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フルサイズ 広角単焦点レンズ

2021年にFA31のHD版が登場し、DFA21mmリミテッドがリリース。
高性能で小回りが利く広角レンズが2本ラインナップされているのはうれしい。

ただ全体的なラインナップとしては今一歩。現行品ではFA31、DFA21の他に35mmのF2、サードパーティでシグマの35mm F1.4があるのみ。広角レンズの定番である20mm、24mm、28mm、35mmのF1.4やF2が欲しい人にとっては物足りないものとなっている。

ロードマップの広角単焦点がひとつ穴を埋めてくれそうではあるが、それでも少し寂しい状況は続きそうだ。

最終更新: 2021-12-01

現行品として購入可能なレンズ

フルサイズ用の広角単焦点レンズは純正3本、サードパーティ1本の合計5本がラインナップされている。

HD PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited

従来のFA31をHDコーティングでリファインしたレンズ。
フルサイズ対応の明るい広角レンズにも関わらず、コンパクトサイズで高精細で印象的な描写が得られるという素敵な存在。

基本的な性能はsmc版とほぼ変わらないが、やや描写がクリアな傾向となり味付けの面ではけっこうな違いが感じられる。
選択はお好みで。

smc版の後継レンズとしてKマウントを代表するレンズの一本と言える。

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HD PENTAX-D FA 21mm F2.4 ED Limited DC WR

DFA初のリミテッドレンズ。
クリアで高精細かつボケ味も美しく、描写性能は申し分ない。

21mmの単焦点というのはなかなか扱いが難しい存在でもあるが、クォーターマクロを超える最大撮影倍率と超広角のパースペクティブも相まって表現の幅は広い。

フルサイズ対応の超広角で手ごろな携帯性のレンズが欲しい場合は強く推奨。

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HD PENTAX-FA 35mm F2

隠れスターと呼ばれたFA35をHD化してリファインしたレンズ。
HD化で光学性能が向上したほか外観がかっこよくなった。

持ち前の柔らかさはsmc版に比べると大人しくなっているので、ポートレートなどではsmc版の方がいいかも。それ以外の用途ではHD版の方が使いやすい。

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Sigma 35mm F1.4 DG HSM Art

極めて高い性能を持ったシグマのArtラインのレンズ。

ペンタックスの純正レンズに比べると大きく重いが性能もそれに見合うものを持っている。
クリアかつシャープで高解像のレンズが欲しい場合に推奨できる一本。

まだカタログ落ちはしていないがシグマは今後Kマウント製品を生産しないと報じられた。ので在庫品がなくなったところでディスコンになると思われる。
お求めになるならば早急に。

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APS-C用のレンズで使えるもの

smc PENTAX-DA 35mm F2.4 AL

開放の周辺減光がやや大きいものの、フルサイズでも使用可能と言っていい。
絞れば隅々までしっかりとした写りになる。

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スペック比較

  DFA21 HD FA31 HD FA35 Sigma 35mm DA35
開放F値 F2.4 F1.8 F2 F1.4 F2.4
焦点距離 21mm 31mm 35mm 35mm 35mm
最大撮影倍率 0.26倍 約0.16倍 約0.17倍 約0.19倍 0.17倍
最短撮影距離 18cm 30cm 30cm 30cm 30cm
長さ 89mm 68.5mm 44.5mm 94mm 45mm
最大径 74mm 65mm 64mm 77mm 63mm
重量 416g 345g 193g 665g 124g
フィルター径 67mm 58mm 49mm 67mm 49mm
防滴 × × × ×
SPコーティング ×
円形絞り × ×
絞り羽根枚数 8枚 9枚 6枚 9枚 6枚
実売価格 ¥179,800 ¥125,280 ¥46,900 ¥104,500 ¥18,230

実売価格は2021年12月現在のヨドバシ.comの税込み価格。ここから10%ポイント還元。

中古で探せるレンズ

smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited

開放からシャープでコントラストが高く非常に見栄えのする写り。加えてきめも細かく解像感も高い。
そんなスーパーな描写性能がコンパクトな鏡胴に詰まっているという宇宙の法則が乱れるレンズ。

使い勝手の面でも31mmの画角は汎用的で使いやすく、これ一本でぶらりと旅に出てもスナップから風景まで十分に撮り切れる。そう言う意味でもフルサイズで使えるようになるのを待ち望んでいた一本。

