COSINA Carl Zeiss Distagon T*2/35 ZK
クリアな描写が印象的な35mm単焦点

- ミドルグレード
- フルサイズ用
- 広角レンズ
- 単焦点レンズ
- MF
- 絞り環
- 焦点距離35mm
- 最小絞りF2
- 最大絞りF22
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成7群9枚
- 最短撮影距離0.3mm
- 最大撮影倍率0.19倍
- 最大径65mm
- 全長73mm
- 重量510g
- フィルター径58mm
コシナツァイスの中ではお求めやすい価格で使い勝手も良い定番の35mm。
クリアで切れ味が素晴らしいレンズ。
- クリアでキレの良い描写
- ピントリングのトルクが心地よい
- AFがないため咄嗟のシャッターチャンスには弱い
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
クリアでキレのある描写力
開放から驚くほどシャープでキレの良いクリアで透明感のある描写が印象的。
それでいて硬すぎるということもない自然な表現力。
ツァイスらしい発色の鮮やかさでボケも美しく、立体感もよく出る。
解像力
周辺部に関しては開放では少し落ちるものの、甘いというほどでもない。
二段ほど絞ると四隅までかなり高い解像力を見せ、遠景の風景撮影にも安心して使える。
きめの細かさではFA31やDistagon2/28に一歩譲るが、しかしこれはハイレベルな比較での話。
周辺減光
周辺減光は開放では大き目で少々気になることが多い。
トンネル効果としてうまく活かせれば開放のシャープさと相まって面白いかもしれない。
一段絞ればほぼ目立たなくなる。
安定した光学性能
逆光体制はかなり良好でフレアやゴーストが気になることはほぼない。
歪曲は弱い樽型。よく補正されていて目につくことははまれ。
APS-Cでの利用
開放から周辺まで含めて安定した解像力が得られる。
周辺減光も抑えめで、フルサイズで利用したときに気になっていた問題がほぼなくなり、より優れたレンズとなる。
使い勝手
扱いやすい準広角35mm
フルサイズでは35mmの準広角の定番の画角。
フットワークを生かせば高い汎用性を発揮できる。
広角レンズにしては寄って大きく写せる
最大撮影倍率は約0.19倍で広角レンズとしてはまずまず。
ボケがきれいなため背景がうるさくなりづらく、安心して寄ることができる。
心地よいピントリングのトルク
昨今のレンズに比べるとピントリングのトルクはやや重めで粘りがある。
しかしスムーズに気持ちよく動くのでMFが楽しい。
絞り環で絞りを操作できる
Aポジションがあるので一般的なレンズと同様にカメラ側で絞りを制御することが可能だが、お好みで絞り環を使って絞りをコントロールすることもできる。
また絞り環でしか絞りを操作できない古いフィルムカメラでも使うことができるといった利点も。
AFが使えないため咄嗟のシャッターチャンスには弱い
MFレンズでピントリングのトルクも重いため、不意に訪れたシャッターチャンスに対してはAFレンズより不利。
手ブレ補正
手ブレ補正を正しく動作させるためにカメラ起動時の焦点距離入力を間違わないように注意。
APS-Cでの利用
APS-Cでは換算約50mmと標準レンズとなる。
開放から文句のつけようのない解像力が得られることもあり非常に扱いやすい。
携帯性
他の単焦点と合わせて複数本持ち出しても無理のないサイズ
35mmでF2のレンズとしてはやや大きく重い。
とは言えF1.4クラスのレンズに比べれば全然気軽に持ち出せるレベルで、特に携帯性が悪いとは感じない。
総評
満足度は100点
ハイレベルな優等生レンズ。
クリアでキレがある素敵な写真を量産できて信頼度が高い。
相変わらず良い。
純正レンズとはまた違った描写をするのでもし入手機会があればオススメ。
購入に関するアドバイス
入手性について
すでにディスコンになっているので入手できるのは中古のみとなる。
似たレンズとの比較
smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited
焦点距離の近いレンズということで比較。とは言え4mmの違いで写る範囲も大分違うが。
結論から言うと特別な理由がなければFA31の方がおすすめ。
使い勝手で言えばFA31の方がコンパクトでAFも付いているので優れている。
描写力は近傍の被写体では拮抗するが遠景はFA31の方が高解像できめ細かく写る。
Distagon2/35の強みは開放からシャープなことと逆光に強いこと。
smc PENTAX-FA 35mm F2 AL
携帯性はFA35の圧勝だが、ルックスはDistagonの圧勝。
描写的には柔らかさのFA35、クリアさのDistagonといったところか。
どちらも描写力は高いので、好みや被写体で使い分けるのことができればベスト。
HD PENTAX-FA 35mm F2
コーティング変更でsmc版より柔らかさが抑えられたが、基本的な描写傾向は変わっていない。
よって比較内容もsmc版に準ずる
他のDistagon
焦点距離やF値的に一番近いのが2/28。
寄れることによる使い勝手の良さや、遠景解像など2/28の方が一段上と感じる。
ただクリアでキレの良い写り、ということになると2/35の方も負けてはいない。
同価格帯なのが2.8/25。
個人的には広く写せて接写もできる2.8/25の方が面白くて好き。描写力は両方とも十分以上。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
フィルター径が58mm。FA31やDA★55といった良いレンズと共通なのはいいかんじ。
Distagonの中では2.8/25および2/28と共通。
参考リンク
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