Sigma MACRO 70mm F2.8 EX DG
カミソリマクロの異名を持つ中望遠マクロ
- フルサイズ用
- ミドルグレード
- 中望遠レンズ
- マクロレンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- フォーカスリミッター
- 焦点距離70mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成9群10枚
- 最短撮影距離0.257mm
- 最大撮影倍率1.0倍
- 最大径76mm
- 全長95mm
- 重量525g
- フィルター径62mm
カミソリマクロという二つ名に興味を持って購入してみた一本。
その名の通りシャープで切れ味の高いレンズ。
- 開放からシャープでクリアな描写力
- マクロ以外の用途にも使え、万能の中望遠レンズとして使い勝手が良い
- ピントリングの回転角が広いためAFが迷うとかなり遅い
- フードがねじこみ式で着脱が面倒
- フォーカシングで鏡胴が大きく伸びる
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
マクロとしてだけではなく単なる中望遠レンズとして使っても良好な画質。開放からシャープでカリカリに写る。色乗りはアッサリ目。ボケは時々硬いと感じることがあるが、おおむね問題ない。
寒色系が強く出て乾いた感じの描写には切れ味と透明感を感じる。このあたりがカミソリと呼ばれる所以か。
使い勝手
APS-Cで使うと焦点距離105mm相当の中望遠となり、これはマクロとして使いやすい画角。普通の中望遠レンズとしても使いやすい。
マクロレンズなのでAFは遅い。とはいえ一発で合焦すれば気にならない程度。迷ったときだけ非常に遅く感じる。フォーカスリミッターがあるだけマシだが、まあこの辺りは仕方ないところ。
マクロレンズにとって重要な点であるMFの使い勝手については特に問題は感じなかったが、フルタイムマニュアルだったらなお良かった。ちなみにピントリングのトルクは軽めで、人によってはこれをスカスカと不満に感じるようだが、個人的には好ましい。
しかしフォーカシングで鏡胴が伸びるのは少々不便に感じた。描写性能を追求した結果とのことで致し方ないところなのかもしれないが、使い勝手的には良いとは言えない。フードがバヨネット式ではなくねじこみ式なのも不便。
携帯性
可もなく不可もなく。ただしフードを逆さに付けて固定できないのでその点はマイナス。このせいで収納性が悪い。
Kマウントの場合は同一の焦点距離にDA70Limited、望遠マクロとしてはDFA100Macroがありそれぞれがこのレンズよりもコンパクトなので、それらと比較すると分が悪い。一本で中望遠とマクロを兼ねると考えて比較しても上記二本の合計重量よりも重いと言う有様。
総評
DA70LimitedもDFA100Macroも持っておらず中望遠とマクロの両方をこなす一本が欲しい人には強くオススメできる。しかし自分はDA70LimitedとDFA100Macroをすでに所持していたため利用価値が見いだせず。画質は満足できる物だったしレンズ自体の質感もよかったのでちょっと悩んだが、結局手放してしまった。
使った期間が極めて短いので長い目で見たらもっと変わった評価になったかもしれない。というか機会があったらまた買ってしまいそうな気がする。
満足度は90点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
競合するマクロレンズとの比較
中望遠マクロで競合する三本。
- ペンタックス smc PENTAX-D FA Macro 100 F2.8 WR
- シグマ MACRO 70mm F2.8 EX DG
- タムロン SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 Model272E
いずれも評価が高いためどれを選んでも後悔はなさそう。好み次第といったところ。
タムロンは柔らかく、シグマはカリカリと言われる。ペンタックスも開放からシャープに解像するが、シグマとちがってどことなくしっとりとした描写をする。柔らかさや華やかさが欲しければタムロンかペンタックス、透明感が欲しければシグマといったところか。
純正のDFA100Macroはクイックシフトフォーカスが利用できる点で他のアドバンテージがある。最もコンパクトで簡易防滴も付いており、使い勝手では頭一つ抜けている。価格はわずかに高いが以前ほど大きな価格差ではなくなってきている。
焦点距離的にはシグマの70mmがAPS-Cで使うとを考えるなら一番使いやすい。が、これは個人差があるところか。
smc PENTAX-DA 35mm F2.8 Macro Limitedとの比較
同じマクロだが標準マクロと望遠マクロの使い勝手はかなり違うので別物と思った方が良い。単にマクロとして使いたければ望遠マクロの方が使いやすい。
標準マクロは本当にギリギリまで寄らねばならず、自分の影の映り込みといった問題もありなかなか苦労する。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
62mm径のフィルターをフードとの間に装着することができる。着脱の手間がなかなかしんどい。