smc PENTAX-DA★300mm F4 ED[IF]SDM
驚きのキレ味を持つ最高の超望遠スターレンズ
- APS-C用
- ハイグレード
- 望遠レンズ
- 単焦点レンズ
- AF
- SDM
- クイックシフトフォーカス
- インナーフォーカス
- SPコーティング
- 防塵防滴
- 三脚座付き
- 焦点距離300mm
- 最小絞りF4
- 最大絞りF32
- 絞り羽根枚数9枚
- レンズ構成6群8枚
- 最短撮影距離1.4mm
- 最大撮影倍率0.24倍
- 最大径83mm
- 全長184mm
- 重量1070g
- フィルター径77mm
2012年の年末にキャッシュバックキャンペーンに釣られて購入した一本。
一言で言うと圧倒的なレンズ。
- 極めて高い解像力とキレのある描写
- 最大撮影倍率が高く簡易マクロ的な使い方ができる
- 超望遠としては軽量で取り回しが良い
- SDMが故障しやすい
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
ヌケがよいとかキレがあるといった言葉はこのレンズのためにあるのではないかと思えるくらい。とにかくクリアでスッキリとした透明感のある描写。
開放からシャープで非常に使いやすく、細部まで精細にしっかりと解像する。この解像力は凄まじいの一言でスターレンズの中のスターレンズと言いたくなるほど。この解像力ゆえにトリミング耐性が極めて高く、トリミングを前提とした撮影にも適する。
ボケも十分に美しく欠点らしい欠点が見当たらない。
使い勝手
ボディとのバランスもよく手持ちでも取り回しはしやすい。三脚や一脚を使わずとも驚くほどシャープに写るあたり、ペンタックスのボディ内手ぶれ補正の効き目がよく分かる。
AFも静かにピタリと決まる。動体を相手にしなければ速度も十分。よそのサンヨンと比べなければ不満はない。うちはうち、よそはよそ。比べちゃダメですよ。
最短撮影距離が1.4mと超望遠にしては短く撮影倍率が高いので、被写体を大きく写すマクロもどきの使い方も可能。
付属の三脚座も使いやすく、三脚に付けたままタテヨコを切り替えることができる。不要ならば外せるが小さいので付けたままでもそれほど邪魔にはならない。
特にこれと言って不便は見当たらないが、強いて言えばフードが若干付けにくいことが欠点・・・だったが使い込むうちに馴染んですんなり付くようになった。
携帯性
このクラスのレンズとしては最軽量の部類で手持ち撮影も難なくこなせる。
写りもそうだが携帯性の面でもサンヨンは超望遠の良心。
カメラに装着した状態では収納を選ぶが、レンズ単体なら内寸の高さ20cm程度のバッグにも無理なく入る。
総評
とにかく性能を突き詰めた一本と感じる。
超望遠の被写体を狙うときにベストを期すならば是非とも使いたいレンズ。それほどに信頼している。
簡易マクロ的な使い方もできるため、近接の被写体を写すのも楽しい。
満足度は120点。
購入に関するアドバイス
期待を裏切らないので買うべき。
類似または関連するレンズとの比較
smc PENTAX-DA★60-250mm F4ED [IF] SDMとどちらにするべきか
撮影の際に移動できる範囲が限られていて大きな動きが取れない場合や、三脚使用で画角を微調節したい時、被写体との距離が時間とともに大きく変化するような撮影ではズームレンズが便利。具体的にはスポーツ撮影や風景撮影では多くのシーンでDA★60-250の方がつぶしが効くかと。
それに対してフットワークで被写体との距離や角度を調節できるのなら単焦点でもバリエーションのある撮影ができるし、とにかく被写体をできるだけ大きく写したい場合にはトリミング耐性込みでDA★300のキレ味が光る。具体的には野鳥撮影や野生動物の撮影など。もちろん野良猫撮りにも。
smc PENTAX-DA★200mm F2.8 ED[IF]SDMとどちらにするべきか
とりあえずどちらも高解像なレンズなので単に焦点距離で選んでも問題はない。
APS-Cで言うと換算約300mmのDA★200方が風景撮影なども含めて普段使いはしやすいが、できるだけ長い望遠が欲しければ換算460mmとなるDA★300の方が断然良い。
描写で言えばDA★200は柔らかな描写で素晴らしいボケ味が魅力的。
一方でDA★300のキレもまた捨てがたい。この辺りは好みの問題となる。
また高性能の望遠レンズとして考えるとDA★200はコンパクトでステキだ。個人的には持ち出すのに必要な気合いがDA★300とは二段階ぐらい違う。
持ち歩く機会を増やしたいならDA★200の方がいいかもしれない。
smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 EDでは駄目なの?