好みが合わない可能性もあると思うが、ペンタックスのカメラを使うなら一度は手にしてみて欲しい特別なレンズだ。

HD版の登場によりカタログ落ち。まだ新品購入は可能だが、流通在庫限りとなっているのでもし興味があればお早めに。

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smc PENTAX-FA 35mm F2 AL

隠れスターの異名を持つ広角レンズ。
柔らかで自然な描写が特徴的で、特に開放の描写は素晴らしいボケ味と相まってポートレートに好適。

35mmも広角としては扱いやすい画角で、日常のスナップにも活躍してくれるだろう。

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smc PENTAX-FA☆24mm F2 AL[IF]

隅々までの解像力や色収差などの面では最新設計のレンズにかなわない感じだが、色ノリや階調性、際立つ立体感など華のある描写はやはりスターレンズ。
大口径レンズらしいボケ味もなかなかのものだが二線ボケの傾向がやや強いのが惜しい。

比較的コンパクトで28mmスタートの標準ズームとコンビで持ち出すのに良い。

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smc PENTAX-FA 28mm F2.8 AL

FA35同様に隠れスターと呼ばれるレンズで描写力には定評がある。

28mmでF2.8と言うのは今時の単焦点としては物足りないスペックだが、その分軽量コンパクトなので扱いやすい点は侮れない。
汎用的に使いやすい画角なので、それ一本で身軽に出かけられるレンズがあるというのは大きい。

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smc PENTAX-FA 20mm F2.8

コンパクトな超広角。このレンズも現行で十分に通用する描写力を持っているようだ。

20mmの画角は欲しいが大型のレンズを持ち歩きたくない、という向きには良いレンズ。

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選択のヒント

好きな画角で選ぶ

現状のラインナップのことは置いておいて一般的な話をすると、広角の単焦点レンズは1mmの違いで使い勝手がかなり変わるので、好みもしくは用途に応じた焦点距離から選ぶのが基本だろうか。

ズームレンズを使ってよく使う画角を探してみるのも良い。
フルサイズだとDFA15-30しかないがこれは色々な意味で大物すぎるので、APS-CでDA★11-18やDA12-24やサードパーティ製の広角ズームを使ってみるのがいいだろう。

気軽なスナップに

汎用的な使い勝手では28mm付近。人間が屋外で自然に見渡した視野に近く、扱いやすい画角だ。
次いで35mm。これらの焦点距離のレンズは一本で広い用途に対応できる。

どちらが扱いやすいかという話になると28mm派と35mm派がいる。個人の感覚の問題でひとつに答えが決まるものでもない。ちなみに自分は28mm派だ。

28mmは中古でFA28を求めるほかない。良い個体を見つけられるかどうかが満足できるかどうかのカギだろう。

35mmの画角が好きな人はFA35、HD35とシグマ35mm Artという選択肢がある。
優しく柔らかな写りが欲しければFA35やHD FA35、シャープで切れるレンズが欲しければシグマの35mm Artがいいだろう。どちらもボケ味は申し分なく優れたレンズだ。

FA31は28mmに近い感覚で使うことができ、最高の描写力に加えてコンパクトで汎用性も高い。価格面をクリアできるなら非常にオススメ。

人の視野を超えた超広角を

24mmからは超広角。それなりの使いこなしが求められる画角となる。画角の変えられない単焦点となればなおさら。
屋内や林間などの狭い場所で、または邪魔のない開けた場所で、超広角ならではのパースを活かしたダイナミックな構図が作りたい場合に、または巨大な構造物を写し撮りたい場合に、威力を発揮する。

そうした基本を抑えつつ実際に今あるレンズの中から選択する段になると、DFA21がそれということになる。
ほか中古のレンズではFA☆24、FA20など。状態の良い中古が見つかれば現在でも実用的な性能を持っている。

風景撮影に適したレンズは

正直言うと風景撮影など絞ることが多い用途では単焦点の明るさはあまり必要ない。表現の幅として絞りの選択肢が増えるという点で全くの無意味ではないが、単焦点の前にズームレンズも検討に入れるのが順当な判断だろう。
特に三脚を使う撮影ではズームの利便性は偉大。

とは言え携帯性や価格面重視で単焦点を選ぶのもまたひとつの正解。
ほとんどの単焦点は風景撮影に使用しても間違いない性能を持っているため、どのレンズを選んでもほぼ問題はない。

