HD PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited
HD化してもやはり重宝する高画質パンケーキレンズ
- FA Limited
- フルサイズ用
- ハイグレード
- 標準レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- HDコーティング
- SPコーティング
- 円形絞り
- 絞り環
- 焦点距離43mm
- 最小絞りF1.9
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数8枚
- レンズ構成6群7枚
- 最短撮影距離0.45mm
- 最大撮影倍率0.12倍
- 最大径64mm
- 全長27mm
- 重量155g
- フィルター径49mm
FA43の高い描写力はそのままに、ややクリア傾向な味付けとなったHD版FA43リミテッド。
高い性能を持つパンケーキレンズというキャラクターは変わらず素晴らしい。
smc版の比較では円形絞りやSPコーティングなどスペック的な正常進化が見られるものの、基本的には同等の描写力を持っている。
昔ながらのレンズの味わいが強いsmc版か、よりクリアでスッキリした描写のHD版かと言ったところ。
- シャープで高コントラストかつ解像感の高い印象的な描写力
- 軽量コンパクトでありながらハイグレードの描写性能を持つ
- リミテッドレンズならではの高い質感
- 寄れない(最短撮影距離が長い)
- クイックシフトフォーカスに対応していない
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
描写力は基本的にsmc版を踏襲したものとなっている。つまりコントラスト、快調、解像感、ボケ味などもろもろ変わらず、非常に素晴らしい。
HD化による目立った違いはと言うと、よりクリアな傾向の描写となっていて、味の面で言えばある意味現代的な写りになっている。
明瞭さは増したが、深みのようなものは減じているかなというかんじ。これは良し悪し。
円形絞りになったことで開放からF4までは玉ボケが角張らない点は良い。
大きく絞った際の解像力に改善がみられているのも良い。
開放からしっかりとした写りで、F5.6〜F8辺りが解像力のピークと言う点は変わらないが、F16やF22まで絞っても回折の影響が少なく高い解像力を維持している。
逆光耐性はsmc版でも十分に良好だったがHD版ではさらに強まっており、仮に出たとしても大幅に低減されている。これも良い改善点と言える。
一方で変わってなくて良かった点としてクロスフィルター要らずの光芒が挙げられる。
F11以上に絞ると太陽や夜景の街灯などに8本の光芒がきれいに出るので楽しい。
使い勝手
一般的な標準画角の50mmに比べるといくらか広い43mm。ペンタックスが言うところの真の標準画角である。
取り回しの良さも相まって気軽なスナップに好適。
一方で最短撮影距離が長く、最大撮影倍率も低めなので、寄って大きく写せるレンズに比べると汎用性は若干劣る。
AFの速度は高速で精度にも問題はない。
相変わらずクイックシフトフォーカスには非対応だが、ピントリングの感触が程良くピントの山も見やすいのでMFが楽しい。
携帯性
HD化されてもサイズ重量ともに変化はなく、ポケットサイズのパンケーキレンズ。
FAリミテッドの中でも最も軽量コンパクトで、携帯性は非常に良い。
総評
満足度は110点
HD化されてもコンパクトで優れた描写力という個性は変わらず、気軽で使いやすい標準レンズ。
個人的にはsmc版の写りの方が好みだが、こちらはこちらで非常に良い。
高画質の単焦点でありながら、大きめの広角ズームと望遠ズームの詰まったカバンの隅っこに納められるサイズのレンズはやっぱりありがたい。
購入に関するアドバイス
入手性について
現行品なので普通に新品購入が可能。
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limitedとの比較
HD版での変化は以下の通り。
- 描写がややクリアな傾向に
- 円形絞り
- 逆光耐性の向上
- 回折が大幅に低減
- SPコーティング
後継であるHD版の方がスペック的にはプラスの面が多いものの、リミテッドレンズの謳い文句であるレンズの味がけっこう変わっているので、単純に上位互換とは言えない面がある。
作例をいろいろと見るか、または実際に両方使ってみて、好みの方を選ぶのもよし、両方持って使い分けるのもよし。
このレンズに関するメモ
APS-Cでの利用
APS-Cでは中望遠と標準レンズの境目くらいの画角となり、散歩しながら目に付いたものをシュートしていく中望遠スナップに好適。コンパクトなAPS-C機とのマッチングも良好。
関連用品
フィルター
多くのリミテッドレンズと共通の49mm径。
フード
DA40のフードを装着することが可能。
シルバーにブラックのフードとかカッコイイ。
フルサイズで利用すると周辺減光が強めで若干難ありだが、APS-Cでは何の問題もなく使える。