smc PENTAX-DA★200mm F2.8 ED[IF]SDM
緻密な描写力を誇る大口径超望遠
- APS-C用
- フルサイズ可
- ハイグレード
- 望遠レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- SDM
- クイックシフトフォーカス
- インナーフォーカス
- 防塵防滴
- SPコーティング
- 円形絞り
- 焦点距離200mm
- 最小絞りF2.8
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成8群9枚
- 最短撮影距離1.2mm
- 最大撮影倍率0.2倍
- 最大径83mm
- 全長134mm
- 重量825g
- フィルター径77mm
高精細で落ち着いた描写が好ましいスターレンズ。
高画質の望遠レンズとしては持ち運びしやすいサイズと重さで、望遠のお散歩スナップに適した一本。
200mm F2.8というスペックはズームのDFA★70-200でもカバーできるが、DA★200は携帯性と取り回しの良さが魅力。
APS-C用のレンズだがフルサイズでも何の問題もなく使える。
- 高精細かつ落ち着いた自然な描写
- 最大撮影倍率が高く簡易マクロ的な使い方ができる
- 望遠レンズとしては軽量で取り回しが良い
- ピント面前後のフリンジ(軸上色収差)が目立ちやすい
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
しっかりと解像しならがらも柔らかくしっとりとした描写でどこか温かみを漂わせるような写真が撮れる。個人的にとても好きな描写をするレンズ。
ボケが柔らかで美しく、階調も豊か。生き物や花を撮るのにとても適していると言える。そうした描写傾向とちょうど良い焦点距離とが相まってうちでは野良猫撮りのエース。
他のレンズでは背景がうるさくなるのが心配になるような状況でもこのレンズでは何の心配も無く写すことができる。ペンタックスの望遠レンズの中でもボケに関してはピカイチなのではないだろうか。
開放からしっかりとシャープな写りで、ピントがしっかり合っていれば高い解像力を発揮し緻密な描写となる。近距離の被写体ばかりでなく、遠景も周辺部まで安定して良く写るのは流石に単焦点といったところ。
ただ明るい望遠だけあって被写界深度も相応に浅くなるので、ちょっとした体の前後でわずかにピントが外れてソフトフォーカスになってしまうことも多い。
柔らかな表現を狙うときにはボケ味と相まって素晴らしい効果となるが、シャープに写したい場合は十二分の注意を払いたいところ。
ピント面の前後にパープルとグリーンのフリンジが出やすい。常に気になるわけではないが明暗差の激しい被写体では派手に出て目立つことがある。絞るとピントが合う範囲が広がるためかいくらか解消するようだ。
使い勝手
換算約300mm相当の超望遠レンズとしてはコンパクトで取り回しがしやすく、F2.8の明るさは黄昏時の撮影などに心強い。
K-5との組み合わせではAFの速度も十分に速く、何よりSDMが静かで猫が逃げないのが良い。
最短撮影距離が1.2mと短く被写体を大きく写せるので簡易マクロとしても使える、というのは撮影の幅が広がって楽しい。
望遠として距離が足りないと思う時は小さな鳥を狙うときくらいで、ほとんどの場合は不満は感じない。
携帯性
大口径望遠レンズながら長さ134mm重さ825gというコンパクトさを実現しており携帯性はまずまず。
他の望遠レンズと比較するにDA★300やDA★60-250と比べると格段によく、DA55-300と比べると少々落ち、DA50-200と比べるとかなり落ちる。
しかしDA55-300、DA50-200は画質もそれなりにとどまるものなので、そうした性能を加味するとDA★200は最も高いレベルでバランスしていると言えるのではないだろうか。
総評
これを手に入れる以前は「望遠単焦点は不便なのではないか」と思っていたが、実際に使ってみるとそんなことはなく、遠距離の被写体を切り取る望遠スナップが楽しくて仕方ない。
性能はスターレンズの名にふさわしいもので、なんと言ってもボケ味が柔らかくて素晴らしい。
それに加えて望遠にしてはコンパクトで持ち歩きも苦にならないので稼働率が高いレンズとなっている。
