smc PENTAX-FA☆85mm F1.4 ED[IF]
鋭いキレ味と柔らかなボケ味が同居する素晴らしい中望遠
- フルサイズ用
- ハイグレード
- スターレンズ
- 標準レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- クイックシフトフォーカス
- SPコーティング
- 防塵防滴
- 円形絞り
- 焦点距離85mm
- 最小絞りF1.4
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成7群8枚
- 最短撮影距離0.85mm
- 最大撮影倍率0.11倍
- 最大径79mm
- 全長70mm
- 重量550g
- フィルター径67mm
一度は試さねばなるまいと手に入れた一本。
スターレンズらしいキレのある描写と素晴らしいボケ味が印象的な中望遠レンズ。
- 開放から解像力が高くシャープで高精細な描写
- ポートレートに申し分の無い素晴らしいボケ味
- AF精度がいまひとつ
- すでにメーカー修理ができない
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
開放からシャープでクリア。それでいてカリカリのシャープとは違って適度な柔らかさも感じる上品な描写をする。
85mmの単焦点というとポートレート用途のレンズという頭があるが、それ以外の用途でも使いやすい画質。高い解像力にキレの良い画質は遠景に用いても良く写る。
切れ味だけでなくボケ味も素晴らしく、ピント面を外れたところからふんわりボケていく。ピントをわずかに外れたところはいきなり甘くなるのではなくフレアのベールがかかったように線を残しつつボケていくので、わざとアウトフォーカスにすると柔らかく繊細な表現を得られる。
ピント面前後のフリンジは最近のレンズに比べると相対的に気になるが、基本的にはよく抑えられていて開放でもそこまで派手には出ない。
気になる場合は少し絞れば解消する。
周辺減光はフルサイズ開放ではそれなりに目に付くが、二段ほど絞ればほぼ気にならない。APS-Cでは開放から全く問題なし。
歪曲に関してはフルサイズでもほぼ歪曲フリーと言っていいほどによく抑えられている。
使い勝手
フルサイズで85mmはポートレートに最適。スナップレンズとして利用するにも注視した部分を自然に切り取るのにちょうど良い画角となる。
一方APS-Cで使うと換算130mm程度の画角になるので、中望遠というよりもう望遠に近くなり、使い勝手は大きく変わる。
AF速度はK-3以降のボディモーターが強化されたボディではかなり高速。それ以前の機種でも不満のない速度だ。
しかしその精度はやや微妙で、AF頼みで気軽に使う場合は少し絞るか、AFをやり直しつつ何カットか撮っておくのが無難。
ピントリングの感触はスムーズでMF操作も快適。
クイックシフトフォーカスには対応していないが、ピントリングには手前に引くとMFに切り替わるようになっていて、AF/MFの切り替えはまずまずやりやすい。
最大撮影倍率が低めでクローズアップ撮影は苦手。
携帯性
携帯性は可も無く不可も無く。
フルサイズ用の大口径中望遠と言うことでさすがにコンパクトとは言えないが、最近の巨大化したハイグレードのレンズを思えばむしろ携帯性は良いくらいに思える。
総評
K-1の登場にともなって本来の中望遠の画角で使えるようになった。
加えてF1.4の明るさと素晴らしいボケ味によって最高のポートレートレンズとなっている。
満足度は100点。
人物撮影を主とする人にとってはもっと満足度が高いだろう。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limitedとの比較
FA☆85の方がクリアでキレがある。
両方ともボケ味は素晴らしい。
FA77の方が圧倒的にコンパクトなので、常用レンズとして使いやすいのはFA77かもしれない。
HD PENTAX-D FA★85mm F1.4 ED SDM AWとの比較
凄まじい光学性能を持つ新世代のスターレンズ。四半世紀の差はさすがにある。
そしてお値段もサイズも重量も凄まじいものとなっている。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
FAスターレンズに多い67mm径。
遠景も素晴らしくシャープに写るのでフィルターワークもしがいがある。