pentax memo

Tokina AT-X 840 AF II

驚くほどのコンパクトさと驚くほどのフレア


コンパクトさに惹かれて手に入れた一本。
凄まじいフレアが楽しい物好き用のレンズ。

満足度 70

強み
  • フルサイズ対応の超望遠ズームとしてはかなりコンパクトで軽量
  • 逆光での非現実的な写りが面白い
  • 三脚座が付属している

弱み
  • 非常に逆光に弱い
  • 鏡胴が自重で勝手に伸びる
  • フード着脱時にフォーカスリングが回る
最終更新: 2013-12-01

実際に使用してのレビュー

描写の傾向

逆光に弱いというかもう光に弱いというレベルで、順光や日陰ですらフレアっぽくなり画像が眠い。
シャープネスを思いっきりかけてもカリカリにならないほど。

逆光で撮ろうものなら霧に包まれたかのような景色。
これはこれで面白いのだが、常時使いやすいとはとても言えない。

望遠端開放はソフトフィルターをかけたかのような写りで、フレアと相まって非常に柔らかい描写になる。
広角に行くほどシャープになるが、それでも開放はやはり柔らかい。
F8〜F11くらいに絞って使うのが無難だが、絞ったとしてもフレアが気になることが多い。

しかしながら時折見違えるようにシャープに写ることがあり、おそらく光線状態が良かったということなのだろうが、だとすればこのレンズにとって良い光線状態を得るのは容易ではない。ちょっと角度を変えるとフレアが出たり出なかったり。この気まぐれにつきあうのはなかなか大変だ。

ボケ味はさほど悪くないがざわついて見えることもしばしばあり、いくらか癖があるかなといったところ。

使い勝手

ズーミングで鏡胴が伸びるのは別にいいのだが、前玉を下に向けるとすぐに重力に負けて最大まで伸びてしまう、というのはいささか弱すぎるのではないだろうか。カメラを下ろすたびに400mmになってしまう。
ズームロックは付いているが収納時しか使えないのであまりありがたいと思ったことがない。

またフードの着脱時にフォーカスリングが回るのはいただけない。おかげで着脱がかなりやりにくい。

AFはK-5の強力なボディ内モーターを持ってすれば十分に速く、精度にも問題はない。静物やゆっくり動く物に関しては満足のいく性能。
暗いレンズのせいかファインダーを通して見た景色は若干暗く、MFはやりづらそうだ。

最短撮影距離が長いのは残念。

三脚座は締め付けネジを緩めることでタテヨコの切り替えが素早くできて良い出来。

携帯性

フルサイズ対応の80-400としては驚くほど軽量コンパクトなレンズで、それがこのレンズのセールスポイント。
DA★50-135やDA★200と同等程度の長さと言うのは素晴らしい。

三脚座は取り外しできないがコンパクトで特に邪魔にはならない。

総評

オールドレンズってこういう感じなのかしら。
旅用にどうかと思って手に入れてみたが、描写が安定しないので記録写真には決定的に向かない。使いどころ次第では面白いかも、と思わせる描写ではある。
常時カスタムイメージほのか状態と心づもりすればいくらか使いやすいか。

しかし主に使い勝手の悪さで大きく減点。

満足度は70点。

このレンズに関するメモ

初代とIIの違い

三脚座の有無。

メンテ&使用記録

売却 2012/03

面白レンズとして確保しておいたが、防湿庫から押し出されてドナドナ。

関連用品

フィルター

72mm径。
Kマウントでは少ないサイズで使い回しは難しい。

ケンコー Zeta EX サーキュラーPL
ケンコー PRO1D プロND8(W)
ケンコー PRO1D Lotus ND32

F値の変化  
80mm 4.5
230mm 5.6
400mm 5.6

参考リンク

Tokina AT-X 840 AF IIで撮った写真

PENTAX K-5 II s
1/200s f/5.6 ISO1600 150.0mm
PENTAX K-5
1/500s f/8.0 ISO400 400.0mm
PENTAX K-5
1/250s f/5.6 ISO3200 400.0mm
PENTAX K-5
1/160s f/8.0 ISO200 80.0mm