COSINA VOIGTLANDER NOKTON 58mm F1.4 SLII
色ノリ鮮やかさが際立つ銘レンズ
- フルサイズ用
- ミドルグレード
- 標準レンズ
- 単焦点レンズ
- MF
- 円形絞り
- 絞り環
- 焦点距離58mm
- 最小絞りF1.4
- 最大絞りF16
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成6群7枚
- 最短撮影距離0.45mm
- 最大撮影倍率0.17倍
- 最大径65.9mm
- 全長47.5mm
- 重量320g
- フィルター径52mm
いつの間にか防湿庫に生えていた一本。
色ノリがよいという言葉の意味を分かりやすく教えてくれるレンズ。
- 色ノリが良く、コントラストが高くメリハリの効いた写り
- スムーズで美しいボケ味
- ピントリングの心地よいトルク
- 開放で周辺減光がかなり大きい
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放では柔らかく、絞ればシャープにと大口径のレンズによくあるキャラクターをしている。
それに加えてとにかくたまらない色ノリの鮮やかさがこのレンズの特徴。
開放では被写体の周りにフレアが出て柔らかい写りだが、芯はしっかりしており単なる甘い写りとはひと味違った繊細な描写を見せる。
絞ればフレアが消えて素晴らしくシャープに。コントラストが高く立体感もよく出るため、絞ってパンフォーカスにしても個々の被写体が素晴らしい存在感を放つメリハリのきいた写りをする。
ボケに関しては開放付近で中途半端にぼかすと丸ボケの周りに輪郭が出てうるさく感じることもあるが、基本的にはやわらかく良好なボケ味。
逆光にも強く、歪曲や色収差が気になることもほとんどないので使いやすい。
フルサイズでは開放の周辺減光がかなりあるが、APS-Cではほとんど感じられない。
使い勝手
フルサイズでは58mmの少し望遠よりの標準レンズ。扱いやすくスナップなどにも好適。
APS-Cでは換算85mm付近の中望遠レンズとなるため、ポートレートレンズとしてうってつけ。
AFはついていないが、軽くかつスムーズに回るピントリングのおかげでMFの操作は心地よい。
明るいレンズなのでピントの山も見やすく、快適に撮影を楽しむことができる。
携帯性
十分にコンパクトで扱いやすい。
大きさ重さともに気軽に持ち出せるレベル。
総評
満足度は120点。
開けて良し、絞って良し。
ノクト(夜)という名を冠してはいるが晴天でも鮮やかな色ノリとコントラストで被写体の質感を艶っぽく表現してくれる。絞り開放から芯のある描写をするので名前通り夜景などにも強そうだ。
これは正直銘玉。
ペンタックス用は生産終了というのが本当に残念だが、中古を探し出して使う価値はある。マニュアルレンズということもあり安価で、描写力の費用対効果は相当高い。
購入に関するアドバイス
似たレンズとの比較
色乗りとコントラストにかけてはちょっとこれ以上のレンズはなかなかない気がする。
smc PENTAX-DA★55mm F1.4 SDMと比べて
開放のフレアの量がDA★55の方が少なく、開放からシャープにより見える。ただし開放に柔らかい表現を期待すると少々物足りなくもあり、この辺りは単純な優劣ではなく、好みや使いどころ次第でチョイスが分かれるところかと。
またAFが使えるというのはやはりスナップには便利である。
COSINA Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZKと比べて
どちらも単焦点でしかもわざわざMFを使うだけの価値のある描写力を持っている。
NOKTONの方がメリハリがはっきりしていて、Planarの方はそれに比べると優しい印象の描写。
どちらを採るかはお好みで。
このレンズに関するメモ
EXIFの焦点距離
ペンタックスだとこの手のマニュアルレンズは焦点距離を手動で選択することになるが、58mmが選択できず60mmの選択肢もないので、EXIFの焦点距離が55mmになってしまう。
ほぼ実害はないが写真を管理する上で若干微妙。
最近は現像前にexiftoolで58mmに直しているが、昔のものを直すのはやや面倒。
と言うわけでこのページの写真にも55mmのままのものが載っている次第。
関連用品
フィルター
58mm径。準広角〜中望遠の大口径レンズに多い大きさなので持っておいて損はないかも。
現行の純正だとFA31、DA★55などが該当。