強いて言えばFA31やシグマの35mm F1.4 Artのような高解像のレンズにしておくとより自己満足感動があるだろう。

人物撮影に

FA35の柔らかい描写が効果的。
HD FA35も悪くはない。

またDFA21もアウトフォーカスの柔らかさが素晴らしいので多分オススメ。

携帯性重視

純正のFA31、FA35、DA35、DFA21はどれも良好な携帯性。
シグマの35mm F1.4は携帯性の面ではやや不利。

コストパフォーマンス重視

APS-C用のレンズになるが絞ればほぼ問題なく使えるDA35がオススメ。

今後のラインナップへの期待混じりの予想

DFA21リミも無事発売されて、ロードマップに残っているのは大口径超広角単焦点のみ。スターレンズなので、定番の24mmか35mmのF1.4と予想される。

最終的には20mm、24mm、28mm、35mmの定番の大口径レンズが揃って、15mm前後の超広角でF2.8くらいのものが出れば充実のラインナップと言えるが、そこまで行くのは望み薄だろう。
定番のスペックで真っ向勝負と言うのもいいが、それよりはペンタックスならではの面白いスペックのレンズに期待したい。

おまけ 割と最近のMFレンズ

コシナツァイスのKマウント版はディスコン。
安価で性能に定評のあるサムヤン(品質のバラツキが大きいという声も聞くが・・・)、ほかLAOWA、Irixのレンズなどがある。ちょっと追いかける気力がないのでだいぶ割愛。

COSINA VOIGTLANDER COLOR SKOPAR 20mm F3.5 SL II Aspherical

20mmのレンズとしては非常にコンパクトで超広角スナップに好適。
APS-CではDA21とキャラ的にかぶるので今ひとつだったが、フルサイズで使うとなると俄然面白みのあるレンズとなった。

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COSINA Carl Zeiss Distagon T*3.5/18 ZK

きめ細かく鮮やかに被写体を捉える描写が特徴的な迫力の超広角。
フルサイズでは周辺描写が微妙なので遠景向きではなくなってしまった。

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COSINA Carl Zeiss Distagon T*2.8/21 ZK

Kマウントで使用可能なのDistagonの中でもひときわ高い光学性能を持ち、風景撮影はもちろん星景撮影などにも威力を発揮する決戦兵器。
F2.8からF5.6あたりのマイクロコントラストがすごい。

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COSINA Carl Zeiss Distagon T*2.8/25 ZK

クローズアップ性能が高く広角マクロが楽しいトリックスター的なレンズ。
その接写性能を活かすのは意外と難しいけど使っていて楽しい。

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COSINA Carl Zeiss Distagon T*2/28 ZK

扱いやすい28mmの広角レンズ。
素敵なボケ味と繊細な描写で被写体を印象的に浮かび上がらせる。広角ポートレートにも好適。

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COSINA Carl Zeiss Distagon T*2/35 ZK

クリアでシャープな素直な描写傾向。
扱いやすい画角と相まって汎用レンズとして使うのに適している。

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Samyang 14mm F2.8 ED AS IF UMC

高性能かつ14mmという超広角にも関わらず安価なレンズ。
そのコストパフォーマンスの高さにはかなりの定評がある。

出目金レンズのためフィルターは使いづらい。

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Samyang 24mm F1.4 ED AS IF UMC

今のところKマウント唯一の24mm F1.4。

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Samyang 35mm F1.4 AS UMC

MFレンズにも関わらずシグマの35mm F1.4 Artよりも大きいので性能は期待できるのでは。

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Samyang TILT/SHIFT LENS 24mm F3.5 ED AS UMC

サムヤンにしてはやや高めのレンズ。
Kマウントでシフトレンズを使いたいなら。

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LAOWA 15mm F4 Wide Angle Macro with Shift

フルサイズの15mm等倍マクロという面白スペックのレンズ。
さらにシフト機構を備えているが、これは残念ながらAPS-C用。フルサイズでシフトさせるとケラレが出てしまうようだ。

かなり興味深いレンズだが、しかし実絞りという点でなかなかハードルが高い。あと後発のLAOWA製品と比べて性能はそこまで高くない。

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Irix 15mm f/2.4

歪曲が極めて少なく高解像の大口径超広角。
95mm径と財布に厳しそうなサイズながらも一般的なねじ込み式のフィルターを使える点は良い。

Kマウント版も発売予定。
軽量性重視なFireflyと堅牢性重視なBlackstoneの2タイプが用意されるが基本は同じ。

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