smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6 ED WR
簡易防滴とコンパクトさでアウトドアに最適な望遠ズーム
- APS-C用
- エントリーグレード
- 望遠レンズ
- ズームレンズ
- AF
- クイックシフトフォーカス
- SPコーティング
- 簡易防滴
- 焦点距離50-200mm
- 最小絞りF4-F5.6
- 最大絞りF22-F32
- 絞り羽根枚数6枚
- レンズ構成10群11枚
- 最短撮影距離1.1mm
- 最大撮影倍率0.24倍
- 最大径69mm
- 全長79.5mm
- 重量285g
- フィルター径49mm
何故かFA28-200との比較が気になって手に入れた一本。
描写力はそこそこだが望遠ズームとは思えないコンパクトさに簡易防滴がナイスなレンズ。
- 軽量コンパクトで非常に取り回しが良い
- 中望遠〜超望遠の入口までの汎用的な画角をカバー
- 価格が安い
- 開放でやや眠い画質
- 遠景の解像力などはやや物足りない
- AFが迷うとやや遅い
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放の描写はややゆるめで、最大限のシャープさやコントラストを出すにはF11くらいまで絞りたいところ。
とは言えその開放でも実用的な描写力は持っており、近接の被写体などは思いの外良く写ることも多い。
開放では周辺減光もやや大きいが、被写体を際立たせるための効果として扱えばゆるさと相まって味のある雰囲気が出る。
なのでむしろ開放をどんどん使っていくというのもひとつ。
一方で遠景や遠距離にあるものを写そうとすると絞っても物足りなさを感じる。
まあこのあたりは価格を考えると贅沢言うなという点であるが。
ボケ味に関してもまずまずで、寄れる望遠レンズなのでF値がそれほどでなくても大きなボケは作りやすく、ボケを活かした表現も十分に楽しめる。
逆光耐性や色収差に関してはかなり良好で、このレンズの長所と言える部分。
歪曲に関しては望遠側に行くに従って糸巻き型の歪曲が見られ、周辺部に直線的な被写体を持ってくるとまれに気になることがある。
使い勝手
コンパクトかつ簡易防滴ということでK-5やK-30のような防塵防滴のボディと組み合わせると旅や登山で使いやすい。
機動力を活かして多くのシャッターチャンスをものにできれば良い写真を撮ることもできる。
200mmのレンズとしては寄れるレンズで、クォーターマクロに迫る最大撮影倍率もいいかんじだ。
一方で50mmのレンズとして考えると寄れないレンズになるので、50mmでちょうど良いと感じた手近な物を撮ろうとするとしばしば一歩下がる必要があったりする。
DA55-300やDA★60-250の広角端ではこうした引っかかり感じたことがないので、これは望遠レンズを扱っていると言うことを忘れてしまうほど小さいということの裏返しだろうか。
K-5との組み合わせではAFは普通の速度。ピントリングの回転角が約180度と大きいためAFが迷って最短から無限遠まで往復したりするとかなり待たされる感があるが、大抵の場合は不満を感じない速度で合焦してくれる。
ズーミングやフォーカシングで鏡胴が伸びるが、もともと軽量なので伸びても重心が不安定になるようなことはない。
ただしできる限りシャープに写そうとするとF11程度まで絞る必要があるため、光量不足の環境ではしばしばままならなさを感じる。特に望遠はシャッター速度が欲しくなるので。
携帯性
望遠レンズとしては軽量コンパクトで携帯性は素晴らしい。このレンズ最大のアピールポイント。
他社の同クラスのレンズと比べてもダントツで小さい。
細身なので手の中に気持ちよく収まり、使用時の取り回しも良く、もちろんバッグへの収まりも申し分ない。
総評
描写力はともかくクラス随一のコンパクトさが可愛いくてなんだか持っていると愛着がわいてくる。
中望遠から換算300mmの望遠までのよく使うレンジをカバーする望遠ズームで、被写体をそこそこクローズアップすることもできるなど、コンパクトさと相まって使い勝手はかなり良い。
上位のレンズのようなシャープさや解像力を求めなければ描写力もまずまずといったところで、時々「おっ」というような描写も見せてくれる。
