smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited
これぞ銘玉
- FA Limited
- フルサイズ用
- ハイグレード
- 広角レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- 絞り環
- 焦点距離31mm
- 最小絞りF1.8
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成7群9枚
- 最短撮影距離0.3mm
- 最大撮影倍率0.16倍
- 最大径65mm
- 全長68.5mm
- 重量345g
- フィルター径58mm
銘玉揃いのFAリミテッドシリーズの中でも最も評価が高いレンズ。
Kマウントを代表するレンズと言っても過言ではない一本。
リミテッドレンズは性能よりも味を求めるコンセプトで作られていると言うが、FAリミテッドに関して言えば光学性能も素晴らしいものになっている。
画角の好みや撮影スタイルなどで合う合わないはあるにしろ、ペンタックスユーザーなら一度は試してみるべきレンズと言えるだろう。
- シャープで高コントラストかつ解像感の高い印象的な描写力
- 軽量コンパクトでありながらハイグレードの描写性能を持つ
- リミテッドレンズならではの高い質感
- 一体型フードは干渉するPLフィルターがある
- クイックシフトフォーカスに対応していない
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
被写体を印象的にとらえる表現力
F1.8の明るさとボケの美しさ、シャープな写り、それに被写体の存在感を強調するコントラストの強さと精緻な描写はラスボス級。
FA77と同様に何気ない写真がいい写真になってしまう反則レンズの類。
優れた光学性能
フルサイズでも隅々までしっかりと解像し、歪曲や色収差が気になることもまずない。
性能ではなくレンズの味を指向したリミテッドレンズのくせに光学性能的にも申し分が無い。
逆光耐性はまずまず
極端な逆光ではゴーストもフレアも出ることはあるが、ゴーストは激しく出るというほどではないし、フレアが気になることもごくまれ。
強い光源が複数ある夜景などでもゴーストが目に付くことが少ないことから、むしろ強い方なのではないかとすら思うこともある。
使い勝手
扱いやすい広角31mm
フルサイズでは定番の28mmに近い広角。ぱっと見渡した視野と画角が近いため使いやすい。
絞り環で絞りを操作できる
Aポジションがあるので一般的なレンズと同様にカメラ側で絞りを制御することが可能だが、お好みで絞り環を使って絞りをコントロールすることもできる。
また絞り環でしか絞りを操作できない古いフィルムカメラでも使うことができるといった利点も。
クイックシフトフォーカスには非対応
ささいな欠点だがクイックシフトフォーカスに対応していないのは少しだけ残念。
携帯性
リミテッドレンズの中では大きい方だが十分に軽量コンパクト
フルサイズ対応の明るい広角としては今時破格と言っていいサイズで、どこにでもお供に持って行ける。
総評
満足度は120点
三脚を使った風景撮影をするような時には必ず持ち出したい勝負レンズでもあるし、日常のスナップにも使える気軽なレンズでもある。
フルサイズでも期待通り!
結局はこのレンズに行き着くので最初に買うべき、といった意見もあるが、あながち間違ってはいないと手に入れてからすぐに実感したし、使い込むほどにその気持ちが強くなってきている。
奇跡のようなレンズだ。
購入に関するアドバイス
何を悩むというのですか。
入手性について
HD版の発売により生産終了となり、新品在庫は見つけるのが困難となっている。
発売されてからかなり時間が経っていて人気のレンズなので中古の玉は多い。
類似または関連するレンズとの比較
他のFAリミテッド
smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limitedとsmc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limitedとどれにするか悩んでいるんだけど
どれを買っても満足できるはず。
むしろ全部買えばいいと思いますよ!
とりあえず汎用的に使いやすいのはFA31なので、用途が絞れていないようであればFA31で良いかと。
このレンズに関するメモ
APS-Cでの利用
APS-Cでは換算47.5mmと標準レンズの画角となり、これはこれで使い勝手が良い。
デジタル化でAPS-Cが一般的なフォーマットになって新しい魅力を得たレンズと言える。
また後述のウエポン化で逆光耐性を高めることができる。
ウエポン化
逆光でのゴーストがどうしても気になる人は、APS-Cの場合のみだが延長フードを取り付けるという回避策がある。
詳しくはググってください。
当初は工作スキルの高いユーザーが自作で作っていたもので、一時はヤフオクでキットも売っていた。
関連用品について
フィルター
他のリミテッドレンズと違い49mm径ではなく58mm径。
純正ではDA★55やDA55-300などと共通。ツァイスのレンズにも何本か58mm径のものがある。
風景撮影にも非常に向いているレンズなのでPLフィルターやNDフィルターは揃えておきたい。
PLフィルターに関してはケンコーのZetaシリーズのように操作リングがフレームより出っ張っている物はフードと干渉する。マルミならとりあえず問題はない。
ステップダウンリング
APS-Cで利用する場合はステップダウンリング58mm-49mmをかまして49mmのフィルターを使うこともできる。
他のリミテッドレンズとフィルターを共用できる上に、フードとの干渉を心配せずにPLフィルターも装着できる点が良い。
ただし口径が狭くなることによる光量低下もあるので、サイズぴったりのフィルターを使うに越したことはない。
ステップアップリング
一体型フードと干渉するため一切使えない。
レンズキャップ O-LC58
標準のかぶせ式のキャップが好みでない人は普通のレンズキャップも使える。
メンテ&使用記録
逆光に関する評価修正 2014/12
ゴーストが出るので問題と感じていた逆光耐性だが、今になって言うほどまでに弱くないなと感じたので修正。
色々なレンズを使ってみて思うことには、どんな状況でもゴーストレスみたいな無敵の逆光耐性を持ったレンズは非常に稀だと言うこともあり。特に明るい大口径レンズだとなおさら。