DA55-300は安くてよく写るナイスなレンズなので、とりあえず300mmの画角を味わってみたいということであればDA55-300はいい選択。その上で静かなAFや感動的な300mmが欲しければDA★300を、と言うことになる。
HD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WRは?
HDコーティングの採用でDA55-300よりもヌケが良くなり、DA★300との差は若干縮まった。
とは言え格の差はやはり顕著でトリミング前提の撮影などでは明確な差が出る。と言うわけでDA55-300との比較と同様の回答となる。
超望遠単焦点は使いにくいのではないかと考えている人へ
遠くにある物を大きく写したいと思った時には、できるだけ大きく写したいと思うもの。そういった時にはいくら望遠が長くても足りない位なので、長すぎて困ると言うことは実はほとんどない。
また簡易マクロ的な使い方もできるので意外と汎用性がある。
このレンズに関するメモ
メンテ&使用記録
SDM逝く 2015/03
桜を撮りに持ち出したらAFできなくなってた。マウントの端子を拭いてみたりしたけど復活せず。
SDMアカンな。
SDMモーター交換 2015/04
修理代金はファミリークラブのプレミアムメンバー割引適用で13,910円也(税込)
しかしなんだか修理上がり早々モーターの鳴きが激しい。大丈夫なのか。SDM大丈夫なのか。
と、数日経ったら馴染んだのか静かになった。一応安心。
フルサイズ機での利用
開放でも隅々までしっかりと解像する。
何の問題もなく使用可能と言っていい。
関連用品
フィルター
風景撮影に使うならばPLフィルターは欲しいところ。
特に超望遠の風景撮影は、肉眼では問題なくクリアな景色に見えても写真に写すとかすんで眠く見えてしまう、といったことがよくあるが、PLフィルターがあればそうした影響を大分抑えてクリアに写すことができる。(ただしPL効果がきちんと発揮されるように使わないと逆効果だが)
77mm径は現行レンズで使い回しが効くレンズが多いので割のいい投資かと。
ステップダウンリング
ステップダウンリングを多段にかまして49mm径のフィルターを使ってもケラレなし。
ただし口径が狭くなる分光量が落ちるのでシャッタースピードが落ちてしまう。
テレコン
新しく出た1.4xテレコン、既存の1.7xテレコンともに画質劣化はそれほどなく、本来のキレが鈍るのは感じるが、被写体を同じ大きさにトリミングするとテレコンありの方が細かいものまで写せるケースもあるのできちんと役に立つアイテム。
1.4xテレコンでは420mm(換算約644mm)となり、開放は1段暗くなる。AF速度は動きの激しくないものを撮るには十分な速度でストレスを感じることはない。
1.7xテレコンを付けると510mm(換算750mm超)という長さの割にレンズが軽いせいか手ぶれを抑えるのが難しくなる。1.5段暗くなるのでシャッタースピードが稼げなくなるせいもあり。
またこちらのテレコンはAFが半AFになるのでやや使いにくくなる。
三脚
換算450mmの超望遠で安定した撮影をするためには中型以上のしっかりとした三脚が必要になる。
雲台
三脚だけでなく雲台もしっかりした物が必要。
一脚
手ぶれを抑えて、疲労も抑えることができる。
カメラバッグ
カメラ装着でフードをつけたままだと内寸の高さ(または横入れということで幅)が320mm程度のバッグが必要。
フードを逆さ付けか外した状態なら260mmでもOK。
具体的にはロープロのアウトバック200ならフードを付けて取り出したらすぐに使える状態でバッチリ収納可能。
ロープロのトップローダープロAW75はフタが閉まらないので収納不可。
しかし一方で同じくロープロのクラシファイドAW160ではファスナーが閉まらないがなんとか収納できる。無理矢理収納できるといったところか。
フード逆さ付けなら両方ともOK。
レンズ単体で裸の状態なら内寸212mmのインバース200AWに無理なく入る。付属のレンズケースに入れた状態では少々無理矢理ながら(バッグの形が歪む)もかろうじて収納可能。