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フルサイズ 標準ズームレンズ

純正の現行品として軽量でコンパクトなF値可変のDFA28-105と大型で高画質なF2.8通しのDFA24-70とが揃っている。
ひとまず必要最低限の選択肢がある状態と言えるだろう。

最終更新: 2020-05-17

現行品として購入可能なレンズ

フルサイズ用の標準ズームは現行品として純正2本のレンズがラインナップされている。

HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR

K-1の発売と同時にラインナップされた基本の標準ズーム。
スペック的にはエントリークラスのレンズだがAPS-C用のミドルクラスを凌ぐ性能を持っており、高画素フルサイズ機にもしっかりと対応できる。

開放からしっかりとした画質、ズームレンジの長さ、携帯性とハンドリングの良さ、簡易防滴による耐候性などから、日常はもちろん旅やアウトドアにおいても軽快なフットワークを発揮する一本。
絞れば隅々まで申し分なく解像するので本格的な風景撮影にも向いている。

気軽なスナップから本格的な作品作りまでをも幅広くサポートする頼もしいレンズ。

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HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WR

K-1に先行してリリースされたF2.8通しの大口径標準ズーム。
階調性や質感を細かく写し撮る豊かな描写力を持ち、ハイレベルで信頼のおける仕事をしてくれる。

24mmスタートなので、広角レンズに付け替えなくても対応できるシーンが増える点がうれしい。
一方でサイズが大柄で重量もあるため、携帯性および取り回し等の扱いやすさではやや劣る。

ズームレンズの利便性を享受しつつもなるだけ最高の画質を求めるならば最適な選択。

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APS-C用のレンズで使えるもの

APS-C用の標準ズームはフルサイズで使うとケラレが大きく使えない。
ズームレンジの中の一部の焦点距離で使えるケースもあるが、周辺画質の問題もありズームレンズとして実用するのは難しい。

というわけで「使える」と言えるものは皆無。

スペック比較

  DFA24-70 DFA28-105
開放F値 F2.8 F3.5-5.6
広角端 24mm 28mm
望遠端 70mm 105mm
最大撮影倍率 約0.2倍 約0.22倍
最短撮影距離 38cm 50cm
長さ 109.5mm 86.5mm
最大径 88.5mm 73mm
重量 787g 440g
フィルター径 82mm 62mm
簡易防滴
SPコーティング ×
円形絞り
絞り羽根枚数 9枚 7枚
実売価格 ¥182,350 ¥78,400

実売価格は2020年5月現在のヨドバシ.comの税込み価格。ここから10%ポイント還元。

中古として入手可能なレンズ

旧FAズームレンズなども色々とあるが、よく分からないのと良好な個体の入手は難しいと思われるので除外。
中古にこだわらなくても現行品で十分なものが揃うであろうこともあり。
安価でコンパクトなレンズを狙うのでなければ旧製品を中古で求める必要はないだろう。

一応使ったことあるもののみ紹介。

smc PENTAX-FA☆28-70mm F2.8 AL

フィルム時代の大口径標準ズーム。
デジタルのフルサイズでは残念ながら広角側の周辺部がかなり甘く、スターレンズどころか普通の標準ズームとしても水準を満たしていないレベル。

自分が所有しているのは右上に片ボケが見られる個体なので、周辺の甘さはもしかするとその影響かもしれないが、生産終了してから久しいレンズのためメーカーでの調整もままならない。そういった意味でも今から入手するのは積極的にはオススメできないレンズ。

しかし問題のない35mmから70mmは相変わらず素晴らしい写りで、個人的には現行品のDFA24-70よりも好みだ。
オススメできないと言いつつも安価に手に入る機会があれば是非試してみてもらいたいレンズでもある。

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SP AF28-75mmF/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO Model A09

信じられないほど安価なF2.8通しの大口径標準ズーム。いつの間にかディスコンになってしまったのが惜しい。
広角端の四隅などに粗は見られるが、デジタルのフルサイズでしっかりと使える画質を持っておりコストパフォーマンスは高い。

開放ではナチュラルで柔らかい描写をし、ボケ味もズームレンズとしてはかなりのものなので、ポートレートや花撮りなどに向いている。絞ればシャープでしっかりとした写り。しかし純正の二本ほどの安定感はない印象。

使い勝手の面では軽量でハンドリングが良く、簡易マクロと言えるほどのクローズアップ性能の高さは魅力的。

発売から10年以上経っているため性能で言えば最新設計のレンズには及ばないが、十分な実用性とコストパフォーマンスの高さから選択肢に入れる価値がある。
新品でもピントがズレていることが多かったのはご愛敬。

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Sigma 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM

シグマのF2.8通し標準ズーム。
ペンタックス用もラインナップされていたが残念ながらディスコン。

ボケにやや癖があるものの、シャープでキレのある画質は使っていて気持ちいい。24mmスタートであることも魅力。
デジタルのフルサイズ用に開発されたレンズなので周辺画質にも大きな問題はないはずだが、個人的にはAPS-Cでしか使ったことがないので広角端の四隅などがどうなっているかは気になるところ。

HSMではない旧モデルとの混同に注意。

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選択のヒント

使い勝手重視

多くの人にとっての順当なオススメはDFA28-105。
フルサイズ用の標準ズームとしては携帯性も手頃で、ズームレンジが広く、簡易防滴。性能的にも開放から安定した画質、高い解像力などなどK-1にしっかりと対応する。
気軽な普段使いにも良し、少し気合いを入れた本気の撮影にも良し。

広角端24mmにこだわる

28mmあれば十分とは言え、24mmまでレンズ交換無しで対応できるのはやはり便利。
特に広角のラインナップが揃っていない現状ではなおさら。

別途広角レンズを持たなくても対応できる撮影の幅が広がる、と思えばDFA24-70の価値は高い。

F値にこだわる

F2.8通しのDFA24-70を。

ただし本当に明るいズームレンズが必要なのか、小さいF値に関しては単焦点でカバーできないか、という点については一考した方が良い。

描写力重視

となるとDFA24-70。
個人的にも標準ズームでベストの結果を狙うなら持っていくのはこのレンズになる。

携帯性重視

これはDFA28-105を選ぶのが正解。

コストパフォーマンス重視

DFA28-105がリーズナブルな選択。

今後のラインナップへの期待混じりの予想

ひとまず純正の標準ズームに描写力重視のやや大型のレンズとバランスの良い手頃なレンズがそろっている。

スターレンズとして描写力を極めた24-70mm F2.8がいずれ登場すればアツいが、出るとしてもかなり先の話だろう。

F4通しの24-105mmや24-120mmのようないわゆる小三元にあたる標準ズームも期待されるが、DFA28-105は性能的に他社小三元に匹敵するように思われる(個人の感想です)ので、開発リソース的に出る可能性は低そうだ。
個人的には24mmスタートの手頃な標準ズームは是非欲しいところだが・・・

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