満足度は120点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-DA★60-250mm F4ED [IF] SDMとどちらにすべきか
ズームが不要ならばDA★200の方が良いが、ズームのDA★60-250の方がつぶしがきくので汎用性は高い。
ただ望遠端50mmの違いはDA★60-250がインナーフォーカスのため近接の被写体ではほとんど写せる大きさに違いがないので、多くの被写体でそれほど差が付かない。というか最大撮影倍率はDA★200の方が高いのでむしろ大きく写せる。
DA★200のコンパクトさは大きく、両方持っていると持ち出す機会はDA★200の方が多い。
DA★60-250を持ち出すのは特定の被写体を撮ることが決まっているが、距離感がよくわからない時など。そういう場合はズームの方が失敗がない。
smc PENTAX-DA★300mm F4 ED[IF]SDMとどちらにすべきか
コンパクトさやボケの柔らかさを重視するならDA★200を。
切れ味や大きく写すことを優先させるならDA★300の方が楽しい。
DA★300だと野良猫相手に構図を決める際などに大きく写りすぎる(調整のために遠ざかると遠すぎて周辺まで含めた様子が分かりづらい)と感じることもあり、自分の良くある用途ではDA★200の方が使いやすいと思っている。換算300mmというのは扱いやすいものなのですね。
一方で鳥などを相手にする人はDA★300が使いやすいと思う。より大きく写せる上にトリミング上等のレンズでもあるし。
smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6 ED WRはどうか
DA50-200は更にコンパクトなので機動性を重視する場合はDA50-200が適している。ただし迫ってくるような画質が欲しければDA★200の方が正解となる。
このレンズに関するメモ
メンテ&使用記録
開放画質の再評価 2014/04
開放は少し柔らかいと思ってたけど、きちんとピントが合ってればしっかりシャープだなー、と認識を改めた。
フルサイズ機での利用
開放でも隅々までしっかりと解像する。
何の問題もなく使用可能と言っていい。
公式の製品ページではフルサイズ対応とうたわれてはいないが、2019年のKマウントロードマップではDA★300とともにフルサイズのイメージサークルをカバーするレンズとして表記がある。
関連用品
フィルター
超望遠での風景撮影をするならPLフィルターは欲しいところ。最短撮影距離を活かしたマクロ的な花や緑の撮影にもよさげ。
77mm径は現行レンズで使い回しが効くレンズが多いので割のいい投資になるはず。
ステップダウンリング
77mm-67mm、67mm-58mm、58mm-49mmを多段にかまして49mm径のフィルターを使ってもなんとケラレなし。
49mm径最強伝説!
ただし口径が狭くなる分光量が落ちるのでシャッタースピードが稼げず手ブレや被写体ブレには弱くなる。フィルターを付けなくてもステップダウンリングだけでNDフィルターのような効果が出せる、とも考えられる。
ちなみに77mm-49mmのステップダウンリングは多分市販されていない。
テレコン
新しく出た1.4xテレコンを付けると280mm F4というサンヨンに近いスペックとなる。(画質はもちろん及ばないが)
画質、AF速度ともに大きな劣化はなく実用的な組み合わせ。
純正の1.7倍テレコンを付けると340mmという長さになり、より遠くの被写体を狙えるようになる。
このテレコンも画質的には問題はないが、ある程度マニュアルでざっくり合わせて最後の仕上げにAFを使うという半AFになるので使い勝手は大きく落ちる。
HD DA AF REAR CONVERTER 1.4x AW
F AFアダプター 1.7X
三脚
遠景もしっかり写るので三脚を使って風景撮影にも。
超望遠域までカバーするレンズなので少なくとも中型以上がおすすめ。
雲台
雲台も三脚に見合った中型以上の物が必要。
一脚
一脚のサポートがなくても手持ちで軽快に使えるレンズだが、曇天や黄昏時には一脚があると心強い。
カメラバッグ
内寸高20cm程度のバッグでカメラに到着したまま収納可能。
内寸高28cm程度ならば更にフード順付けで収納できる。
Lightroom
派手に出たパープルフリンジもさくっと消せる。