smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED[IF]
使い勝手と画質に定評のある純正魚眼ズーム
- APS-C用
- エントリーグレード
- 魚眼レンズ
- ズームレンズ
- AF
- クイックシフトフォーカス
- インナーフォーカス
- SPコーティング
- 焦点距離10-17mm
- 最小絞りF3.5-F4.5
- 最大絞りF22-F32
- 絞り羽根枚数6枚
- レンズ構成8群10枚
- 最短撮影距離0.14mm
- 最大撮影倍率0.39倍
- 最大径68mm
- 全長71.5mm
- 重量320g
- フィルター径-mm
魚眼レンズを使ってみたくて購入した一本。
面白いだけでなくしっかりとした描写力を持つレンズ。
- 魚眼ならではの独特な表現力
- すごく接写できる
- 逆光に強い
- フィルターが使えない
- 周辺部に色収差が出やすい
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
広角端では魚眼ならではの歪曲とデフォルメ効果により、大胆な表現力を存分に楽しむことができる。
一方の望遠端では歪曲がやや大きめの広角レンズといったかんじで、フレーム周辺部に直線のものが写り込まなければ超広角として違和感のない写り。
画質は思いの外高く、シャープで高コントラスト、解像力も十分に優れている。
また色乗りが良く、特に空の青さが印象的。
単なるお遊びレンズと思っているといい意味で裏切られる。
高い接写能力を活かして寄ればそれなりにボケを作ることも可能で、ボケ味も素直で扱いやすい傾向。
逆光耐性はまずまずで、ゴーストやフレアは皆無ではないがほとんどのケースで問題とは感じない。太陽をフレームインさせてもOK。
目立つ欠点としては周辺部の色収差が激しいが、これは魚眼レンズ一般にありがちなもの。味と割り切るのがいいだろう。
使い勝手
魚眼レンズでありながらズームで画角を変更できる点が何より使いやすい。
魚眼は写る範囲が広いので余計なものが入り込みやすいが、画角を変更することで微調整できるのはありがたい。
望遠に行くにしたがって歪曲が減り、超広角レンズの代わりとしても使えるようになる。
それでも歪曲は大きめなのでフレーム周辺に直線的な被写体があるとかなり歪んだ独特な描写に。これはダイナミックな表現としてはハマるが、歪みが中途半端なために今ひとつな結果になることもある。
最短撮影距離が短さを活かしてかなりの接写が可能な点も面白く、広角マクロ的に被写体を大きく写すことができる。背景の遠近感を強調して被写体を際立たせるなど、風景に限らずいろいろと使っていけるレンズ。
接写時には前玉をぶつけないように注意が必要だが、仮に多少ぶつけてもSPコーティングがあるのでいくらか安心。
ただAF時にピントリングが回るのは少々煩わしいか。
またフィルターが装着できないのは魚眼の宿命ではあるがちょっとだけ残念。
携帯性
軽量でそこそこコンパクト。携帯性はまずまず良いと言える。
常用するレンズではないが、表現に幅を持たせるプラスアルファの一本として携帯するのも億劫ではない。
総評
使い勝手のいい魚眼レンズ。
他社の魚眼レンズに比べると安価でコストパフォーマンスも良い。Kマウントで魚眼を使いたければとりあえずこのレンズを選んでおけば間違いない。
最初は少し難しいかもしれないが、使いこなしが分かってくるとやみつきになる。
満足度は100点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
広角レンズの代わりにはなる?
周辺のゆがみが問題にならない被写体であればYES。
広角の遠近効果と広い範囲を写せるという特性でダイナミックな写真を撮ることができる。
一方で歪みなく正確に写し取るような広角レンズの描写を期待するならNO。
また出目金レンズのため基本的にフィルターワークもできない。
使い方次第といったところ。
個人的には超広角にはダイナミックな表現を求める傾向が強いのでYESなケースが多い。
そんなわけで広角ズームの代わりに持ち出すこともやぶさかではない。
魚眼が使いこなせるかどうか不安・・・
とりあえず楽しんでみたらいいんじゃないでしょうか。
人気のレンズでリセールバリューも高いのでしばらく使ってみて合わないと思ったら売れば良いので。
ただ自分の場合は使い始めて3ヶ月経過したくらいで使い方が飲み込めてきて魚眼好きになったので、相性を判断する前に半年くらいは使ってみるべき。
Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM
シグマの10mmフィッシュアイはHSMのためAFが静かで動物相手に使いやすい。周辺部まで安定していてパープルフリンジも幾分低減されていたりと画質も若干高いと感じる。開放F2.8の明るさもなかなかのインパクト。
ただし重くてサイズもやや大きくなり、ズームもない。それから価格が高い。
一言で言うと画質を突き詰めるならシグマ。利便性とコストパフォーマンスなら純正。
しかし純正もかなりの画質を持っている上に価格が倍近く違うので、ズームや携帯性といった利便性を失いつつもHSMや若干の画質向上に価格差分の価値を感じるかどうかといったところ。
自分はアウトレットに巡り会う機会が無かったらシグマの魚眼は買ってなかったと思う。
シグマの15mmのフィッシュアイ
こちらはフルサイズ用なのでAPS-Cでは歪みが小さく、魚眼レンズとしてはイマイチ。
このレンズに関するメモ
使いこなし
- 上下左右に振ってみる
- 周辺に直線をもってくる
- 見上げるアングルで使ってみる
- 接写してみる
- 歪みやデフォルメを楽しむ
中央部は歪まず周辺部だけ大きく歪むというレンズなのでカメラを上下左右に振ると大きく絵面が変化する。
その際、周辺に直線的なものを持ってくると歪みが目立って魚眼らしい絵に。
ビル等の大きな建物や木立に囲まれたところで真上を見上げるというのも定番だが良い。
最大撮影倍率が0.39倍とかなり接写能力が高いので、いろいろ接写して広角マクロ的に使うのも楽しい。望遠端を使うと被写体をかなり大きく写せる。
フルサイズ機での利用
デジカメWatchのトキナー版の実写レポートにある通り14.5mm以上の望遠で普通の魚眼として使用可能。
それより広角側では大きくケラレる。
さすがに周辺画質はかなり落ちるものの、フルサイズでも魚眼レンズとしての利用は一応可能。
メンテ記録
売却 2012/03
アウトレットでシグマの10mmフィッシュアイが安く手に入ったので手放したが、ちょっともったいなかった気もしている。
再入手 2015/07
株主優待販売で安かったので再入手。
やはりこのレンズはいいものだ。
関連用品
現像ソフト
今時の現像ソフトは色収差除去とかすごい。具体的に言うとLightroomの色収差除去がすごい。
混み入った色収差には歯が立たないこともあるが、チェックボックスをポチッとするだけでかなり効く。