Tamron SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 Model272E
柔らかな描写で絶大な支持を集める銘玉
- フルサイズ用
- ミドルグレード
- 中望遠レンズ
- マクロレンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- フォーカスリミッター
- 焦点距離90mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF32
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成9群10枚
- 最短撮影距離0.29mm
- 最大撮影倍率1.0倍
- 最大径71.5mm
- 全長97mm
- 重量400g
- フィルター径55mm
いつかは使ってみたいと長年思いつつ、ようやく手に入れた一本。
評判に違わぬ素敵なマクロレンズ。通称タムキュー。
- しっかりとした写りながら柔らかさのある優しい描写
- フォーカスリミッターによりAFの迷いを軽減できる
- ピントリングの回転角が広いためAFが迷うとかなり遅い
- AF/MFの切り替えに2ステップ必要で若干面倒
- 強い光源をフレームに入れるとゴーストが出やすい
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放からしっかりとシャープな写りだが、カリカリはしておらずどこか柔らかさを感じさせる素敵な描写。
ボケ味の柔らかさも評判通りで申し分ない。
そうした柔らかな描写から花撮り、ポートレートなどに最適の一本と言える。
一方で遠景には少しゆるいかなと思うことが多い。
逆光耐性はまずまず。
光源がフレームに入るとゴーストやフレアは普通にでるが、多少の逆光では特に問題は見られない。
ゴーストはなかなかいい形をしているが、とは言え夜景などでは邪魔物。
APS-Cでは開放から目立つ周辺減光もなく、色収差や歪曲なども良く補正されていて気にならない。
このあたりはさすがマクロレンズといったところか。
使い勝手
望遠マクロということで被写体との距離を適度に取ることができ、使いやすい等倍マクロレンズ。
ピントリングのトルクは軽めで滑らかに動き、ピントの山も見やすい。
MFの快適性はマクロレンズの必須要件だが、そのあたりはさすがにしっかりとしている。
AFは迷うとピントが最短から無限遠まで往復するのに待たされるが、迷わず決まれば十分高速。
迷ったときも純正の100mmマクロより若干速い。
またフォーカスリミッターが付いているので、迷ったときの復帰速度を短く抑えられる。
マクロ域と通常域の中間でAFの範囲を限ることができるが、通常域ではピントリングの回転範囲が狭いのでかなり高速になる。
ペンタックス用(とソニー用)はそのほかのマウントとは違ってボディ内手ブレ補正があるため、他のメーカーのカメラで使う場合よりも手持ちマクロしやすいという優れた特徴を持つ。
しかし逆に劣った点もあり、AFとMFを切り替えるのにレンズ側とボディ側、両方の切り替え操作が必要となっている。これは慣れるまで少し面倒くさいし、慣れても余計に手間がかかることには変わりない。
ちなみにボディ側だけAFにすればレンズ側がMFになっていても一応AFは動くが、故障の可能性があるのできちんと両方切り替えた方が無難。
携帯性
純正の100mmマクロに比べると劣るが、まずまずは悪くない。
フード装着でK-3に装着しても20cm少々の長さなので、そのまま収納できるカメラバッグも多い。フード逆付けでは17cm程度。
ただ無限遠以外では鏡胴が伸びるので、収納のために最短の長さにするのに一手間必要になる。これは若干わずわらしいかもしれない。
総評
期待を裏切らない銘玉。
価格から考えると抜群のコストパフォーマンスで、マクロレンズの定番として長年愛されているのにも納得がいく。
使い勝手では明らかに純正に劣るが、描写力では互角以上。
多少の不便に目をつぶっても使いたくなるレンズだ。
そんなわけで使い勝手で減点がありつつも満足度は100点。
購入に関するアドバイス
良く写る望遠ズームを探していて、このレンズをゲットする機会があれば悩む暇なくゲットするべき。ただし携帯性の面だけ要考慮。
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-D FA Macro 100mm F2.8 WRとどちらにするか
純正の100mmマクロのいいところ。
- 遠景までシャープ
- クイックシフトフォーカスでAF/MFの切り替えがシームレス
- マクロ域で鏡胴が伸びてもフード込みの全長が変わらない
- 簡易防滴
- 軽量コンパクト
- デザインがカッコイイ
タムロンの90mmマクロのいいところ。
- 柔らかな描写
- フォーカスリミッター付き
- 価格が安い
描写力は甲乙付けがたいが、両方持ってても描写の違いで使い分けできるかんじではある。
使い勝手で言うと明らかに純正が勝っている。
特にMFとAFの切り替えがタムロンは2ステップの操作が必要なのに対して、純正だと0ステップで済むのは大きい気がする。
コストパフォーマンス重視ならタムロン優勢。
まあどちらを選んでも後悔はないと思われる。
新型(Model F004)との比較
新型の方はKマウント版は出ていないのでペンタユーザー的には関係ないが、手ブレ補正付きで便利になった反面ボケ味が少し硬いらしい。あと価格も高い。
そういうわけで旧型となったModel272Eの方を支持するユーザーも多い模様。
なお旧型も併売されている。
このレンズに関するメモ
調整でよりシャープに
なるらしい。遠景もキリッとシャープに。
しかし素敵な柔らかさも消えてしまうのではと思うと踏み切れない。
万能の中望遠として使いたくなったら調整に出してみたいが、そういう用途には純正があるので。
関連用品
フィルター
レアな55mm径。
一応リミズームと共通。このコンビネーションはなかなか美しい気がする。
PLフィルターがあると草花を色鮮やかに写せるのでオススメ。
ステップアップリング
しかんしながら55mm径は他に使えるレンズが少ないので、ステップアップリングをかませて使うのがいいかもしれない。
三脚
しっかり目にマクロ撮影するなら三脚を。一眼レフ対応のミニ三脚が手頃で良い。
一脚
一脚もなかなか役立つ。