Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM
F2.8開放から高い描写力を発揮する本格派のフィッシュアイ
- APS-C用
- ミドルグレード
- 魚眼レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- HSM
- フルタイムマニュアル
- 焦点距離10mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成7群12枚
- 最短撮影距離0.135mm
- 最大撮影倍率0.3倍
- 最大径75.8mm
- 全長83.1mm
- 重量475g
- フィルター径-mm
- 魚眼ならではの独特な表現力
- 純正の魚眼ズームよりも画質が高い
- かなり寄ることができ被写体を大きく写せる
- 前面に装着する一般的なフィルターが使えない
- 純正の魚眼レンズに比べて価格が高い
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
魚眼という特殊なレンズだが描写力は思いのほか高く、開放からシャープで躊躇無く使うことができる。二段絞ると更にシャープに。中央部だけでなく周辺部までしっかりとしていて、色乗りやコントラストも申し分なく、ボケも素直な傾向で好ましい。EXレンズにふさわしい性能を持っていると言える。
開放からしっかり写る明るいレンズなので、星景にもよさそうだ。
180度の画角は大きな歪曲と相まって広大な風景をダイナミックに写すことが可能。
一方で被写体ギリギリまで寄って接写することもできるため、強烈なパースと魚眼効果を活かしつつ被写体を印象的に写せる。
逆光耐性は良好でゴーストやフレアは皆無ではないがほとんど出ない。魚眼の宿命なのか周辺部のパープルフリンジはやはり出やすいが純正のDA10-17と比べると幾分抑えられており、現像時の補正はいくらか容易。
使い勝手
ボケが素直なレンズなので安心して接写ができ、広角マクロ的な使い方も楽しい。フルタイムマニュアルにも対応しているので接写時のピントの微調整もやりやすく、動物を驚かせないHSMの静粛性は寄って写す際にはありがたい。
風景にも使っていて楽しいが、写る範囲がとにかく広いので余計なものが映り込まないように調整するのは試行錯誤が必要。例えばハイアングルで撮影しようとすると自分の足をファインダーの外に出すのに苦労することがしばしばある。
広く開けた場所で使うと何を撮りたかったんだかわからないような写真になることも多く、このあたりの魚眼独特の使いこなしには慣れを要する。
フィルターに関しては前玉が出目金のためフロントにはフィルターが装着できないが、リア側にゼラチンフィルターを使うことができるため、どうしてもフィルターが使いたい場合はそれで対応できる。
携帯性
単焦点レンズとしては大きい。DA10-17と比べると一回り大きく、携帯性を重視する人にとっては不満が出るかも。長さはともかく太さが気になる。
F2.8の明るさと高い画質を考えれば個人的には許容できる範囲だが、レンズの編成次第ではバッグがキツキツになってしまうこともある。自分にとって最大径75mmというのはそういう微妙な境界線に当たる。
総評
高性能の魚眼レンズ。
DA10-17で魚眼の楽しさを覚えたものの激しいパープルフリンジだけどうにかならないのかと思っていた。そこにアウトレットが出てていたので思わず手を出してしまったが正解だった。
正直DA10-17の方が使いやすいので持ち出す頻度では負けるが「今日は魚眼を使うぞ」という日にはエースとして登板するレンズ。
魚眼は難しさもあるけどやはり楽しい。
満足度は100点。
まあエース登板して不発と言うこともままあるんだけど・・・
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17との比較
画質を突き詰めるならシグマ。利便性とコストパフォーマンスなら純正。
比較するとシグマの魚眼は以下の点で優れている。
- 明るい
- 描写力が少し高い
- リアフィルターが使える
- AFが静か
- 同じ焦点距離10mmに合わせた時に写る範囲がちょっと広い
一方で純正の方が以下の点で優れている。
- ズームで画角が調整できる
- 望遠端の接写で大きく写せる
- 携帯性が高い
- 価格が安い
価格差が倍近くある上にDA10-17もかなり画質はいいので、初めて魚眼を使うと言う人には安価で使いやすいDA10-17の方が正直オススメ。
このレンズに関するメモ
フルサイズ機での利用
ビルトインのフードでケラレるかんじ。
APS-Cのクロップ枠をなぞるようにきれいにケラレるので、無駄のない最大効率の設計のフードなのだな、となんだか感心してしまう。
関連用品
フィルター
星景用にソフトフィルターが欲しいのだが何を買ったら良いのか分からない今日この頃。
現像ソフト
Lightroomの色収差除去でパープルフリンジも怖くない!(過信は禁物)