までは玉ボケが角張らない点も良い。
smc版と同様に高い光学性能を持ち、フルサイズでも隅々までしっかりとした解像力に加え、歪曲や色収差が気になることもまずない。
F16やF22まで絞っても回折の影響が少ないため、前景から遠景までパンフォーカスで写したいケースでも安心して絞り込める。
逆光耐性は良好。ゴーストやフレアはsmc版に比べてさらに低減していて、厳しい条件で出ることはあるが、ほとんどのケースで問題はない。
31mmはフルサイズでは定番の28mmに近い広角で、開けた場所でふと見渡した視野と画角が近いため使いやすい。
街中でも自然の中でも歩きながらのスナップなどにかなり向いている。
AFはボディモーターを使うもので、ギュッと駆動音はするものの高速。精度も特に問題なし。
古いレンズをベースにしているため、残念ながらクイックシフトフォーカスには対応していない。
防滴性能などもないが、SPコーティングの追加によりややラフに扱っても平気となった。
絞り環があるのでお好みで絞り環を使って絞りを操作できる。
ニッチな向きには古いフィルムカメラでも使えるという利点もあり。
リミテッドレンズの中では大きい方だが十分に軽量コンパクト。
フルサイズ対応の明るい広角単焦点としては他社を見渡しても最少クラスのサイズで、取り回しが非常に良い。
満足度は120点
何も言うことはないというか、相変わらず全幅の信頼を置けるレンズ。
個人的にはFA43とFA77はsmc版の方が好きかなってかんじだったが、FA31はHD版の方が好きかなってかんじ。
何を悩むというのですか。
出たばかりの現行品なので普通に新品購入が可能。中古の玉数はまだ少ない。
HD版での変化は以下の通り。
単純に言えばHD化によりスペックは向上していると言えるが、描写傾向の変化に対する評価は人によって分かれると思われる。
どちらが良いかはお好みで。
中古で安価に手に入る点はsmc版の強味。
APS-Cでは換算47.5mmと標準レンズの画角となる。これはこれでまた別の扱いやすさがあって良い。
また逆光耐性が気になるという向きにはウエポン化(手製の延長フードの利用)により逆光耐性を高めることができる。ウエポン化の詳細はググってください。
リミテッドレンズでは大き目の58mm径。
純正ではDA★55やDA18-50 RE、歴代の55-300などと共通。割とおすすめのサイズ。
PLフィルターは操作リングがフードと干渉するものがあるので要注意。例えばケンコーのZetaシリーズなど。マルミならとりあえず問題はない。
| マルミ EXUS サーキュラーPL |
| ケンコー PRO1D プロND8(W) |
| ケンコー PRO1D Lotus ND32 |
APS-Cで利用する場合はステップダウンリング58mm-49mmをかまして49mmのフィルターを使うこともできる。
他のリミテッドレンズとフィルターを共用できる上に、フードとの干渉を心配せずにPLフィルターも装着できる点が良い。
| マルミ ステップダウンリング 58mm → 49mm |
| マルミ ステップダウンリング 58-49mm |
ただし口径が狭くなることによる光量低下もあるので、サイズぴったりのフィルターを使うに越したことはない。
一体型フードと干渉するため一切使えない。
標準のかぶせ式のキャップが好みでない人は普通のレンズキャップも使える。
| レンズキャップ O-LC58 |