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Sigma 30mm F1.4 DC HSM Art

印象的な描写力を持つAPS-C用の標準単焦点


ArtラインでKマウントのレンズ、とくればこれは是非試さねばと手にした一本。
標準画角でF1.4のスペックを持つリーズナブルなレンズ。

満足度 100
強み
  • 絞りによる描写の変化を高いレベルで楽しめる
  • コストパフォーマンスが高い
  • USB DOCKによるピント調整やファームアップが可能
弱み
  • パープルとグリーンのフリンジが出やすい
最終更新: 2016-04-29

実際に使用してのレビュー

描写の傾向

開放付近はやや柔らかさを残しつつも芯のあるシャープさを持ち合わせている。シャープさと柔らかさが同居した面白い描写で、積極的に開放絞りを使いたくなる。
少し絞ればキレが増しクリアに。F2.8あたりでは非常にメリハリの効いた描写で立体感も特に良く出る。場合によっては効き過ぎのような気がするほどだが、被写体をシャープかつ印象的に写すにはかなり良い。
F5.6くらいまで絞るとやや大人しくなり自然な写りになる。

ボケ味も美しく大口径単焦点として申し分のないボケを楽しめる。
前ボケが非常になめらかなので、前ボケを使った表現もけっこうハマる気がする。

旧型の弱点であった周辺の解像力はだいぶ改善されており、開放ではゆるいがF5.6〜F8くらいまで絞ればしっかりとしてきて遠景も良く写る。

逆光耐性は良好でほとんどのケースで問題はない。
強い光源がフレームに入るような場合ではグリーンのゴーストが出るが、それほど目障りな色ではなく、激しく出るわけでもない。同様にフレアに関しても良く抑えられている。

開放付近ではピント面の前後にグリーンとパープルのフリンジが出やすく、被写体によっては目立つが、少し絞ればほぼ解消する。
レンズ周辺に出やすい倍率色収差に関してはよく抑えられており、等倍で見ない限り目に付くことはない。

使い勝手

標準レンズの画角となるので、見たままの範囲をそのまま写すのに使いやすい。

旧型の欠点であった最短撮影距離が40cmから30cmへと改善されており、被写体に寄りたい場合にも不満を感じることなく使えるようになった。それに応じて低かった最大撮影倍率も標準的なところまで上がったため、撮影の幅が大きく広がっている。

開放から使えるF1.4のレンズと言うことで、室内や曇天、黄昏時などにも強い。ペンタックスの場合はボディ内手ブレ補正が効くため、他のマウントで使うよりも更にその傾向が強まり素晴らしい。

AF速度は格別速くはないが遅くもないといったところ。あまり激しく動く物を撮らない身としては使用していて特にストレスは感じない。
旧型とは違って駆動方式がHSMなので、AFの動作音が静かになったのは猫などを撮るときにありがたい。

加えてフルタイムマニュアルが可能となったのも便利になった点。
ピントリングも滑らかで適度なトルクがあり、明るいレンズだけあってピントの山も見やすいのでMF操作も楽しい。

携帯性

ペンタックスの純正の単焦点に比べるとだいぶ大きく重いが、持ち運びや取り回しは苦にならない程度。
同じF値1.4で画角の近い同社35mm F1.4 Artと比較すればかなり良い。

ただフードがやや無骨なので若干ながらかさばる印象あり。

総評

満足度は100点。

少しメリハリが効き過ぎに思えることもあるが、非常に印象的で面白い描写をするレンズ。さすがのArtラインクオリティ。
APS-C標準画角でF1.4のレンズは純正にラインナップされていないこともあり、価値のある一本と言える。

旧型の欠点をしっかりと潰してきているので、旧型に不満があった人も試す価値があるだろう。

購入に関するアドバイス

類似または関連するレンズとの比較

smc PENTAX-DA 35mm F2.4 ALとどちらにすべきか

F1.4の明るさが欲しければシグマの30mm F1.4。絞りによる描写の変化が楽しめる。
フルタイムマニュアル(クイックシフトフォーカスと同様の物)に対応している機能性もありがたい。

一方で携帯性や価格面ではDA35の方がかなり有利。
絞りによる描写の変化も少ないので、初心者でも扱いやすいのはDA35の方だろうか。

描写面の違いでは同じ絞りではシグマの方がクリアでキレがある。対してボケ味はDA35の方が柔らかく、どこか情緒的な写り。
いずれにしろ単焦点ならではのきれいな写真が撮れることに違いはない。

個人的にはF1.4の面白さを味わってみて欲しい気がするということでシグマ推し。

smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limitedとどちらにすべきか

FA31はやはり別格。
しかしシグマの30mm F1.4もかなり良く、コストパフォーマンスが高い。

Sigma 35mm F1.4 DG HSM Artとの違い

同じくAPS-Cでは標準画角のF1.4のレンズ。

開放からシャープなレンズが欲しければ35mm。
またフルサイズ対応のレンズなので将来的にうれしいことがあるかもしれない。
ただし価格は倍で、長さと重量も五割増し。

30mmの方は絞りによる描写の変化が面白く、コストパフォーマンスも高い。
開放の柔らかさを活かしてポートレート用途などにも使えそうだ。

いずれも高い描写力を持っているので選択はお好みで。

Sigma 30mm F1.4 EX DC(旧型)との違い

モデルチェンジによって光学性能や使い勝手的には様々な向上が見られる。

最短撮影距離が10cm短くなった
周辺部の解像力の向上
HSMによるAFの静粛性、フルタイムマニュアル
USBドックでの調整やファームアップが可能

基本的には新型の方を選んでおけば良いが、メリハリが強すぎるように感じる場合もあり、旧型の方がバランスの良い描写に思えることもある。(旧型もかなりメリハリはけっこう強いが)

旧型がその欠点にも関わらず人気を保ち続けているのは、やはり良いレンズだからだろう。

このレンズに関するメモ

フルサイズ機での利用

フォーカス位置に関係なく四隅が大きくケラレることがあるほか、周辺から四隅にかけての解像も怪しいため利用可能な状況は限られる。

一応レンズにたくさん光が入る好条件ではほとんどケラレが出ないこともあるが、フルサイズで快適に使えるとは言い難い。

関連用品

フィルター

62mm径。

DA18-135やDA18-270のような高倍率ズームと共通しているので、便利ズームと明るい単焦点のコンビネーションを組むにはいいかも。
しかしその他のレンズとの使い回しを考えるならステップアップリングをかませて67mm径か77mm径を使うという道もある。

USBドック

ピント調整やレンズのファームウェアアップデートなどが自宅で可能となる便利アイテム。
ピント調整では撮影距離ごとの調整などボディ側のAF微調整よりも高度な調整ができる。


参考リンク

Sigma 30mm F1.4 DC HSM Artで撮った写真