HD PENTAX-DA 18-50mm F4-5.6 DC WR RE
携帯性と描写力を両立させた沈胴式標準ズーム

- APS-C用
- エントリーグレード
- 標準レンズ
- ズームレンズ
- AF
- DCモーター
- クイックシフトフォーカス
- パワーフォーカス
- 簡易防滴
- HDコーティング
- SPコーティング
- 円形絞り
- 焦点距離18-50mm
- 最小絞りF4-F5.6
- 最大絞りF22-F32
- 絞り羽根枚数7枚
- レンズ構成8群11枚
- 最短撮影距離0.3mm
- 最大撮影倍率0.23倍
- 最大径71mm
- 全長41mm
- 重量158g
- フィルター径58mm
沈胴機構により高い携帯性を備えた標準ズーム。
エントリーグレードのレンズとしては十分な描写力を備えた一本。
- 開放からしっかりとした写り
- 沈胴機構によりコンパクトに収納できる
- 広角端の四隅に目立つ周辺減光
- MFの操作感はイマイチ
- 沈胴した状態からレンズを伸ばすのが若干面倒
実際に使用してのレビュー
描写の傾向
シャープでコントラストも程よく出て見栄えのする写り。沈胴式というギミックを載せたことが画質に悪影響を与えている印象はみじんもない。
単焦点やハイクラスのズームのようなシビれる描写をするレンズというわけではないが、エントリークラスのレンズとしては上々で、従来のDA18-55と比べても確かな向上が見られる。
開放から割としっかりとした写りだが、絞ったF8あたりが最も安定。
遠景などで隅々の安定度を重視するならF11〜F16くらいまで絞ると良い。
ボケ味は素直なもので、被写体に十分寄ることが出来るレンズなのでボケを活かした表現も可。
周辺減光は広角端でのみ四隅の黒ずみがついてまわる。
これは絞りに関わらず出るもので、空や海などが四隅に来るフレーミングでしばしば気になる(なおかぶせ式のフードによるケラレではない)
逆光耐性に関しては何も問題なし。
使い勝手
換算約28mm〜75mmは人が広く見渡したときから何かを凝視したときの自然な見え方をする範囲をカバーしており、標準ズームとしては申し分のないズームレンジ。
沈胴機構は携帯性にはプラスだが、使い勝手としては若干マイナス。
動作自体はスムーズで、縮めた状態から伸ばすのも一瞬でできるなど良く出来ているのだが、伸ばさないとシャッターが切れずに撮影が出来ない。そのため不意のシャッターチャンスではそもそも伸ばすのを忘れてシャッターボタンを押してしまい、シャッターが切れずに大きな魚を逃したりする。
まあ使うときは伸ばしっぱなしにしておけばいいのだが、撮り終わるとつい縮めてしまう癖が抜けないと言う。慣れですかね。
DCモーターによるAFはまずまず素早く快適。ボディモーターと違って静かな点も良い。完全な無音ではないが格段に静か。
MFはピントリングを回すとモーターが動いてピントが移動するというもので、レスポンスが今ひとつなので素早いMF操作はできない。ピントリングも狭く、MFに関してはクイックシフトフォーカス対応ながら「一応できる」くらいの割り切りに思える。
簡易防滴なので防塵防滴ボディとの相性はバッチリ。
エントリークラスのレンズでもしっかり簡易防滴にしてくるあたりはペンタックスのアウトドアに対するこだわりが見られて良い。
携帯性
標準ズームとしてはトップレベルの携帯性。
沈胴式のためコンパクトに収納でき、プラマウントであることもあり極めて軽量。
かぶせ式のフードも携帯性という点でポイント高い。
総評
エントリークラスとして十二分の写りで、HDコーティングの効果もしっかりと感じられる。
上位のレンズに対して下克上をしかけるほどではないが、携帯性の高い標準ズームが欲しければ改めてこのレンズをゲットするのもあり。
個人的には沈胴機構にちょっと慣れない。たまに戸惑う程度で煩わしいというほどではないが。
満足度は85点。
購入に関するアドバイス
類似または関連するレンズとの比較
似たレンズとの比較
smc版 smc PENTAX-DA L 18-50mm F4-5.6 DC WR REとの違い
仕様的な違いは
- フードの有無
- コーティングの違い
のみで、キット仕様のsmc版もクイックシフトフォーカスなどは省かれていない。サイズや重量も変わらない。
従って使い勝手や携帯性に関しては同様。
一方で描写に関してはコーティングの差が出ていて、smc版とHD版の差はそれなりにある。
- 開放の周辺解像力
- 四隅の描写の安定度
- 透過率の違いから同じ絞りでも露出が少し違う
などなど。
とは言えsmc版を持っている人がHD版に買い換えた方がいいと言うような劇的な差ではない。
他の標準ズームとの比較
旧来のエントリー標準ズームであるDA18-55は描写力や携帯性などもろもろの面でDA18-50よりも劣っている。
あえてDA18-55を選ぶ理由があるとしたら、望遠端がわずかに長いこと、より被写体に寄れることで表現の幅が高まることだろうか。
DA17-70やDA16-85などはミドルクラスの標準ズームとしてより高い性能を持っている。サードパーティで見ればSigma 17-70 Contenporaryも同様。
ズームレンジが広がることにより使い勝手が向上。もちろん描写性能も高い。サイズや重量も増すので携帯性は下がるが、バランスの良いステップアップと言える。
DA20-40リミはショートズームだけあって現行の標準ズームの中では頭ひとつ抜けた描写力を備える。かつコンパクト。
ズームレンジが短さなどで使い勝手はやや落ちるが、携帯性を維持したまま高い描写力を得たければ一押し。
DA★16-50はなんだかんだ問題児だが絞ればさすがの描写力。
多少のトラブルも楽しめる人なら非常にオススメ。
このレンズに関するメモ
関連用品
フィルター
58mm径。
望遠レンズにHD DA55-300をチョイスすれば共用できるので、58mm系のフィルターで広角から望遠まで対応できるようになる。
F値の変化 | |
---|---|
18mm | 4 |
24mm | 4.5 |
43mm | 5.6 |
50mm | 5.6 |
参考リンク
HD PENTAX-DA 18-50mm F4-5.6 DC WR REで撮った写真