満足度は90点。
携帯性と簡易防滴を特に重要視する人にとってはオンリーワンのレンズになる。その場合はもっと満足度は高くなるだろう。
また価格が圧倒的に安いので安価な望遠レンズの選択肢として存在意義がある、といったところか。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 EDと比べて
比較対象の本命はこれだろうと思う。
安価な望遠レンズが欲しければ正直DA55-300の方がオススメ。価格は少々高くなるが描写力の差を考えるとコストパフォーマンスはDA55-300の方が高い。
コンパクトさと簡易防滴が譲れないというのであればDA50-200 WRにするといいだろう。
またAF速度もDA50-200の方が多少速い。
HD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WRと比べて
無印DA55-300から更に性能アップした一本。
簡易防滴もついたので、DA50-200 WRのアドバンテージはコンパクトさと価格だけになった。
しかしそのアドバンテージが決して小さくはないのだが。
smc PENTAX-DA★60-250mm F4ED [IF] SDMと比べて
価格と大きさが全然違うが、性能も全然違う。防塵防滴、静かで速いAF、明るさ、描写力等々。
そういうわけで価格と大きさが許容範囲ならDA★60-250の方をオススメしたい。
とにかく望遠はシャッタースピードを稼ぎたいので開放のF4からシャープに写るというのは価値が高い。
サードパーティ製
シグマの50-200はHSMなのでAFが静かという利点があり、色乗りはアッサリだがシャープといった性格のようだ。
ほか同価格帯にシグマの70-300があるが、世評を聞く限り描写力はDA50-200と大差はなさそう。
とりあえずコンパクトさでDA50-200に勝るものはない。
簡易防滴やクイックシフトフォーカスといった利点もサードパーティ製のこのクラスのレンズにはないもの。
上記のメリットを求めるならDA50-200、性能を求めるならシグマの50-200で、望遠が長い方がよければ70-300といったところだろうか。
smc PENTAX-DA 18-270mm F3.5-6.3 ED SDM
価格が高く簡易防滴とクイックシフトフォーカスが付いていないが、それらが問題にならなければレンズ交換無しに広角〜望遠までカバーするこちらの方が使い勝手的に良いかもしれない。
画質も多少落ちるが、画質にこだわるならDA50-200 WRもどうかと思われるので。
その他の高倍率ズーム
昔の高倍率ズームはこのレンズよりも描写もサイズも大幅に良くないが、最近の高倍率ズームは良くなっている。
DA18-270同様、使い勝手重視で高倍率ズームを選択する手もありだろう。
このレンズに関するメモ
フルサイズ機での利用
ズーム位置、フォーカス距離を問わずに全域で大きくケラレる。
このレンズはクロップで使うほかない。
もっとも逆に言うとAPS-Cクロップで使えば問題はないので、いつでも携行できる望遠ズームとしてアリな組み合わせだろう。
メンテ&使用記録
売却 2013/01
手に入れてから一月のスピード売却。
再購入 2013/10
アタリ玉を求めて再購入なんてヤクザなことをしてしまった。
ネットや書籍で作例を見ているとなんか自分の持っていた個体じゃあり得ないような良い写りをしているものがあったりするので。
ああ、今回もやっぱりだめだったよ。
再評価 2013/12
いや、シャープさを求めなければそんなに悪くないんじゃないかと思い始めた。
コンパクトで可愛いし。
再々評価 2014/11
近接の被写体を写す分には思いの外良く写ることも多いなと。
あとやっぱりコンパクトさが際立つ。
関連用品
フード
DA40のフジツボフードを付けることでコンパクトさがブーストされていいかんじに。
絞り開放時の周辺減光がきつくなるが、もともと開放では周辺ゆるめなのでまあいいかなと。絞ったときにはなんの問題もない。
ただストロボ使用時に広角側でケラレる。
フィルター
49mm径はリミテッドレンズの多くと共通で使い回しがしやすい。