Sigma 35mm F1.4 DG HSM Art
Artラインのクオリティを世に知らしめた銘レンズ
- ハイグレード
- フルサイズ用
- 広角レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- HSM
- フルタイムマニュアル
- 円形絞り
- 焦点距離35mm
- 最小絞りF1.4
- 最大絞りF16
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成11群13枚
- 最短撮影距離0.3mm
- 最大撮影倍率0.19倍
- 最大径77mm
- 全長94mm
- 重量665g
- フィルター径67mm
世間での高い評価が気になってゲットした一本。
シグマの本気を感じる期待通りのレンズ。
- 開放からシャープで極めて高い解像力を発揮
- 単焦点レンズとしてはサイズが大きめ
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放からすばらしい解像力を発揮し、クリアで透明感の高いキレのある描写。
周辺部や四隅の解像力は開放でも顕著な落ち込みは見られず、二段絞ってF2.8で使えば隅々まで安定する。
周辺減光は開放でもよく抑えられており、色収差、歪曲も少なく、逆光にも強い。
フルサイズ用のレンズをAPS-Cで使っていると言うこともあるが、この非常に安定した光学性能は見事。
ボケは申し分のない美しさで、もともとフルサイズ用の広角レンズとは思えないほど。
申し分のない描写力に単焦点を使う喜びを感じる。
使い勝手
APS-Cでは標準レンズの画角となり、一本付けっぱなしでも基本のレンズとして使いやすい。
開放からキレるレンズなので思い通りの絞りが使えるというのは、ひとつ何かから解放された気分だ。
AFは静かで速く、精度も上々。
ボケを狙った近接撮影ではフルタイムマニュアルも重宝する。MF時のピントの山も見やすい。
このレンズを手ブレ補正付きで使えるのは他マウントにはないアドバンテージと言える。(厳密にはソニーも手ブレ補正あるけど)
たまにサイズのために取り回しが悪いと感じることもあるが、大きな不満ではない。
あとは強いて言えばEXIFにレンズ名が記録されないので整理するのに不便。とはいえこれはカメラとの組み合わせの問題で、レンズそのものの問題ではないが。
携帯性
大口径の広角単焦点としては標準的なサイズと重量ではあるのだが、単焦点がこのサイズだとやはりけっこう大きいと感じてしまう。
ペンタの単焦点を使っているとなおさら。
とは言えカメラに装着した状態で普通サイズのカメラバッグに無理なく収まるサイズではある。
総評
これは素晴らしいレンズ。各所で絶賛されているのは伊達じゃなかった。
シグマはよくぞこのレンズをKマウントで出してくれた。
APS-Cの標準域でF1.4の明るさを持っているレンズはこれと同じくシグマの30mm F1.4しかないので、ある意味貴重な存在。
F1.4のスペックと最高クラスの画質が欲しければこのレンズは買いだろう。
満足度は100点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited
けっこう気になる人が多いと思われる比較。
こってり描写の31mmに比べて35mmはクリアな描写。
基本的な性能は拮抗しているが緻密さや遠景の解像力はFA31が若干上かと思う。
どちらか一本を選ぶと言うと、画角および描写の傾向が違うので単なる優劣ではなく好みの問題も絡んでくるだろう。
携帯性がだいぶ違うこともあり自分は迷わずFA31を選ぶが、35mmを選ぶ人もいるかもしれない。
端的に言うと自分にとってシグマの35mmは素晴らしいレンズだが、FA31はスペシャルなレンズ。
今後シグマの35mmも使い込む気(使い込む気にさせるレンズだ)なので、それによって評価が変わる可能性はあるが、現状はそんなかんじ。
他社35mm F1.4
35mm F1.4は定番のスペックなので各社から同様のレンズがでているが、そのいずれよりも安価で、最も高い解像力を誇ると言う凄まじいレンズ。
解像力が画質のすべてというわけではないが、コストパフォーマンスでは間違いなく最強の一本と言える。
このレンズに関するメモ
メンテ記録
片ボケ 2013/06
等倍で見ると写真の左側が若干片ボケ。
像の乱れが気になる頻度はわずかだったので調整に出すかどうか迷ったが、片ボケがなければもっとキレよく写ったんじゃないかという写真も多かったため調整に出すことにした。
要はマイナス側に感じるものは少なかったが、直ればもっとプラスが大きくなるはずだということで。
全数検査しててもこういうのは出てくるのね。
後ピン 2013/07
調整に出して帰ってきたら後ピン。前よりダメになってるパターンだった。
ボディと一緒に出したら「前ピンです」ということで調整してくれたんだが、どういう基準で合わせたんだろう?
レンズだけ送って前と同じに戻してもらった。
ちなみに片ボケは基準内と言うことだった。まあこれは仕方ないし気になる頻度も少ないのでよしとする。
関連用品
フィルター
67mm径。他のレンズとの使い回しもしやすくよろしいのではないでしょうか。
USBドック
ピント調整やレンズのファームウェアアップデートなどが自宅で可能となる便利アイテム。
ピント調整では撮影距離ごとの調整などボディ側のAF微調整よりも高度な調整ができる。