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HD PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED

HD化されても相変わらず気軽で楽しい魚眼ズーム

定評のある魚眼ズームをHD化したレンズ。
手ごろな価格で純正の魚眼レンズがラインナップされていて、しかもズームで使いやすいというのはユーザーにとってうれしい。

画質も十分しっかりしており、魚眼レンズが欲しければとりあえずこのレンズを買っておけば良い。

満足度 100
強み
  • 魚眼ならではの表現力
  • すごく接写できる
  • 逆光に強い
弱み
  • フィルターが使えない
  • 周辺部に色収差が出やすい
最終更新: 2019-12-04

実際に使用してのレビュー

描写の傾向

魚眼ならではの表現力

魚眼レンズの特徴である大きな歪曲とデフォルメ効果、広い画角がもたらす強い遠近感により大胆な表現を楽しむことができる。

シャープで高コントラストな画質

画質はシャープで高コントラスト。キワモノのレンズかと思いきや意外にしっかりとした写りを見せる。
開放では周辺部の解像はゆるめだが、F8以上に絞れば安定してくる。

空の青がきれいに写る

PLフィルターは装着できないがその分色のノリは良く、やはり青空の青さが印象的。

癖のないボケ味

ボケ味は普通というかんじだが強い癖もなく素直で扱いやすい傾向。持ち前の接写能力を安心して発揮できる。

周辺部に色収差が出やすい

周辺部にパープルの色収差が出やすく、場合によってはかなり激しく出る。
JPEGで撮っている場合は補正によってだいぶ軽減されるがそれでも幾分は目につく。

ただこの手の色収差は魚眼には付きものなのでこのレンズが特に劣っていると言うわけではない。

強力な逆光耐性

逆光耐性は良好。魚眼なので空をフレームに入れると太陽がインしやすいが特に何の問題もない。
smc版でもゴーストやフレアが気になることはあまりなかったが、HD化でさらに安定感が高まっている。

使い勝手

画角180度~100度の魚眼ズーム

180度~100度という超広角の画角レンジをカバーする。
魚眼の特徴である歪曲は広角側に行くほど大きく、望遠側に行くほど穏やかになる。

魚眼らしい歪曲の大きな描写が欲しければ広角側を主に使うことになるが、広角端の180度の画角だと自分の足などが意図せず写ってしまうことが多いので、ズームで写る範囲をわずかに狭くできるのはけっこう助かる。

望遠側は歪曲が少ないため魚眼としては物足りなくなるが、一方で普通の広角レンズのように使いやすくなる。
ただし望遠端でも画角は100度あるため、写る広さはだいたい換算16mm~20mm前後の超広角に近い。

ハーフマクロに迫る接写性能

前玉ギリギリまで寄ることができ近接の被写体を大きく写すことができる。
その最大撮影倍率は0.39倍でAPS-Cだと実質的にハーフマクロを超える倍率。

背景との強い遠近感に加えて魚眼の歪曲もうまく活かせばかなりダイナミックな表現が可能となる。

十分なAF性能

速度、精度ともに特に問題なし。

SPコーティング

接写時には前玉をぶつけないように注意が必要だが、仮に多少ぶつけてもSPコーティングがあるので安心。ただ過信は禁物。

クイックシフトフォーカス

クイックシフトフォーカスに対応している。接写時には便利。

AF時にピントリングが回るのはちょっとだけ煩わしい

レンズの先端の方を保持していると回転で気が散ることがある。
ただsmc版と違ってピントリングがゴムとなっているので、やすりのように指先を削られる心配はない。

フィルターを利用することができない

出目のレンズのため一般的なねじ込み式のフィルターを装着することができない。
角型フィルターなら使えるかもしれないが広角端の180度ではケラレる可能性が高いだろう。

EXIFがsmc版のまま

smc版と区別がつかないのでPCで写真管理する際に不便。
自分はexiftoolで書き換えているが少し面倒かつ忘れてしまうこともあり。

今後のロットではファームアップなどで改善されるといいのだが。

携帯性

軽量コンパクトで携帯しやすい

smc版と変わらず軽量でそこそこコンパクト。携帯性はまずまず良いと言える。
常用するレンズではないが、表現に幅を持たせるプラスアルファの一本として携帯するのも億劫ではない。

総評

満足度は100点。

使い勝手のいい魚眼レンズ。HD化によって劇的とまではいかないが順当な性能向上が見られる。

コストパフォーマンスの良さはHD化されても変わっておらず、smc版と相変わらずKマウントで魚眼と言えばこのレンズを選ぶのが手堅い。
最初は少し難しいかもしれないが、使いこなしが分かってくると非常に面白いレンズ。

購入に関するアドバイス

入手性について

バリバリの新製品。供給も安定しており問題なく手に入る。
発売されて日が浅いため中古は玉数が少ない。新品との価格差も少ないので基本的には新品での購入をオススメする。

類似または関連するレンズとの比較

smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED[IF]

HD版のもととなった旧版。HD版の発売にともなってディスコンとなっている。

smc版からHD版への変更内容は以下の通り。

基本的にはHD版の方が優れているが、smc版は中古で半額ほどで買えるのでコストパフォーマンスが良い。

等倍で画質を見るとHD版の方が一皮剥けたようにスッキリとヌケもよい。画面全域で解像力の安定性が増している。ただ鑑賞サイズで全体を見たときに劇的に変わっているかというとそうでもないので、中古に抵抗がなければsmc版も悪くない選択だろう。

Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM

かつてシグマから出ていた単焦点の魚眼レンズ。
ズームの利便性はないが開放がF2.8。画質面では単焦点の優位があり解像力が高い。あと価格も倍以上高い。

このレンズをF4.0まで絞ると画面全域でHD DA10-17のどの絞りよりも高い解像力を発揮する。
周辺画質の安定性にも顕著な差があり、F2.8の時点ですでにHD DA10-17のF5.6よりも安定している。

色収差に関してはそれほど変わらないが、JPEG撮って出しの場合はボディによるレンズ補正が効いてHD DA10-17の方が色収差が目立たない。
もっともいずれのレンズを使った場合もRAWにLightroomの色収差の除去をかけた方が強力であるが。

利便性や価格との天秤にかけて何より画質を優先するのであればこのシグマの魚眼を選ぶのがいいだろう。

買うべき人とそうでない人

買うべき
やめるべき

このレンズに関するメモ

フルサイズでの利用

ズーム位置15mm~17mmのレンジではフルサイズでケラレなく使うことができ魚眼ショートズームとして使える。ただしAPS-Cのイメージサークルから飛び出る範囲の画質はあまり良くない。
フルサイズで使えば画素数は増えるもののAPS-Cで使った時よりも画質は落ちるので、基本的にはK-1装着時もフルサイズではなくAPS-Cクロップで使うのがオススメ。

フードを外して10mmで使うと円周魚眼に近い使い方ができるとのことだが、フレームの上下が切れてしまい完全な円にはならないので、個人的には使いどころがよくわからなかったりする。

幻のフルサイズ用魚眼ズーム

2019年の3月までKマウントのレンズロードマップにあったフルサイズ用の魚眼ズームがなくなってしまった。その7月、代わりとばかりにこのレンズが突如発表されて発売されたと言う経緯があり。
やむを得ないことではあるのだろうけどまあ残念だ。

参考リンク

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