Tamron SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO Model A09
コスパ抜群の大口径標準ズーム
- フルサイズ用
- ハイグレード
- 標準レンズ
- ズームレンズ
- AF
- 焦点距離28-75mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF32
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成14群16枚
- 最短撮影距離0.33mm
- 最大撮影倍率0.25倍
- 最大径73mm
- 全長92mm
- 重量510g
- フィルター径67mm
K-1発売を機に試してみたくなった一本。
コストパフォーマンス抜群の良レンズ。
- シャープさやボケ味など大口径の標準ズームとして期待通りの性能
- クォーターマクロ相当の接写能力
- 安価でコストパフォーマンスが高い
- 信頼性・耐久性に不安あり?
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
価格を考えると何の文句も出ないしっかりとした写りで、正直言って期待以上の性能。
開放の写りが特に魅力的で、ピント面はシャープながらも程よい柔らかさが感じられる素直な写り。ボケ味もかなり良好。
さすがに隅は荒れて見えるが、その手前の周辺部まではほぼ問題なく、周辺に被写体を置く構図でもよく写る。こういった点に関してはAPS-C用のエントリー向けレンズや高倍率ズームとは一線を画す安定感がある。
絞るとカリっとしてクッキリとした写りに。F5.6からF8まで絞ると最もシャープになる。
F11辺りまで絞ると回折の影響が出てくるものの、四隅はF8よりも安定するため、風景を隅々までしっかり写したい場合などは一番バランス良く写る。F16まで絞っても画質の低下は少ない。
ピント面を外れたところから自然にボケていくレンズなので、ピントをわずかに外したところが返って柔らかで上品に写ったりする。
逆に絞ってジャスピンだと、やや線が太くてカリカリすぎるように感じてしまう面も。
大口径のレンズなので逆光ではゴーストもやや出やすいが、他の同スペックのレンズと比べて特段悪いとは感じない。
歪曲はズームレンズなりにそこそこ目に付くが、色収差も含め大きくは気にならず、なかなか優等生なレンズであるように思う。
使い勝手
F2.8の明るさで広角から中望遠までカバーしており、寄って大きく写すことができるレンズのため、なかなか高い汎用性を持つ。明るさ故にファインダーが見やすいのも良い。
またF2.8通しの標準ズームにしてはコンパクトで軽量とあって、ハンドリングも良くフットワークを損なわない。
AF速度は格別速いわけでもないが遅いわけでもなく、最短から無限遠までフォーカスが動いても特にストレスはない。
精度に関しては購入時は前ピンだったものの、タムロンで調整してもらってからな何の問題ない。
APS-Cでは換算約43mmから115mmの標準から長めの中望遠までをカバーしたズームレンジとなる。
これは広角レンズと組み合わせると悪くないコンビネーション。
携帯性
フルサイズに対応したF2.8通しの標準ズームとしては最小クラスの大きさと重量。
スペックから考えればかなり良好と言える。
総評
廉価なレンズでありながらフルサイズの高画素機でも問題なく使える性能を持っていて、コストパフォーマンスは抜群。
F2.8の標準ズームとしては携帯性が良いので、普段使いの標準ズームとしても優れている。
高価で重いレンズのように際だった性能を持つわけではないが、素直な写りで十分な描写力を持っており、標準ズームとしてはかなりの接写ができるなど使い勝手も良い。
ただ新品でもピントがずれていることが多いレンズなので、入手したらまずピント調整には出した方がいいだろう。
今後の耐久性次第でもあるが今のところ満足度は100点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WRとどちらにするか
同じタムロンの血を引く新型の後継レンズ。
よりクリアで細やかな表現力を持っている。
標準ズームで可能な限り高い画質を求めるならばDFA24-70が第一候補となるだろう。
広角端が24mmスタートになっているのも大きい。簡易防滴で信頼性も高い。
ただし価格も高価でサイズや重量もそれなりのものになるため、コストパフォーマンスやフットワークを重視するならA09を採るのも良い選択。
HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WRとどちらにするか
フルサイズ用のお手軽標準ズームとして競合するレンズ。
風景撮影なら明るさは重要ではないので、解像力が高くズームレンジの広いDFA28-105の方がいいだろう。
簡易防滴もついているので野外の天候の変化にも対応しやすい。
人物や犬猫、花などを写す機会が多いならばF2.8の明るさ、接写性能、ボケ味などの観点からA09がオススメ。
価格も安くやはりコストパフォーマンスが高い。
このレンズに関するメモ
メンテ&使用記録
調整 2016/05
購入してすぐに調整に出した。
前ピンということで調整されて帰ってきて、以後は快調。
しばらく使っているうちにまたピントが狂ってくると言う話も聞くので、保証が切れる直前にまた調整に出したい。
関連用品
フィルター
F2.8通しの標準ズームとしては小さめの67mm径。
APS-CではDA★50-135やDA★60-250など、フルサイズではSigma 35mm F1.4 DG HSM Artなどと共通。
ステップアップリング
DFA★70-200やDA★200、DA★300といった望遠レンズが77mm径なので、それとの共用に67mm-77mmなどはいいだろう。